日刊ベリタ記事の転載です。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201512131059150
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2015年12月13日10時59分掲載 無料記事 印刷用
オバマの米国
「違法な移民」 と先住民
最近、よく聞く小話が次のようなものです。排外主義の共和党大統領候補、ドナルド・トランプ氏が熱弁しています。
トランプ「違法な移民には国に帰ってもらわなくてはならない」
インディアン「本気かね?じゃ、あんたいつ出て行くのか?」
これにはいろんなバージョンがありますが、いずれにしても「違法な移民は出て行け」と言っている当の人物も、長いスパンで見ると違法な移民にほかならなかった、というオチがあります。
とくにアメリカのような移民の国においては、違法な移民とはいったい誰のことなんだ、という原理的な矛盾が起こりえます。そのとき、もっとも違法な移民を排除できる権利があるのは先住民であるネイティブ・インディアであり、そもそも彼らを欧州人がインド人呼ばわりする権利もなかったはずです。
このジョークを今のアメリカで聞く場合は一層の皮肉があります。トランプ氏は最近「イスラム教徒は入国禁止」と言ったことで物議を醸していますが、そもそも、危険視されるイスラム国を作ったのはキリスト教原理主義のブッシュ大統領に率いられて不当な戦争・イラク戦争を始め、中東地域をめちゃくちゃにした米国であると言って過言ではないからです。アメリカでは今でも進化論を学校教育からはずせ、と主張している人が少なくありません。このような国が最新鋭の兵器で攻撃してきたらたまったものではありません。
しかしまたこのジョークは米国産であるのかも知れません。トランプ候補を全米の人が支持しているわけでは決してないからです。
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