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2015年11月29日22:48

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【文字起こし】2015.11.28ラジオ・フォーラム第151回「小出裕章ジャーナル」【伊方原発再稼動問題、原発の非効率性など】

伊方原発は佐田岬半島という細長い半島の付け根にあります。
事故が起きれば住民が逃げ場を失うことは容易に想像できますよね。
フォト

しかも火力発電が今や熱効率6割という時代に、原発は熱効率3割から一歩も進歩できていない。
で、1秒間に70トンもの海水を7度も上昇させる、海温め装置なわけです。

地球温暖化を言うなら、原発の熱効率の悪さと海水温上昇も、ぜひ取り上げるべきなんですけどねえボケーっとした顔

COP21では原発の話やらないの?



ラジオ・フォーラム第151回
http://www.rafjp.org/program/151/

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/

小出裕章(元京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が在職中に所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html


【内容文字起こし】

聞き手:西谷文和(ジャーナリスト)

西谷:小出さん?

小出:はい。

西谷:あ、今日はよろしくお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

西谷:小出さん、今日のテーマはですね、「伊方原発3号機、年明けにも再稼動か?」と題してお送りしたいと思うのですが、

小出:はい。

西谷:伊方原発についてはね、このコーナーでも何回も取り上げましたが、小出さん残念なことにですね、愛媛県の中村知事、伊方町の山下町長、伊方原発3号機の再稼動に同意をしましたが、

小出:はい。

西谷:このニュースを聞かれて、小出さんご感想は、どんなもんでしょうか?

小出:はい。もちろん残念ですけれども、予想通りというか、中村さんが少し頑張るような素振りを見せていたわけですけれども、それも結局は自分の、責任を逃れられればそれでいいということだったわけで、「ああ、やっぱりな」と思いました。

西谷:あのですね、まあ私のような素人から見ればですね、鹿児島県の川内原発から(再稼動に)入ったでしょう?

小出:はい。

西谷:そして愛媛県の伊方原発に続きますよね。

小出:はい。

西谷:これね、大阪や東京や神戸や広島や、この原発に反対してる人なかなか行けないじゃないですか。こんな遠い所に。

小出:そうですね。

西谷:これ大飯原発やったら行けるんですよ。

小出:はい。

西谷:だから、国はですね、反対運動が起こりにくい所から、無理やり稼動させてですね、既成事実にしたいのではないでしょうか?

小出:もちろん仰るとおりだと思います。え・・・もうやったぞやっやぞという既成事実を積み重ねていって、大飯でも高浜でも、順番にやっていくという、そういうやり方を、彼らが選んでいることだと思います。

西谷:あの・・・この国って結構役人の社会でもそうなんですが、横並び志向ってあるじゃないですか。

小出:はい。

西谷:「Aさんもやったから、Bさんもやったから」って、それでね、次C、Dがやりやすくなりますもんね。

小出:そうですね。

西谷:これ最初のやっぱり川内原発、ここでものすごく皆さん頑張ったんですけど、やっぱりここ大きかったでしょうかね?

小出:はい。まあ・・・川内の方々ずいぶん頑張ってくださったし、伊方の方々だって頑張って来たわけですけれども、

西谷:そうですねえ。

小出:それでもまあ、国がやると決めていることなわけですし、まあ、いわゆる私が原子力マフィアと呼んでいる、国や電力会社、原子力産業、ゼネコンを含めた土建屋さん、マスコミ、全てが一体となって今再稼動に動いているわけですから、容易なことでは止められないだろうと思います。残念ながら。

西谷:あの・・・小出先生が仰るから、この言葉重いわけですが、小出さんは伊方原発裁判でずっと、闘っておられましたよね?

小出:(笑)、そうです。はい。

西谷:佐田岬の、付け根に原発があるじゃないですか。

小出:そうです。

西谷:ということは、半島の人は逃げられないんじゃないですか?

