mixiユーザー(id:15507090)
2015年11月30日01:40
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しつこく秋にしがみついて室生寺へ
今年の紅葉は、前半の暖かい気候のせいもあって、
発色も、葉の具合もよくないと、みなさん口にされるのであるが、
実際に、各所に出向いて確かめてみると、確かに冴えない。
しかし、どこかに鮮やかに色づいているものもあるのではないか…
そんな期待もかすかにあって、気温が少し暖かくなったので、
バイクで出かけてみた。
朝、妻にどこに行くかと訊ねたら、「室生寺」と返事が来た。
どうせ、高速道路は行楽渋滞に決まっているんだから、
いつもの抜け道を使って、まずは近江国へ向かう。
三重県の四日市東ICで降りて、ひとまず国道421号を目指す。
菰野高原を西へ。まだ鈴鹿山脈には雪は降っていないようだ。
雪でもチラつかれたら、バイクで峠越えなど怖くてできない。
妻はズンズン先へ走っていってしまう。
国道421号で県境を越え、東近江の永源寺へ。
途中、木地師発祥の地の君ヶ畑の下にある永源寺町政所（まんどころ）に、
新しい道の駅が出来ていたので、トイレ休憩で寄る。
かつて中学校の2階建て鉄筋コンクリート校舎だった場所が、
市役所の出張所に使われていたのだが、そこを全面改良して、
道の駅「奥永源寺渓流の里」として先月10月半ばにオープンしたらしい。
詳しく知りたい方は、下記のサイトをどうぞ。
http://
琵琶湖では、ニゴロブナのなれ鮨が有名だが、やたらに高価だ。
しかし、独特な臭みが呑み助にはたまらないようだ。
この道の駅では、それも売ってはいるのだが、
なんと500円で、ウグイのなれ鮨（一匹まるまる）を売っていた。
でも、ウグイはとってもまずい・臭い、という認識しかないわたしは、
その安さに惹かれて買おうかなと思ったが、やめてしまった。
なれ鮨の発酵でも、あのウグイのアンモニアのような臭みを消せるのか？
ハーレーに乗っているという同年輩の人としばし立ち話をしたあと、
手を振って別れ、先を急ぐ。
信号の少ない里山の快走路をバンバン飛ばして、
日野、土山、甲賀、伊賀・・・と進む。
伊賀市の道の駅「あやま」で、軽いランチタイム。
地元で焼いたというパンを食べる。
「トヨビッグ」という妙な名前の揚げパンがあったので、
レジを打っていた口達者なおばさんに伺ってみると、
「トヨミさんっちゅうんが、ウチのオーナーさんやから。
ほいでさな、豚肉やら野菜やらよ〜け煮込んでさな、ピッグなんよ」
「豚ちゃんみたいな体格の人なんですか？」
「太ってへんよ」
なんだかよくわからないシュールな説明だったので、面白そうだと思い1個買った。
ピロシキのなかに、ぐにゃぐにゃに煮込んだ中華風の豚肉餡みたいなものを、
ちょろっと仕込んだパンだった。食べてみたら、カリッと揚がっていて美味しかったが、
空腹の人だったら、物足りなさを感じるに違いない。
詳しく知りたい方は、下記のサイトをどうぞ。
http://
道の駅「あやま」を出たときは、12時00分を少し過ぎていた。
なんだ、もっと天気がよくなるかと思ったのに、ずっと曇天だ。
でも、さほど寒くはない。
西名阪道路に乗って、奈良県の山添ＩＣまで。
そこで降りて、月ヶ瀬方面へ向かい、途中にできた広域農道を南下する…ハズだったが、
通り過ぎてしまい、仕方なく笠置街道を南下。いろいろな道を走ってみたら、
ほどなくして広域農道へ合流できた。
おかげで、また新しい道を学習できた。迷うことで新しい抜け道と風景を手に入れる。
ナビゲーションシステムに頼らないで走る旅の面白さ、と言えなくもない…。
奈良県最北部の月ヶ瀬・柳生エリアから延々30�劼曚姫�陀市の室生寺まで、
1本の広域農道がつないでいる。アップダウン＆いいコーナーの連続。
広域農道だから、国交省の管轄ではない。
交通量もほとんどなく、バツグンに走りやすい広域農道は、農林水産省の管轄だ。
路肩に農業従事車両が長時間停まっていてもいいようにできている。
駐停車禁止の標識がないところがほとんどだが、
