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2015年12月17日04:40

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葉牡丹(ハボタン) Brassica oleracea var. acephala f. tricolor

葉牡丹は冬花壇や正月飾りに欠かせない植物ですね。公園の花壇に多く植えられており、今、見頃を迎えています。写真はイクスピアリの植え込みにて。

葉牡丹(ハボタン) Brassica oleracea var. acephala f. tricolor
アブラナ科アブラナ属の多年草。冬の寒さに冴える白や赤の葉はまるでそこに大輪の花が咲いたように見えるので、一般的には観葉植物としてよりも、一年草の草花として扱われる。外側の葉はグリーンで大きく、中心の葉は紅色、白、クリーム色、ピンクなどに色づく。漢字を当てると葉牡丹で、美しくて立派な葉姿を牡丹の花に見立てたもの。最近は可愛らしい大きさに収まる矮性種も多く出回り、コンテナや鉢植えでも広く利用されている。また、茎が長くなる高性種は切り花にされる。茎を長く伸ばして枝分かれさせ、その先端に花が咲いたように葉を付ける「踊りハボタン」という仕立て方もある。冬の間は茎が伸びずに寸の詰まった姿をしているが、暖かくなると茎が伸びて菜の花のような黄色い花を咲かせる。植物学上は地中海沿岸に野生するブラッシカ・オレラケアの変種に当たる。オレラケアから生じた変種には、キャベツ〔var. capitata〕、ブロッコリー〔var.italica〕、カリフラワー〔var. botrytis〕、青汁で有名なケール〔var. acephala〕などがあり、ハボタンとそれらは兄弟ということになる。原産地の西ヨーロッパでは古くから野菜として扱われており、大和本草(1709年)には『オランダナ』の名前で登場する。そのオランダナがハボタンとされ、その頃に日本に入ってきたといわれている。味や花については書かれているが、葉を観賞するものではなかったよ。ちなみに味は「よい」と記されている。『ハボタン』の名前がはじめて出てくるのは「本草正譜」(1778年)で、「本草図譜」(1830年)には『甘藍葉牡丹』の名前で、葉が冬に色づくことが記されており、現在のように葉を観賞するようになったと思われる。品種の育成や選抜は主に東京の鹿骨で江戸時代から始められ、明治中期から名古屋で、戦後にはさらに盛んな改良がおこなわれ、現在は大きく4つの系統に分けられている。
「東京丸葉系」:最も古くからある系統で、江戸時代から育成が始まり、葉は丸っこくキャベツに似ており、強健で栽培し易い。江戸ハボタンとも呼ばれる。
「名古屋ちりめん系」:縮葉ケールと掛け合わせて明治時代に名古屋で作られた系統で、葉のフチが細かくフリル状にる。根の生長がやや弱く、大株の移植は難しいので花壇への列植には適さない。
「大阪丸葉系」:戦後に育種された系統で、葉のフチが緩く波打ち、東京丸葉系と名古屋ちりめん系を足して2で割ったような中間形態。強健で育て易く葉の発色も良いので広く利用されている。
「さんご系」:ロシアから野菜として導入された切れ葉ケールと丸葉系を掛け合わせて、さらに丸葉系を掛け合わせて作られた品種。葉が細くて深く切れ込み他の系統とは一線を画した草姿をみせる。
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