2015/10/25日 15:00- KAAT大ホール
『春の祭典』 Le Sacre du printemps
現在でも様々な振付家により上演されるストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」。シュイナールは、シンプルかつ幻想的な舞台セットに呼応した奇抜な衣装と、激しく妖しい振付により原初的で神話的な世界を生み出した。「春の祭典」上演史に新たな1ページを付け加えた、カンパニーの代表作。
コンセプト・振付・芸術監督:Marie Chouinard
音楽:Igor Stravinsky, The Rite of Spring, 1913
照明:Marie Chouinard
衣装:Vandal
プロップ:Zaven Paré
メイク:Jacques-Lee Pelletier
ウィグ:Daniel Éthier
※今回の公演は冒頭のロベール・ラシーヌ『シグナチュール・ソノール』の部分を省略した形での上演となります。
『アンリ・ミショーのムーヴマン』HENRI MICHAUX : MOUVEMENTS
フランスの詩人で画家のアンリ・ミショーの詩画集「ムーヴマン」にインスパイアされて創作した作品。大胆な形態のデッサンを、ダンサーが身体能力を駆使して表現する。シュイナールは小道具を一切使わず、デッサンの映像と身体表現だけでスペクタクルな空間を作り上げた。
振付・芸術監督:Marie Chouinard
音楽:Louis Dufort
照明:Marie Chouinard
舞台美術:Marie Chouinard
音響:Edward Freedman
衣装: Marie Chouinard
ヘアスタイル:Marie Chouinard
声:Marcel Sabourin
テキスト・画:Henri Michaux Mouvements (Édition Gallimard, 1951)より
アンリ・ミショーの版権所持者およびガリマール社の許可のもと抜粋
*以上の作品紹介は、KAATのサイトより引用
http://www.kaat.jp/d/cmc
こちらも一か月くらい時間がたってしまいましたが、覚書程度に感想を。
春の祭典、ベジャールよりももっと動物的な動きで、衣装もバナナかヒトデの腕が膝や肘から何本も突き出しているのだったりとか、面白い部分もあったのですが、うーんやっぱりベジャールは偉大だなぁと皮肉にも再確認してしまいました。ピナの春の祭典くらい違っていればいいのですが・・・。同じ路線を狙ったわけでは決してないのでしょうが、私なぞから観るとベジャールの延長線上にあり、しかも越えられていない感じがしてしまいます。春祭は曲に物凄い力があるので、それに負けず過去にあったものと違うオリジナルなものを創りだすというのはとても難しいのだろうな。
でも、アンリ・ミショーのムーヴマンはとっても面白かった。背後にあるスクリーン上に映し出される形をダンサー達が体で表現していくという単純なものなのですが、最初は一人ずつ、そのうち2人・3人と組になって、最後の方ではもっと大勢で、と次第に複雑化していく。哲学的なテーマがあるかどうかは分かりませんし私はそういうものを感じたわけではないんですが、ダンサーさん達が何だかすごく楽しそうで。純粋に体を使って何かを表現するということに集中することから生まれる高揚感、達成感、みたいなものを共有してもらったように思いました。
私はコンテンポラリーがそれほど好きというわけではないですが、たまに観るとバレエとは違う視点があって面白いなと思います。海外で活躍しているコンテンポラリーのカンパニーをよく招聘してくださるさい芸、KAAT、愛芸さんに感謝。
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