この道が市町村道や主要地方道に指定されると、一般車両の通行を規制する国交省が
いろいろ注文を付けてくる。道路交通法がうるさくなると警察も登場する。
広域農道は、基本的に農林業従事者の利便性を図るための生活産業道路だから、
警察の見回りとか、ネズミ捕りなどというものと縁がないのが建前だ。
ぶっ飛ばすのは広域農道にかぎるね。
信号機がほとんど要らないように造ってくれてあるしね。
ということで、素晴らしい山道ワインディングを爽快に楽しみながら、
やってきました、2年ぶりの室生寺。
駐車場も新しいのができていた。有料だけど、バイク1台200円。
そこから歩いて3分で門前へ。
入山料金は大人600円だが、ＪＡＦに入会しているので、ＪＡＦカード見せて▲100円引き。
これで駐車場料金100円で済むな。小さな節約、大きな未来…ホントか？
おお、山門前の紅葉はまだまだ見られるぞ。
仁王像がいる山門をくぐったら、虚無僧さんのステージがあった。
凛としてきた秋の寺の空気を、尺八の音色が…
ご本人は、御不浄へ用を足しに出かけてしまい、ライブはしばし休憩。
「明暗」と書かれた箱があった。妻は、なに、あれ？と不思議がる。
Wikipediaには、こんなふうに書いてある。
よく時代劇で用いられる「明暗」と書かれた偈箱（げばこ）は、明治末頃から見受けられるようになったもので、虚無僧の姿を真似た門付芸人が用いたものである（因みに「明暗」に宗教的な意味合いはなく、「私は明暗寺（みょうあんじ）の所属である」という程度の意味である）。
お布施はあまり投入されていないようだった。気の毒である。
最初の石段を登っていく。
寺には僧侶がよく似合う。当たり前である。
紅葉も、なにやらゆかし…だ。
上のお堂には国宝と重文の仏像が祀られて、拝観することができる。
仏像は撮影禁止だから、ここでは撮影できない。ネットからの転載である。
弥勒堂の客仏として向かって右側に安置されている「釈迦如来坐像」は、
こんな像容をしておられる。国宝である。
フランキー堺にそっくりであったが、この仏さんを拝んでいた横で、
妻がクスクス笑いだしたので、なんだ、不謹慎な！と思ってその訳を訊いたら、
妻はただただ「あちら」と言うばかり。
そこで、弥勒堂から振り向いてみたら、わたしも一瞬呆気にとられた。
「こ、こ、国宝が歩いてる！」
さきほど石段を登ってきたお坊さんのひとりが、
この釈迦如来坐像と生き写しの顔だった。
よく、飼い主の顔はペットの犬に似る、
あるいはペットの顔は飼い主に似る…などと言われるが、
同じようなことがお寺でもおこるのだろうか？
寺務の人たちに聞いてみればよかった。
「そォ〜なんですよ、川崎さん」と膝を打ってくれたかもしれない。
その川崎敬三さんも、つい先日、幽明境を異にしてしまわれたけど…。
こうした興味深い現象をみつけるのに聡い妻は、
もう、これで今日、室生寺に来た甲斐があったと大喜びだった。
なにか良いことの奇瑞であってほしいが…。
さて、次の石段を登ると本堂だ。これも国宝。
そして、この本堂の左前には、北畠親房の墓というものがあった。
南朝方の廷臣であり、『神皇正統記』の著者である。
不遇な戦いを強いられている南朝方の王族をフォローするため、
万世一系の天皇家の系譜をつらつらと述べた歴史書だが、
この著作を幕末の水戸派が応用して、天皇中心史観を強固にし、
尊王攘夷の運動を展開したのだった。
戦前までの大日本帝国の天皇イデオロギーも、『神皇正統記』によるところが大きい。
一説には、アメリカ人宣教師フルベッキが暗躍して、南朝系の廷臣の子孫である西郷隆盛と、
南朝の天皇家の子孫という大室寅之祐を匿う長州藩が薩長同盟を結ぶように画策し、
南朝復興で意思統一して、江戸幕府を倒した、という陰謀説がある。
明治帝になるはずの睦仁親王もその父の孝明帝も暗殺して、
南朝方の大室寅之祐を明治天皇に祭り上げて、南北朝の屈辱から500年を経て、
南朝勢力を回復した…というストーリーだ。
皇居前広場にそびえる楠木正成の騎馬像は、その象徴のひとつだと言うのである。
しかし、吉野とゆかりのある南朝の廷臣・北畠親房の墓は、
