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2015年12月02日11:56

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【同性愛者】 調べてみた! 同性愛者は、異常でも病気でもない!

■岐阜県職員、「同性愛は異常」に賛同ツイート
(朝日新聞デジタル - 12月02日 01:06)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3739494


 又か、という感じですね。先日の鶴指眞澄・海老名市議(神奈川県)発言の際には、つぶやきで済ませましたが、短期間で繰り返された(今回は岐阜県の職員)ので、さすがに、少しちゃんと考えをまとめようと思い、今回は日記で書くことにしました。
 とは言え、私自身は同性愛者ではないし、同性愛について詳細を知らないのです。最近では学校(保健室等)でも、同性愛者に対する理解を促進する為の啓発ポスターが掲示されていたりするらしいのですが、なにしろ当方は50歳。学校で受けた「保健」の授業内容も忘却の彼方ですが、たぶん、同性愛のことは何も教わらなかった気がしますね……。
 そこで、俄か勉強まる出しで本当に申し訳ないのですが、ネットで初歩的な知識を漁って、この日記でまとめてみようと思います。

 まず、俄か勉強をする前の、私の考え方と知識です。

 「異性にだけ愛情(勿論、「家族愛」等は除きます。以下同じ)を抱く人もいれば、同性にだけ愛情を抱く人もいる。両方の性に愛情を抱く人もいる。人口に占める割合は違っても、愛は全て対等であり、これによって差別されてはならない」
 「同性愛者の中には、性同一性障がいの(肉体的な性別と、自覚する性別とが食い違う)人もいる」

 ……本当に浅薄で恥ずかしい次第ですが、この程度なのです(汗)。では早速、俄か勉強に入りましょう。

Q「同性愛者は、生物学的な意味において『異常』なのか?」
 これは、人間以外の動物に同性愛がみられるかどうかを調べれば良い訳ですよね。

A「同性愛的行動が確認された動物(ヒトを除く)は1500種以上であり、そのうち約500種の同性愛が立証されている。」(1999年、ブルース・ベージミルの研究)
 マジか! 具体的にはクジラ、ニホンザル、象、アメリカバイソン、ペンギン、ゴキブリなどだそうです。知能の高い哺乳類から、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類まで、かなり多岐に渡って該当種があるようですね。2006年にはオスロ自然史博物館(ノルウェー)で、「生物の同性愛」をテーマとした展示会も開催されたとか。
 なんだ、これだけでもう、鶴指・海老名市議の「異常生物」発言は論破されたも同然なのでは? 「不適切な表現」とかなんとか以前に、「科学的に間違った発言」なのではありませんかね。

 次に、ヒトの同性愛について。
Q「同性愛は、『病気』なのか?」
 つまり、同性愛者は生物的にではなく「状態」として異常で、医学治療の対象になるのか、ということです。

A「WHO(世界保険機関)の疾病分類では、1990年採択の『ICD-10』から『同性愛』の分類名が廃止され、『自我異和的性的定位』という分類名が用いられたが、『性的指向自体は、障がいと考えられるべきではない』と注釈がついた。これにより同性愛自体は障がいとされなくなった。1993年、WHOは再び『同性愛はいかなる意味でも治療の対象にならない』と宣言した。」
 障がい扱いも、病気扱いもされていないじゃんか! 「治療の対象にならない」というのは、「病気ではない」って意味でしょう? なら、正常なんじゃないか!
 ……いや、待て待て。まだ慌てる時間ではない。WHOがどう言おうと、日本国内では病気扱い、という可能性も残っているぞ。

A「日本では厚生省(現・厚生労働省)が1994年にWHOの見解を踏襲し、文部省(現・文部科学省)も同年に指導書の『性非行』の項目から同性愛を除外した。1995年には日本精神神経学会もWHOなどの見解を尊重すると表明し、『同性愛はいかなる意味でも治療の対象とはならない』と宣言している。」
 ……おいこら、鶴指市議と岐阜県某職員。これはどういうことだ(怒)。厚労省も文科省も学会も、みんな「病気ではない」と言っているようにしか読めんぞ。それも、もう二十年も前からだ。

 次に、法的な面ではどうなっているのでしょうか。生物学・医学面は別としても、日本は同性愛に対して後ろ向きで、それが昨今の発言を生む土壌になっている可能性が……。
Q「日本は国家として、同性愛にどう向き合ってきたの?」

A「1872(明治5)年に発令された『鶏姦律条例』および1873(明治6)年に発令された『改定律例』では男性同士の性交が犯罪とされた。しかし、1880(明治13)年に制定・1882年に施行された旧刑法では、この規定はなくなった。それ以来日本の法において同性愛は違法とされておらず、現在、法務省は性的指向による差別を無くす呼びかけを行っている。」
 ……法務省さん、この人たちです。この人たちが、法務省さんの呼びかけに逆らってます!

