・中村十作
1892年（明治25年）真珠養殖の事業を始めようと宮古島へと渡った。
――――そこで見たものは・・・
宮古島は琉球時代から続く人頭税。
人頭税により貧困を強いられる住民を見た十作は同じく宮古島に来ていた、城間正安とともに当時の沖縄県知事であった奈良原繁に人頭税の廃止を訴えた。しかし士族らの激しい反発からなかなか要求が呑まれることはなかった。
同年上京し帝国議会へと請願書を届けに向かった。道中では薩摩・琉球士族や警察による妨害などもあった。
同郷の読売新聞記者増田義一による実状を訴えた記事の協力などもあり、中村と城間、農民代表の西里蒲、平良真牛とともに当時の内務大臣井上馨へと請願書を提出した。議案は承認され、1903年（明治36年）ようやく人頭税制度は廃止となった。
1899年、沖縄県土地整理法が施行され、本土同様の地租改正が始まる。4年後の1903年に土地整理事業が完了、先島諸島の人頭税が廃止されたことで旧慣温存政策は終わった。
しかし、有禄士族への金禄は1909年まで続く。
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