調べてみると、奈良県五條市西吉野町賀名生にあるという。
室生寺にも分骨でもしたのだろうか？
女人高野と呼ばれ、女性の入山が禁じられた高野山に参篭できなかった女性にも、
真言宗の祈りを許した寺院が、この室生寺なのであるが、
どういうわけで、北畠親房との縁ができたのか、不思議である。
さて、もうちょっと上へ行ってみよう。
本堂の脇から見上げれば、国宝の五重塔である。
国宝・重文に指定される五重塔では、法隆寺の塔に次いで2番目に古い塔だという。
もう、かなり前の出来事になるが、猛烈な台風がこの山を襲ったとき、
塔の西にあった巨木が倒れて、この五重塔を直撃。3分の１くらいが破壊された。
2000年ころに修復工事は終わって今見る姿になったが、
宮大工が修復するようすは、ＨＮＫドキュメンタリーでも放映された。
ここから上は、奥の院に通じる急な石段が延々とつづく。
ライディングブーツしか履いていなかったが、てっぺんの奥の院まで登った。
室生寺に来たら、必ずフルコースを歩くことにしているからだ。
健康行脚にはちょうどいい。おかげで汗だくになって、体の芯から温まった。
そして来た道を下りながら、次にまた元気で登れますようにと願う。
紅葉は、葉先がちぢれて、いささか情けないような姿になっていたけれど、
発色はなかなかよく、なんとか絵になる風情だった。
別に絵にならなくても、自宅の裏の森の紅葉でも十分に眼を洗われるのだけれども、
なんだかんだ理由をつけて、ただバイクで走り回りたいだけなのである。
寒くなると、バイクに乗る人たちの多くは、
春に温かくなるまでバイク冬眠に入るため、
その直前に、乗り納めと称して、陽気のいい冬の日にツーリングに行って、
シーズンの終了を宣言するものだが、わが夫婦は、路面が凍り付かないかぎり、
フルシーズン、走り回るつもりである。
雪国・山国・北国に比べて温暖な地域に住んでいる恩恵かもしれない。
でもね、バイクにかぎらず、ふらり旅はいいよ。
本日のコースを下記に。
http://
右下の
をクリックするとコースガイドが動き出し、
地図の縮尺を変えたいときは、左手のスケールのインジケーターを
上下に変えてみると便利です。
発色も、葉の具合もよくないと、みなさん口にされるのであるが、
実際に、各所に出向いて確かめてみると、確かに冴えない。
しかし、どこかに鮮やかに色づいているものもあるのではないか…
そんな期待もかすかにあって、気温が少し暖かくなったので、
バイクで出かけてみた。
朝、妻にどこに行くかと訊ねたら、「室生寺」と返事が来た。
どうせ、高速道路は行楽渋滞に決まっているんだから、
いつもの抜け道を使って、まずは近江国へ向かう。
三重県の四日市東ICで降りて、ひとまず国道421号を目指す。
菰野高原を西へ。まだ鈴鹿山脈には雪は降っていないようだ。
雪でもチラつかれたら、バイクで峠越えなど怖くてできない。
妻はズンズン先へ走っていってしまう。
国道421号で県境を越え、東近江の永源寺へ。
途中、木地師発祥の地の君ヶ畑の下にある永源寺町政所（まんどころ）に、
新しい道の駅が出来ていたので、トイレ休憩で寄る。
かつて中学校の2階建て鉄筋コンクリート校舎だった場所が、
市役所の出張所に使われていたのだが、そこを全面改良して、
道の駅「奥永源寺渓流の里」として先月10月半ばにオープンしたらしい。
詳しく知りたい方は、下記のサイトをどうぞ。
http://
琵琶湖では、ニゴロブナのなれ鮨が有名だが、やたらに高価だ。
しかし、独特な臭みが呑み助にはたまらないようだ。
この道の駅では、それも売ってはいるのだが、
なんと500円で、ウグイのなれ鮨（一匹まるまる）を売っていた。
でも、ウグイはとってもまずい・臭い、という認識しかないわたしは、
その安さに惹かれて買おうかなと思ったが、やめてしまった。
なれ鮨の発酵でも、あのウグイのアンモニアのような臭みを消せるのか？
ハーレーに乗っているという同年輩の人としばし立ち話をしたあと、
手を振って別れ、先を急ぐ。
信号の少ない里山の快走路をバンバン飛ばして、
日野、土山、甲賀、伊賀・・・と進む。
伊賀市の道の駅「あやま」で、軽いランチタイム。