A「2008年12月に、国連総会において『性的指向と性自認に基づく差別の撤廃と人権保護の促進を求める』旨の声明が出された。日本はこれに賛同している。」
 ……うおっ、法務省のみならず、国連をも裏切ってやがる。
 ちなみに、この声明に賛同したのは66ヶ国で、そのうちアジア圏で賛同した国は日本のみ。これは恐らく、アジアの多くの国でイスラム教が信仰されていることとも関係ありそうですね。(コーラン……最近は「クルアーン」とも表記するようですが……の中に、男性同性愛者を非難する件りがあるとか。)理由はともあれ、後ろ向きどころか、日本はアジア屈指の「同性愛者の人権保護に前向きな国」と言えそうです。
 なお、日本での宗教と言えば、仏教や神道になりますが、これらや、江戸時代中心に大きな影響を日本社会に与えた儒教では、同性愛や異性装(男装や女装)を明確に禁止してはいませんし、過去の歴史の中でも、肯定的に捉えられてきたとか。そう言えば、「男らしさ」の象徴のような武士が、稚児を囲っていたりしたというのは、よく聞く話ですよね。

 ……このように俄か勉強してみた範囲では、生物学的にも医学的にも「同性愛は病気や疾患ではない」し、国内法的にも違法ではなく、むしろその人権が積極的に保護されるべきであり、かつ宗教的・歴史的にも大きな問題はなかった、ということが明らかになったように思います。「性同一性障がい」については長くなりますので割愛しますが、今回調べた中に

 「同性愛者のうち、性同一性障がいに当たる人は一部に過ぎず、全部ではない」

というポイントがあったので、それだけ書いておきますね。つまり、

 「自分は肉体的には女性として生まれたけれど、自覚としては男性だと感じる。だから女性が好き」

という人は性同一性障がいで、それ以外に、

 「自分は肉体的にも自覚から言っても女性だけれど、女性が好き」

という人もいるよ、ということですね(当然、逆の性でも同じ)。目に映る光景としては「女性を好む女性」・「男性を好む男性」という同じ構図ですが、内容は異なるわけです。難しいことはさておいて、「同性愛者」と一口に言っても、色々な方が居らっしゃるのだ、という理解だけは必要かな、と思います。


 既に述べたように、同性愛は病気でも障がいでもありません。ですが、今回の二つの発言(や、それらを肯定するかのような一部の世間の反応)が示すように、同性愛者の方々が偏見に晒されていることは事実です。私も、他人事のようには言えません。再三お断りしたように、今回書いたことの大半は、ネットでちょっと漁った俄か知識です。つまり、私も同性愛については、ほぼ「無知」であったし、現在も「無知」に極めて近いのです。そして、「無知は偏見の温床」とも考えます。ですから、実は問題発言した市議たちを責めるというよりは、むしろ自省の念を込めて書いている、といった方が正確です。
 障がい者、特に、目で見てすぐに分かる身体障がい者(車椅子利用の方など)に対するバリアフリー化は、少なくとも首都圏(私が首都圏在住者なので……)等では、かなり進んできたように思います。知的障がい者や発達障がい者に関する配慮は、まだまだ浸透しているとは言えませんが、それでも僅かずつながら前進はしていると思います。
 身体障がい者にしても、知的障がい者にしても、「障がいを隠す」ということは出来ないか、出来ても困難でしょう。だから目につき易く、故に支援を受け易い、という面もあるかと思います。
 これに対して、同性愛は、偏見を恐れて本人が周囲に隠す、ということが出来ます。出来ます、と言うか、隠している方が多いのではないでしょうか。当然ながら、「日本中で同性愛者が何人いるか」という統計自体、とるのが困難です。(まず、どこからが「同性愛者」なのかの定義が難しいでしょうが。)
 2011年の「世界人権デーを記念するクリントン・米国務長官の講演」によれば、英米では同性愛者が人口の2%〜13%の割合で存在する、とのことです。随分と幅のある話ですが、仮に最小の2%を採用して、日本の人口一億二千万人に当てはめてみても、二百四十万人。ちなみに、今年11月現在の名古屋市の全人口が、二百三十万人弱です。最少の想定でも、これだけの同性愛者の方が居るのですよ。「意外に多いな」と感じられませんか? それはつまり、御本人がそれを明らかにしにくい環境が周囲にある、ということなのです。
 障がい者ではないけれども、社会的なバリアーを感じる。こういう方が大勢いらっしゃることになります。これは深刻に受け止めなければいけません。まして、今回問題になった二つの発言を

 「市議や県職員という公的な立場で発信したのがマズかった。私人としてなら問題なかった」

等と矮小化すべきではありません。既に記したように、生物学的にも医学的にも、法的にも国際的にも、誤った内容で数百万人という方の心を傷つけるのですから。
 「無知は偏見の温床」と書きました。裏を返せば、「偏見の解消は、正しく知ることから」です。最低で2%ということは、五十人に一人は同性愛者、ということです。あなたの同僚、あなたのクラスメートにも、同性愛者がいる可能性があるのです。それらの方々の正当な権利を守る為に、一つずつ、知っていきましょう。私も努力したいと思います。
 お読み頂き、ありがとうございました。
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