北の湖の急死を悼む

北の湖さん死去　62歳、直腸がん　命削り九州場所
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=3723320

「憎らしいほど強い」と言われたと新聞各紙に書かれているが、これは少し美化した表現で、当時の本当の実感はやや違うと思う。
「ふてぶてしい態度、強さが憎らしかった」とでも言った方が当たっているだろう。
ちょっと目も釣り上がっていて、巨漢のヒール役という雰囲気があった。

みんなが、対戦相手の輪島や、貴乃花や、若三杉のほうを応援した。
私は旭国を応援していた。
しかし、なかなか北の湖には勝てなかった。

現役晩年、何とか両国の新国技館落成まで相撲を取り続けようと満身創痍で現役を続ける姿には、やや未練がましさを感じたが、そういった悲壮な横綱に声援が飛ぶことが多くなったような気もした。
北の湖が判官びいきの対象になるなど全盛時を思うと考えられないことだった。
本人も「横綱が声援を受けるようになったら終わり」と言っていたそうである。
新国技館の土俵に１場所２日だけ上がって引退した。
引き際の潔さという点で、これほどの横綱だっただけに、若干の批判があったことを覚えている。

全盛期の北の湖のイメージは強烈であった。
強すぎて憎まれたといっても、むろん北の湖はぜんぜん悪くない。
横綱として筋の通ったことを貫こうとした。
堂々たる大横綱、名横綱であったと思う。