地元で焼いたというパンを食べる。
「トヨビッグ」という妙な名前の揚げパンがあったので、
レジを打っていた口達者なおばさんに伺ってみると、
「トヨミさんっちゅうんが、ウチのオーナーさんやから。
ほいでさな、豚肉やら野菜やらよ〜け煮込んでさな、ピッグなんよ」
「豚ちゃんみたいな体格の人なんですか？」
「太ってへんよ」
なんだかよくわからないシュールな説明だったので、面白そうだと思い1個買った。
ピロシキのなかに、ぐにゃぐにゃに煮込んだ中華風の豚肉餡みたいなものを、
ちょろっと仕込んだパンだった。食べてみたら、カリッと揚がっていて美味しかったが、
空腹の人だったら、物足りなさを感じるに違いない。
詳しく知りたい方は、下記のサイトをどうぞ。
http://
道の駅「あやま」を出たときは、12時00分を少し過ぎていた。
なんだ、もっと天気がよくなるかと思ったのに、ずっと曇天だ。
でも、さほど寒くはない。
西名阪道路に乗って、奈良県の山添ＩＣまで。
そこで降りて、月ヶ瀬方面へ向かい、途中にできた広域農道を南下する…ハズだったが、
通り過ぎてしまい、仕方なく笠置街道を南下。いろいろな道を走ってみたら、
ほどなくして広域農道へ合流できた。
おかげで、また新しい道を学習できた。迷うことで新しい抜け道と風景を手に入れる。
ナビゲーションシステムに頼らないで走る旅の面白さ、と言えなくもない…。
奈良県最北部の月ヶ瀬・柳生エリアから延々30�劼曚姫�陀市の室生寺まで、
1本の広域農道がつないでいる。アップダウン＆いいコーナーの連続。
広域農道だから、国交省の管轄ではない。
交通量もほとんどなく、バツグンに走りやすい広域農道は、農林水産省の管轄だ。
路肩に農業従事車両が長時間停まっていてもいいようにできている。
駐停車禁止の標識がないところがほとんどだが、
この道が市町村道や主要地方道に指定されると、一般車両の通行を規制する国交省が
いろいろ注文を付けてくる。道路交通法がうるさくなると警察も登場する。
広域農道は、基本的に農林業従事者の利便性を図るための生活産業道路だから、
警察の見回りとか、ネズミ捕りなどというものと縁がないのが建前だ。
ぶっ飛ばすのは広域農道にかぎるね。
信号機がほとんど要らないように造ってくれてあるしね。
ということで、素晴らしい山道ワインディングを爽快に楽しみながら、
やってきました、2年ぶりの室生寺。
駐車場も新しいのができていた。有料だけど、バイク1台200円。
そこから歩いて3分で門前へ。
入山料金は大人600円だが、ＪＡＦに入会しているので、ＪＡＦカード見せて▲100円引き。
これで駐車場料金100円で済むな。小さな節約、大きな未来…ホントか？
おお、山門前の紅葉はまだまだ見られるぞ。
仁王像がいる山門をくぐったら、虚無僧さんのステージがあった。
凛としてきた秋の寺の空気を、尺八の音色が…
ご本人は、御不浄へ用を足しに出かけてしまい、ライブはしばし休憩。
「明暗」と書かれた箱があった。妻は、なに、あれ？と不思議がる。
Wikipediaには、こんなふうに書いてある。
よく時代劇で用いられる「明暗」と書かれた偈箱（げばこ）は、明治末頃から見受けられるようになったもので、虚無僧の姿を真似た門付芸人が用いたものである（因みに「明暗」に宗教的な意味合いはなく、「私は明暗寺（みょうあんじ）の所属である」という程度の意味である）。
お布施はあまり投入されていないようだった。気の毒である。
最初の石段を登っていく。
寺には僧侶がよく似合う。当たり前である。
紅葉も、なにやらゆかし…だ。
上のお堂には国宝と重文の仏像が祀られて、拝観することができる。
仏像は撮影禁止だから、ここでは撮影できない。ネットからの転載である。
弥勒堂の客仏として向かって右側に安置されている「釈迦如来坐像」は、
こんな像容をしておられる。国宝である。
フランキー堺にそっくりであったが、この仏さんを拝んでいた横で、
妻がクスクス笑いだしたので、なんだ、不謹慎な！と思ってその訳を訊いたら、
妻はただただ「あちら」と言うばかり。
そこで、弥勒堂から振り向いてみたら、わたしも一瞬呆気にとられた。
