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2015年12月19日09:15

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どこかでオタクアニメ紅白をやってくれないか

紅白歌合戦『アニメ紅白』開催 局の垣根越えキャラクターたちが応援
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=3766673

 アニメの歴史を辿る企画なのかと思ったら、現在のアニメブームを築いた『宇宙戦艦ヤマト』がない。人口に膾炙した点では『サザエさん』と『ドラえもん』に如くものはないはずだが、これもいないのはなぜなのかな。どっちもギャラが高すぎたのかも。原作読んでりゃ分かるが(たまにアニメでも片鱗を見せるが)実は金の亡者で腹の中はドス黒いからな、フグ田サザエ(苦笑)。
 みんな言ってるけど、そんなんやるなら水樹奈々を出せと。このコーナー、多分、たいして視聴率は稼げまいから、来年の水樹奈々の復帰に期待したい。一般人が知っていようがいまいが、田村ゆかりや茅原実里や平野綾や日笠陽子や戸松遥あたりを出したって全然構わないと思うんだが。おっと林原めぐみ御大を忘れちゃいけない。
 こういうことを言うと、決まって「そんなんアニメファンだけの紅白を別にやればいいじゃん」と言われてしまうのだが、まさしくその通りなのである。それができないのはアニメファンの絶対数がどれほどかという、需要の問題もありはするが、それ以前に、基本的に放送局の壁があるアニメ番組の主題歌を一堂に会することはできないということがあって、その意味ではNHKの今回の企画は「英断」ではあるのだ。
 だからこそ、ゲストが十何人程度のアニメイベントではなく、本当に「紅白歌合戦」と言えるような年忘れのアニソンイベントができたらいいの二とは思う。何年も出場し続けるベテランがいてもいいよ(こう言って、水木一郎がアニメ界の北島三郎であることに気付いた)。今年の新人ってことなら、『ミカヅキ』(『乱歩奇譚』)のさユりは絶対に外せないと思う。アニメファンが夢想する「アニメ紅白」というのは、そういうものだ。

 正直、紅白が、その年一年のヒット曲の集大成じゃなくて、ただの懐メロ番組になってしまっているのはもう何十年も前からみんな勘付いていることで、今更たいした関心を持つこともなかったんだけど、この企画はいくら何でも、アニメファンを馬鹿にし過ぎている。いやまあ、この程度のウスくて阿呆な企画にも乗ってしまう「裾野の人々」をターゲットにしているのだと言われればそれまでなのだが、そこで「裾野」に選ばれた作品に対して、物凄く失礼だと思うのだ。一般人は、名前は知ってても、中身は知らないというのが殆どだよ?

 今年、水木しげるが亡くなって、職場でも話題になった。
 境港の水木しげるロードにも何度も行ったという、自称、水木しげるファンの同僚から、話を振られて会話していたのだが、それがだんだんつらくなってきた。

 「鬼太郎って、あれは何ね」
 「幽霊族の末裔です」
 「幽霊なん?」
 「いえ、幽霊族っていう名前の妖怪の一族なんですよ。人間モグラとも自称していて……」
 「一族なら、鬼太郎にはお母さんがおるん?」
 「いますよ、鬼太郎が生まれる前に死にましたが」
 「死んだんね! 『お化けは死なない』って歌うとるやん!」
 「妖怪は死にますよ。でもあの世に行くだけです。鬼太郎の母親も、死んであの世にいて、鬼太郎たちが会いに行くエピソードもあります。そこにはねずみ男の一族もいるんです」
 「おかんが、鬼太郎の生まれる前に死んだっていうのはどうてうこと?」
 「死んだあと墓に埋められたんですが、妊娠していて、鬼太郎は墓場から出てきたんです」
 「あの片目は生まれつき?」
 「鬼太郎の誕生エピソードは、水木さんは何度も書き直していて、生まれつきだったこともあるし、育ての親に蹴られて、墓石にぶつかって片目を失ったって話になってるのもあります」
 「気持ち悪いね。明るく楽しい鬼太郎はアニメだけか」
 「アニメも二期までは原作のおどろおどろしい雰囲気を出してたんですよ。特に二期は原作が尽きたので、水木さんの大人向けの作品を換骨奪胎してアニメにしてましたから、暗い話も多いんです」
 「水木しげるは鬼太郎以外の漫画も描いとったんね!」

 会話はさらに続くのだが、文章に起こすのも悲しくなってきたので、もうやめる。自称オタクなんだよね、この人。鬼太郎以外の水木漫画を知らないというので、『現代妖怪譚』をお貸ししたら「読んでも読んでも鬼太郎が出て来ん」と不満げであった。
 『地相眼』『縁切り虫』『心配屋』などは鬼太郎ものに改作されて、二期でアニメ化されている。鬼太郎ものになっても彼はあまり活躍していない。いずれも人間の欲が人間自身を滅ぼす物語で、鬼太郎はそれを看過するしかない。なぜなら、本当の妖怪は人間自身の心に内在するからだ。70年代、水木しげるはそのことを指摘し続けてきた。これらはみな、水木しげるの「大人もの」の傑作群である。
 これを読んでも「気持ち悪い」という反応しか返ってこないのだから、「一般人」というのがいかに度し難いかってことなのである。いや、とうの昔に分かっちゃいたことなんだけどね。

 「アニメ紅白」で取り上げられている「一般的な」アニメについてだって、殆どの一般人はろくに観てはいないだろう。『巨人の星』の大リーグボールを三つとも解説できるやつが、今どれだけいるのか。セーラー戦士を全員言えない自称アニメファンなんてザラである。
 『ガンダム』についてさえ、昔「どのキャラが好きか」と訊かれて「ミハル・ラトキエ」と答えたら「誰、それ?」と言われたことがあったよ。俺、全然、奇を衒ってないよ? ミハルが誰か分かんないやつが、なぜガンダムを語ろうとするか!(奇を衒うなら「ランバ・ラルの部下のクランプいいよね」とか「『ククルス・ドアンの島』に出てきたロラン」とか「永井一郎時代のドレン」とか言う)
 そういう些末的な話すらできないから、より作品内容に突っ込んだ「アニメに描かれた戦争」とか、「アニメと性表現」とか、「アニメの音楽史」とか、「アニメは本当に子どものものか」とか、そんな本格的な話など、できようもないのである。

 出場歌手のみなさんが、「なぜ紅白に出てアニソン歌わされるんだ」みたいな差別意識もろわかりな態度で歌ってる様子を見るのも嫌だしなあ。NHKにしてみれば、たいした目玉がない苦肉の策なんだろうが、苦肉の策ってのはたいてい失敗するのである。ほんと、誰得なんだよ。
 
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