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2015年12月05日00:50

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90年前の当事者が考えた解決方法

■東京都が「中年フリーター」に3か月の研修実施 しかし「会社が雇わないなら意味がない」との声も
(キャリコネ - 12月03日 18:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=3742640

約90年前の繊維産業にて就労する女工・職工たちの過酷な労働条件を記録した『女工哀史』を書いた細井和喜蔵が、『女工哀史』の末尾に何を書いたかお読みになった方はいらっしゃるだろうか?

細井和喜蔵は、『女工哀史』の最後にて、「強制労働」論という、見かけだけはイカつい解決策を唱えたが、その中身は現代に通じるものだったりする。
彼の云う「強制労働」とは、地主や投資家などの不労所得者(←失業者や年金生活者等は含まれない)の根絶を狙ったものであり、万人に「薄く広く」労働と収入の機会を分け与えようとするものだった。
労働頻度は、「週に数日、1日あたり数時間、気分が乗らない時には休んでいただく」という牧歌的なものである。

細井の考案した「強制労働」とは、事実上の「短時間労働」論であり、ワーク・シェアリング論でもある。

「大勢の労働者×魅力的な労働条件」にて、膨大な生産目標をクリアーしてしまおうという戦略だったともいえる。
そして、残った膨大な余暇を、芸術や文学、そして、学問に無償で取り組み、「日本社会を盛り立てよう!」というものだった。

彼の考えは、90年前ならば「荒唐無稽」の一言で片づけられただろう。
そして、21世紀の日本には、細井が立ち働いた、繊維産業等の労働集約型産業の地位は後退し、今では「膨大な生産目標」そのものが過去のものだ。
おまけに、万人が仕事にありつけるかどうかも疑問だ。

しかし、「短時間労働+どこまでも有意義な余暇」という組み合わせは、21世紀のベーシック・インカム論に通じるものがあるのだ!

試しに、細井の「強制労働」論にベーシック・インカム(以下、"B.I."と表記)を挿し入れてみよう。

仕事にアブれても生活は保障されるし、短時間労働でも生活が成り立つばかりか!「欲しいものの購入」すらも現実味を帯びてくる。
また、「短時間労働+音楽や芸術,研究者+B.I.」だと、余暇の時間にトレーニングや稽古、そして、研究活動に長く時間を割くことが可能となる。このことから、偉大な学者や芸術家が輩出されやすくもなる。それは「夢が実りやすい」社会でもある。
おまけに、パトロンに媚びを売らなくても済むしね♪(余談ながら、僕は『マネーの虎』がだいっ嫌いだ!)。
そして、筆者が多少なりとも話を聞く機会のある大学教育の世界においては、恐ろしいまでの倍率や障壁を潜り抜け、教授や准教授といった終身ポストを勝ち取ったまでは良いものの、数少ない彼等に夥しい仕事量が押し寄せ、「500万円以上の年収+過労死寸前の労働」という事象が現出している。
それならば、B.I.を介在させた上で、ワーク・シェアリングを図るべきではないだろうか?ポストの数が増えることから、博士課程修了後も就職口の無い「野良博士」の問題の解決も図れるとも思うし…。

・・・アト、B.I.が存在すると、起業しやすくなるというメリットも存在する。
これは、「ビジネスの成否」と「当人の食い扶持」が切り離されるためである。
別の云い方をすれば、「月5万円ビジネス」でも食ってゆけることになるのだ。

即ち、「短時間労働+月5万円ビジネス+B.I.」という組み合わせとなる。

このような「マイクロ・ビジネス」ならば、失敗してもやり直しが容易だし、組織が5人前後であることから、気の合う仲間同士での起業となる。
即ち、企業社会での経験の無い人(=筆者のような中年フリーター)でも参入が容易となる。之により、「中年フリーター問題」の解決は容易となるだろう!
おまけに、このような「企業」は、従来型の官僚制組織とは異なり「小回りが利く」ため、現場での商品の改良や商品価格の改訂も容易である。

ちなみに筆者も、3年前に半年間、反原発運動団体への缶バッジ制作というマイクロ・ビジネスをやってた経験がある。結果は何とか黒字で、筆者に月4万円前後の「給料」が支払われている。

なお、このような「マイクロ・ビジネス」を盛んにするためには、ベーシック・インカムの他に、大店舗の出店や大企業の行動を取り締まる法律の存在も前提となるだろう。
さもなくば、「マイクロ・ビジネス→小回りの利かない下請け」と、なりかねないからだ。
そうでなくとも、「財閥の解体」は1945年以降の「日本の宿題」なのだから・・・。

なお、武器の輸出・生産以外に活路を見いだせず、労働力を蕩尽し、財を貯め込んでばかりいる財閥や大企業が解体されれば、B.I.の原資のかなりの部分を、まかなえるだろう。

他にも「B.I.+短時間労働」には、子育てに専念する主婦・夫も収入を得ることができ、家事や子育て労働にも支払いが期待できる等のメリットもあるのだが、紙幅の都合上、省略する。

ともあれ、細井和喜蔵が唱えた『女工哀史』の末尾にて唱えた「強制労働」論が、「今の日本の現状に通じるものなのではないか?」と、論じてみた。






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