ワシらが行ってやらんとかわいそうじゃろうが、、、、

あえて全体に公開としました、、、、、

昨日、愛媛零戦搭乗員会の保田基一前会長が亡くなりました。
今朝、宇和島の八十島さんから連絡を受け、愛媛新聞の慶弔欄でも確認、、、、、、お葬式が今日の為、参加出来ないので事務局としては正会員の方への連絡や弔電の手配に追われましたが管副会長が近く、お悔やみに行ってくれる事になりました。

実は１週間前に保田さんから電話を貰っていましたが、、、、、こんなにも早く逝かれるとは思ってもいなかったのですが、、、
、、、、「ミグチ君、、、、「大軍艦旗」と「海ゆかば」なんかが入っている「テープ」、、、、、、１２月の総会で必要なんで送ろうと思っていたんだが、、、、、もしかしてワシの方が先に死んでしもうたら、葬式の時に軍艦旗は棺桶の上に載せて貰うように嫁に言うとるけん、、、、、、、もしわしが先に死んだら葬式が終わったらあんたの所へ送るか、、、中畑君か八十島君に預けるけん、、、、。

その時は、まさか、こんなに早く、、とも思わなかったので、、「保田さん、縁起でも無い事、言わんといて下さい。云々」と言って電話を切ったのでした、、、、、、、が、今思えば、保田さんは自分の寿命が判っていたんだと思います。

保田さんと私の叔父の佐伯正明は神雷部隊桜花隊の戦友である上に経歴も殆ど一緒なので日本全国で行われて来た色々な「戦友会」に一緒に参加してきました。
自分は２０年少し前から、叔父にくっついて靖国神社や鹿屋、横須賀などでの「戦友会」にお供してきたのですが、、、、、、
、、、そもそも、戦友会と言うのは中学とか高校とかの同窓会とか、、、職場の「慰労会」のような性格で「政治的」な意味合いは無いものなので、、、全国に散らばっている戦友が日本全国で「持ち回り」でそれぞれの地元で幹事役でお世話をして「戦友」を呼んで慰霊祭をして「旧交を温める」と言うような物でした。

その頃、神雷部隊桜花隊の戦友会を愛媛県でする事になり保田さんが幹事を引き受けたのですが、、、、保田さんから「全国から３０人くらいは集まるので、愛南町の「紫電改展示館の見学をコースにいれようと思うんじゃが、、、なんか面白い事は出来んか、、、？］と電話がありました。

そこで、「保田さん、、、、紫電改展示館に行くのなら、そこで旧日本海軍の飛行機の模型展示会を企画して全国のマニアックなモデラー「模型製作者」に集まって貰えるような企画を打ってみましょうか、、、？」と言うと是非、やろう、、、と言う事になりました。

そして「モデルアート」と言う模型雑誌で募集をしたら、、、、、、北は青森から南は熊本まで全国から２０名もの「モデラー」が作品を下げて、はるばる愛媛まで参集してくれたのでした。

それまで「戦友会」と言う物は戦争経験のある「老人：だけの集まりだったのですが、旧日本海軍の飛行機を作るモデラーは「戦史」にも詳しいのでお爺さん方からは「前提条件」無しに昔の話を聞いて貰えて戦友と同じように話が出来る、と言う事で大変喜ばれる、、、と言うか、、、若い人と打ち解けて貰える事が判り、喜んでもらえました。

これがきっかけとなり５年くらい前に保田さんが「愛媛零戦搭乗員会」の会長になり私に事務局をやってくれ、、と言う事になったので、この「愛媛零戦搭乗員会」では積極的に若い「賛助会員」を受け入れて若い人に話を聞いて貰おう、、、交流をしよう、と言う事になったのでした。

ともすれば、、、、３０人ら，，，２０人、、、、いつの間にか１０人に、、、と減っていくだけの戦友会
がいつも５０人くらい集まって、わいわいがやがや、、、だけど楽しい「場」になりお年寄りにも若い人たちにも双方に喜んで戴ける「場」になりました。

私は、、、自分でも、、、「保田さん」と「私」のコンビで出来たような気がします。

保田さんは若い「賛助会員」、、、、特に最近、「歴女」とも呼ばれるそうな、、、若い女性の賛助会員が増えてくれた事に事のほか、喜ばれていました。
自分の孫と変わらない世代の女性が「戦史」に」詳しいのにも驚いていましたが、、、例の高い声で「ハッハッハ、、、女の子に年賀状を出すのが楽しいのよ」と言っていました。

私の叔父の佐伯さも保田さんも年に何回もあちこちの戦友会、慰霊祭に出かけて家族からは「馬鹿みたいに出かけて、、、」なんて言われていましたが、、、、、保田さんはいつも、、、「生きとるワシらが「慰霊に」行ってやらんと先に死んだ奴がかわいそうじゃろが、、、」と言っていました。
この人たちでないと判らない、、、戦争で生き残った人の死、、、先に死んだ人への、、生き残って、申し訳ない、、、と言う気持ち、、、、、、
保田さん、、、御世話になりました。どうぞ安らかに眠って下さい。
今頃は７月に亡くなった同期の「渡部亨」さんと天国で再会しているのでしょうか、、、、合掌