小出:事故が起こったら逃げることはできません。え・・・まあ唯一逃げられるとすれば、船に乗って大分県に逃れるという、それぐらいのルートしかありません。

西谷:でもその船って、津波で流されてる・・・

小出:もちろんそうです(笑)。そんなたくさん、船が来てくれるわけもありませんから、結局住民の避難というのはできないことになると思います。

西谷:自衛隊のヘリで運ぶ言うても、大した人数じゃないですもんねえ。

小出:(笑)、もちろんです。

西谷:ということはもう、切り捨てになるんでしょうね。実際は。

小出:はい。まあ、あの・・・川内の場合もそうですけれども、鹿児島県の知事自身が、30キロ圏の避難なんかできないと初めからもう、言ってしまっているわけであって、避難計画・・・ができないことはもう、原子力発電所の事故を考えればもう仕方のないことだし、避難計画も作れないようなものは、本当はもうそれだけの理由で受け入れてはいけないということだと私は思います。

西谷:ただ地元の方々はね、やっぱり長年この、原発産業で、もう・・・いわゆる麻薬のように、打たれてるわけですから、

小出:そうです。

西谷:だから地元の方を責めるというのも非常に酷ですよねえ。

小出:はい。あの・・・そうなのです。長い間原子力に依存して町を作ってきてしまったわけですから、え・・・原子力がなくなってしまって、交付金・固定資産税等がなくなると、町の財政自身が崩壊してしまうというそんな状態になっているわけです。ですから簡単にはその・・・地元の人たちを責めるというようなことはできないと思います。

西谷:そうですねえ。本当なら鹿児島県ってすごい美味しい魚が獲れるし、愛媛県もそうですし、蜜柑もできますから、

小出:はい。

西谷:そういうその・・・本当にその、村の産業でね、村興しができたのに、それさえも許さない原発なんでしょうね。

小出:まあそうですね。まあ日本というこの国が、いわゆる一次産業を潰して、工業化すれば豊かになれるんだというふうに、思ってしまったわけですね。次々と農業も潰され、漁業も潰されてきて、結局、地方が過疎になって、

西谷:はい。

小出:東京・大阪というようなところに皆労働者として吸い上げられてくる。結局地方が立ち行かなくなって、原発にすがらざるを得ないという、そんなことにされてきてしまったわけです。え・・・もう一度やはり、国というのはどういうものなのか、人々が生きるというのはどういうものなのかと、いうことを考え直さなければいけないのだと私は思います。

西谷:その上にTPPですよ。

小出:そうです。

西谷:これ、もうこんなこと来たらもうね、本当に村が潰れちゃいますし、

小出:はい。

西谷:あの・・・私、農業、農産物とかエネルギーは、地産地消でないといかんと思うんですけど。

小出:そうですね。ん・・・農業はもちろんそれが一番いいですし、エネルギーだって本当はそれがいいはずなのであって、都会で使う電気を過疎地から、過疎地から長い送電線で送るというそんなやり方自身が間違えていたんだと、気が付かなければいけないと思います。

西谷:長い送電線を使ったらロスするでしょ?

小出:もちろんです。送電ロスはたぶん・・・10%とは言いませんけれども、それに近いロスをしていると思います。

西谷:例えば、その・・・自然に優しいね、発電所が近所にあれば、そこで出た熱を、その・・・供給してね、コージェネレーションと言いますけど、

小出:はい。

西谷:そういうことも都会でできますのに、原発は田舎にあるからできないですよね、それはもう。

小出:そうです。今、例えば火力発電所、コジェネのがありますけれども、え・・・発生した熱の8割近くまで、使えるようになっているのです。でも原子力発電所だけは、今西谷さん仰って下さったように、都会に建てることができませんので、コジェネをやることもできない。おまけに、もともとの発電効率が大変低いので、

西谷:はい。そうですね。

小出:え・・・せいぜい3割くらいの熱しか使えないというですね、まことに馬鹿げた装置になっているわけです。

西谷:僕も先生からその話を聞いてビックリしました。

小出:ふふっ(笑)。

西谷:僕、何となく原発は効率良いものやと思っていたら、一番悪いんですよね?

