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2015年12月06日00:48

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マリインスキーバレエ 白鳥の湖

2015/12/5土 18:30- 東京文化会館

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:マリウス・プティパ,レフ・イワノフ
改訂振付:コンスタンチン・セルゲーエフ
台本:ウラジーミル・ベーギチェフ,ワシーリー・ゲーリツェル
装置:イーゴリ・イワノフ
衣裳:ガリーナ・ソロヴィヨワ
舞踊監督:ユーリー・ファテーエフ
指揮:アレクセイ・レプニコフ
管弦楽:マリインスキー歌劇場管弦楽団

<出演>
オデット/オディール:ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子:ダニーラ・コルスンツェフ
王妃 (王子の母) :エカテリーナ・ミハイロフツェーワ
王子の家庭教師:ソスラン・クラエフ
道化:グリゴーリー・ポポフ
悪魔ロットバルト:コンスタンチン・ズヴェレフ
王子の友人たち:エカテリーナ・イワンニコワ
        ナデージダ・バトーエワ
        フィリップ・スチョーピン
小さな白鳥:アナスタシア・アサベン
      オクサーナ・マルチュク
      アレクサンドラ・ランピカ
      スヴェトラーナ・イワノワ
大きな白鳥:ヴィクトリア・ブリリョーワ
      ディアナ・スミルノワ
      エカテリーナ・チェブキナ
      ズラータ・ヤリニチ
2羽の白鳥:クセーニャ・オストレイコーフスカヤ
      ナデージダ・バトーエワ
スペインの踊り:アナスタシア・ペトゥシュコーワ
        マリーヤ・シェヴャコーワ
        アレクセイ・クズミン
        ローマン・ベリャコフ
ナポリの踊り:アンナ・ラヴリネンコ
       アレクセイ・ネドヴィガ
ハンガリーの踊り:オリガ・ベリク
         ボリス・ジュリーロフ
マズルカ:クセーニャ・ドゥブローヴィナ
     エレーナ・アンドローソワ
     ナターリヤ・ドゥゼヴーリスカヤ
     ズラータ・ヤリニチ
     アンドレイ・ソロヴィヨフ
     ドミートリー・プィハチョーフ
     アレクセイ・チュチュンニック
     エフゲニー・ジェリャービン

マリインスキー祭り、私の最終日はロパ様の白鳥でした。2009年、2012年の来日公演に続いて今回が3度目のロパ様の全幕白鳥。前回もこれがライヴで観られる最後かも、と思っていましたが、今回は本当に最後でしょう。そして最後にふさわしい素晴らしさでした。

以前に観たときもロパートキナの精神性の高さにはがっつりやられたのですが、今回はその演技が更に深化していました。気品と知性だけでなく、今回のオデットには慈愛があった。前回のオデットは孤高の気高い存在でしたが、今回のオデットは人間味があった。精神は高みにあるのだけれど、そこから世界のすべてを温かく見下ろしているような感じとでも表現したらいいのか。その温かみが諦観にも感じられて、オデットの繊細さや哀しさを一層引き立たせているように思いました。

愛の伝説のところでも書きましたが、ロパートキナは今回白鳥でもほとんどポーズで停止することがなく、つねに流れるような動きを見せてくれました。前回はもっとポーズをぴっと止めていたと思うのですが。彼女の細く長い腕は、常に空気の中をたゆたっているように揺らめいていて、この世のものとは思えぬ美しさでした。この流れる動きが、孤高さだけではなく人間らしい柔らかさを生み出していたように思います。

そして何よりも音楽性。彼女が踊ると、ああこの音はあの動きのためにあったのだな、と、チャイコフスキーの音楽の意味さえ再発見できてしまう。オケも彼女に合わせていこうとしていましたが、それだけでは説明がつかない音楽との一体感。本当に素晴らしい。

黒鳥は、コンテを踊っているときの彼女で見られるような毅然とした態度、でも決して強すぎない(マリインスキーでは、誰でも割と黒鳥の自己主張が強くないイメージではありますが)。さすがに、前回観たときよりも回転技の安定感は落ちているようにも思いますが、彼女の価値はそんなところじゃないよね、と思わせるに十分なものをロパートキナは持っています。

本当にいいものを観させていただきました、ロパ様どうもありがとう。できればまた日本に来てくださいね。会場のほとんど全員がそう思っていたのでしょう、最後は会場ほぼ総立ちのスタンディグオベーションでした。ロパートキナ自身もとても嬉しそうな笑顔で何度もカーテンコールに応えてくれて、さながら日本での引退公演といった風情でした。。。

と、とにかくロパ様で胸いっぱいの公演でしたが、その彼女を優しく確実に支えたコルスンツェフの端正な王子っぷりもなかなか。あと、パドトロワのスチョーピンがとにかく上手くて目立ってました。彼のロミオはよかったろうなあ。

何だかまとまらなくなってしまいましたが、マリインスキー祭りもこれで終わり。前回公演よりもコールドのレベルも高く、愛の伝説という貴重な演目もあったりで、本当に楽しかった来日公演でした。次回は2018年、になるのかな。若い有望なダンサーもたくさんいるし、気が早いけど次の来日公演を心待ちにしています。ジャパンアーツさん、ありがとうございました&よろしくお願いいします。

初日のジュエルズ、だいぶ記憶が薄れちゃってますが、近いうちにメモ程度には残しておかなくちゃ・・・。

ちなみに、2012年マリインスキーバレエ来日公演のときのロパ様の白鳥の感想はこちら。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1882983735&owner_id=2438654
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