mixiユーザー(id:29835385)

2015年12月23日15:28

611 view

私は認知症じゃない!

■認知症、どうやって病院へ連れて行く?早期診断・早期絶望にならないために
(THE PAGE - 12月23日 11:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=3773497

ようやく出てきた、という感じの記事です。
私たちも認知症に関する勉強会や講習などを行います。
介護保険を利用する人たちの子供世代である40歳台、50歳台の人たちが聞きに来られます。
こうした場では、将来認知症にかからないために、罹っても重篤化しないためにも「早期受診・早期治療」が必要だと言われます。
それに対して、ほぼ全員が「その通りだ」「私もチェックして病院に行きます」と言います。
あるいは、テレビなどの討論会で認知症が取り上げられたときにも同様な反応がほぼ全員から見られます。
しかし、その反応が出るということの背景には「私は罹らない」という根拠の薄い自信を持っていることがあります。
それは、「認知症」が精神的な疾患であることと、「認知症」が「さぼり病」だという認識になっていることが大きく影響しています。
精神疾患は、身体疾患と違って明らかに目に見えるものがありません。
そのため、永きにわたって精神疾患は差別の対象となってきました。
また、認知症は脳を鍛えていれば罹らない、という脳トレグッズやソフトを売らんがための誤った認識が蔓延していることで「さぼり病」というイメージになっています。

認知症は劇症的に症状が出てくることは希で、徐々に進行してゆきます。
その最初期には、アイデンティティがほぼ正常に近いところで保たれるために、認知症としての行動を意識できる部分があります。
先の講習会や討論会では、そういうことが意識出来たときに受診する、とほとんどの人が言ったはずです。
また、本人の意識のない部分での認知症的な行動を指摘されても、この時期には判断力のほとんどが維持されているので、それを受け入れて受診する、と表明したはずなのです。
しかし、現実には多くの人たちが受診行動を示しません。
アイデンティティも判断力も正常に維持されているこの時期には「私は認知症ではない」という思いが強く働き、その行動を「隠蔽」しようとするのです。
「早期受診・早期治療が大切だから、私は絶対に行く」と言っていた人たちに認知症的な行動が見られるから「念のために受診しよう」と勧めると「私は認知症なんかじゃない! バカにしないで!」と激高する行動がしばしば見られます。
こうして、認知症の進行を遅らせる最初期の有効な治療期間を逃してしまうことになります。

また、「騙して連れて行く」という手法もよく見られますが、先に示した通り初期認知症では、正常に判断したり、観察したりする領域が多く残されています。
ここで「騙された」ことに気がつけば、その後の信頼感の絆を失ってしまう危険があります。

認知症は、今や80歳以上では20%が罹患する病気になっています。
因みに、インフルエンザの罹患率は6%と言われています。
非常に高い罹患率です。
ですから、これが特殊な病ではなく、誰でも罹りうる病であるという認識が必要かと思います。
まだ完治の治療法は確立していませんが、アルツハイマー型認知症等はその進行を遅らせる治療法は進んでいます。
「認知症になったらお終いだ」「認知症が発症するなら死んだ方がいい」というようなネガティブな考え方も実は早期受診、早期発見を妨げている要因なのだということをもっと徹底すべきだと思います。

では、病院に連れて行くための方法とはどうすればいいのでしょうか。
王道的な考え方になりますが、家族も含めて日頃から認知症という病に関心を持って常に話題に上らせおくことと年に一回以上は定期健康診断に行く習慣をつけておいて、病院での受診が定期的な行動であることを意識づけておくことが必要だと思います。
6 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する