小出:一番悪いです。

西谷:もうだから、都会に作れない、効率一番悪い、コストも高い、CO2もね、あの・・・冷やすためにものすごい出さないかん。

小出:そうです。

西谷:ええとこ無いですよね?

小出:はい。何にも良いことないのですけれども、まあ自民党の人たち・・・が何を思っているかというと、原子力を放棄してしまうと、核兵器を作る能力も無くなってしまうからやはり原子力はやめられないと、彼らが言っているわけです。

西谷:石破(茂)さんもね、「潜在的に」って言ってましたものね。能力持った方が良いって、仰いましたもんね。

小出:そうです。はい。

西谷:その自民党の話が出ましたが、

小出:はい。

西谷:安倍首相が、この伊方のことでですね、「万が一事故があった場合は、国が責任を持って対処する」と言ってはるのですが、これを聞かれて先生ご感想は?

小出:えー今、福島第一原子力発電所の事故が起きて、国が責任を持ってどんな行動を取っているかというと、放射線管理区域にしなければいけない汚染地に、赤ん坊も含めて子どもたちを捨ててしまった。

西谷:そうですね。

小出:一度は逃がした人たちも、帰れ。2017年4月以降はもう補償金も出さないぞということを、安倍さん率いる国がやっている。次に川内原子力発電所、伊方原子力発電所で、大きな事故が起きれば、やはり周辺の人々が、捨てられてしまうということになるのだと思います。

西谷:20ミリシーベルト、勝手に引き上げたのも、国ですもんね。

小出:そうです。

西谷:あの、そんな中でですね、この伊方原発にちょっと戻りますが、これ伊方原発3号機というのは、プルサーマルができる原子炉ですか?

小出:そうです。

西谷:より危ない原子炉になりますよね?

小出:もちろんです。どんな機械も、初め、まあ設計をしていくわけですけれども、例えば石油ストーブ。ご家庭で使っている方もいらっしゃると思いますが、石油ストーブというのは灯油を燃やす、ということで設計して、ストーブを作るのですね。

西谷:そうですね、はい。

小出:え・・・その灯油を燃やす石油ストーブで、もしガソリンを燃やそうとすれば火事になってしまうわけです。

西谷:はい。爆発するでしょう。

小出:はい。え・・・灯油だってガソリンだって元々は原油という同じものから精製して、分離した、まあ兄弟のようなものですけれども、それでもちょっと性質が違えば、石油ストーブが火事を起こしてしまうということになるわけですね。今日使っている原子力発電所というのは、ウランを燃やすというために設計された原子炉です。

西谷:はい。

小出:それで、無理やりプルトニウムというものを燃やそうとしているわけで、危険なことになってしまいます。お金もかかってしまいます。危険性が増して、金銭的にも損をするということが分かっているわけですけれども、それでもなおかつもうやらざるを得ないと、いうところに日本の原子力が追い込まれてしまっているわけです。

西谷:あのー、もう一度確認しますが、ウランの毒性とプルトニウムの毒性は、20万倍も、プルトニウムが強いと、聞きましたが。

小出:はい。仰るとおりです。

西谷:20「万」倍ですよね?20倍じゃなくて。

小出:20「万」倍です。

西谷:はい。そんな危険なプルトニウムを燃やすプルサーマル計画を・・・ができる、伊方の原発3号機が再稼動するというのが現実なんですね。

小出:そうです。

西谷:はい。よく分かりました。小出さん、どうもありがとうございました。

小出:いいえ、こちらこそありがとうございました。

【文字起こし終了】


■省エネ効果で温室ガス3%減 震災後初めて減少に
(朝日新聞デジタル - 11月27日 16:57)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3732658
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