「こ、こ、国宝が歩いてる！」
さきほど石段を登ってきたお坊さんのひとりが、
この釈迦如来坐像と生き写しの顔だった。
よく、飼い主の顔はペットの犬に似る、
あるいはペットの顔は飼い主に似る…などと言われるが、
同じようなことがお寺でもおこるのだろうか？
寺務の人たちに聞いてみればよかった。
「そォ〜なんですよ、川崎さん」と膝を打ってくれたかもしれない。
その川崎敬三さんも、つい先日、幽明境を異にしてしまわれたけど…。
こうした興味深い現象をみつけるのに聡い妻は、
もう、これで今日、室生寺に来た甲斐があったと大喜びだった。
なにか良いことの奇瑞であってほしいが…。
さて、次の石段を登ると本堂だ。これも国宝。
そして、この本堂の左前には、北畠親房の墓というものがあった。
南朝方の廷臣であり、『神皇正統記』の著者である。
不遇な戦いを強いられている南朝方の王族をフォローするため、
万世一系の天皇家の系譜をつらつらと述べた歴史書だが、
この著作を幕末の水戸派が応用して、天皇中心史観を強固にし、
尊王攘夷の運動を展開したのだった。
戦前までの大日本帝国の天皇イデオロギーも、『神皇正統記』によるところが大きい。
一説には、アメリカ人宣教師フルベッキが暗躍して、南朝系の廷臣の子孫である西郷隆盛と、
南朝の天皇家の子孫という大室寅之祐を匿う長州藩が薩長同盟を結ぶように画策し、
南朝復興で意思統一して、江戸幕府を倒した、という陰謀説がある。
明治帝になるはずの睦仁親王もその父の孝明帝も暗殺して、
南朝方の大室寅之祐を明治天皇に祭り上げて、南北朝の屈辱から500年を経て、
南朝勢力を回復した…というストーリーだ。
皇居前広場にそびえる楠木正成の騎馬像は、その象徴のひとつだと言うのである。
しかし、吉野とゆかりのある南朝の廷臣・北畠親房の墓は、
調べてみると、奈良県五條市西吉野町賀名生にあるという。
室生寺にも分骨でもしたのだろうか？
女人高野と呼ばれ、女性の入山が禁じられた高野山に参篭できなかった女性にも、
真言宗の祈りを許した寺院が、この室生寺なのであるが、
どういうわけで、北畠親房との縁ができたのか、不思議である。
さて、もうちょっと上へ行ってみよう。
本堂の脇から見上げれば、国宝の五重塔である。
国宝・重文に指定される五重塔では、法隆寺の塔に次いで2番目に古い塔だという。
もう、かなり前の出来事になるが、猛烈な台風がこの山を襲ったとき、
塔の西にあった巨木が倒れて、この五重塔を直撃。3分の１くらいが破壊された。
2000年ころに修復工事は終わって今見る姿になったが、
宮大工が修復するようすは、ＨＮＫドキュメンタリーでも放映された。
ここから上は、奥の院に通じる急な石段が延々とつづく。
ライディングブーツしか履いていなかったが、てっぺんの奥の院まで登った。
室生寺に来たら、必ずフルコースを歩くことにしているからだ。
健康行脚にはちょうどいい。おかげで汗だくになって、体の芯から温まった。
そして来た道を下りながら、次にまた元気で登れますようにと願う。
紅葉は、葉先がちぢれて、いささか情けないような姿になっていたけれど、
発色はなかなかよく、なんとか絵になる風情だった。
別に絵にならなくても、自宅の裏の森の紅葉でも十分に眼を洗われるのだけれども、
なんだかんだ理由をつけて、ただバイクで走り回りたいだけなのである。
寒くなると、バイクに乗る人たちの多くは、
春に温かくなるまでバイク冬眠に入るため、
その直前に、乗り納めと称して、陽気のいい冬の日にツーリングに行って、
シーズンの終了を宣言するものだが、わが夫婦は、路面が凍り付かないかぎり、
フルシーズン、走り回るつもりである。
雪国・山国・北国に比べて温暖な地域に住んでいる恩恵かもしれない。
でもね、バイクにかぎらず、ふらり旅はいいよ。
本日のコースを下記に。
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地図の縮尺を変えたいときは、左手のスケールのインジケーターを
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