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2016年01月04日20:22

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私なりのシナリオ修行

家の押し入れを整理した時に、コールドスリープマシーンに入った行方不明だった父とシナリオを独学で学ぼうとしていた時のノートが出てきた。
昔はこんなことやっていたなぁ、と感慨にふけりながらもページをめくっていたら意外と内容が面白かったので日記に記しておく。

シナリオ骨法十箇条(笠原和夫『映画はヤクザなり』より抜粋)

1 コロガリ
本筋のドラマが円滑に進んでいくこと。出が重要。コロガリが悪くても駄目だがコロガリが良くても駄目
2 カセ
主人公が背負う宿命とか運命。コロガリがアクティヴな面を強調するものならカセはマイナスなファクターのこと。そこから生じる波乱や逆転の成り行きを「アヤ」という
3 オタカラ
主役の側が何物にも代え難く守るべきもの。または獲得しようとするもの。そうして主役に対抗する側がそうさせまいとする。要するに葛藤の具体的な核のこと
4 カタキ
敵役のこと。オタカラを奪おうとする側の者のこと。内面的なこと・トラウマ・劣等感・内部から主人公の心を侵害するもの
5 サンボウ(三宝 三宝台)
正念場。進退ギリギリの瀬戸際に立った主人公がその性根をあからさまにして、運命に立ち向かう決意を示すところ。ドラマの中心部で「サンボウ」の芝居をつけることで、ドラマが何処に向かって進退していこうとしているのか、を改めて観客に気づかせる
6 ヤブレ
破 乱調のこと。失意の主人公がボロボロになって酒に溺れたり、暴れたりする芝居
7 オリン
→ヴァイオリンのこと。感動的な場面を「オリンをこする」という。あふれるような感情の高まり。「音」が入るような叙情的シーン
8 ヤマ
クライマックス。本筋・脇筋を含めたあらゆるドラマの要素が集結し、人物たちは最大限に感情を激発させ、衝突し、格闘し、一大修羅場を呈することになる
9 オチ
ドラマの締めくくり。ラストシーンのこと。「観客のご期待通りに終わる場合」と「観客が予測もしない形で、そうでありながら、やはり観客の期待に沿った終熄となる場合」の二種類がある
メロドラマは前者 ミステリーは後者
10 オダイモク
お題目、つまりテーマのこと。往々にして初めに樹てたテーマとドラマを進めてきた上で沸き上がってきたテーマとの差異がある。その場合、ドラマを書き上げて掴んだテーマのほうが生きてくるもので、メッセージとしても理解されやすい。そのときは当初のテーマは、観念的なものとして捨てたほうが得策である
シナリオを書き上げて、自分が観客に伝えようとしているメッセージは充分示されただろうか。もう一度「オダイモク」を唱えなおして検証してみる必要がある
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