入院　その2

入院患者の朝は早い。

もちろん、働いてる人はもっと早い。
夜勤で寝ないで働いてる人もいるし。

朝は6時起床。起床ったって刑務所みたいに整列して点呼する訳じゃない。
看護師が体温を計り、前日のトイレの回数を聞きに来るのを待つだけ。
このシステムって25年前から変わってないよね。

夜勤の看護師はお兄ちゃんだった。朝の確認も同じ人。
7時に朝食。
今回の入院では1日1800kcalの設定らしい。
一食が600kcal平均だ。コンビニ弁当で600kcalって結構な満足感があるけど、病院食って物足りない。不思議だね。

食事を済ますとやることがない。一応、8時半から診察室に行って、そのあと午前中いっぱい点滴だし、食事の前後に血糖値を計って注射もあるけど、基本ベッド安静で家族以外と、家族でも15才未満は面会できない病室なので、売店はおろか自販機にも行けない。

点滴が終わって、血糖値を計って、注射を打ったら寝るしかない。
暇なので入院案内を読んでみた。
ー当院は急患ならびに緊急治療を要する患者のみ受け入れる地域連携医療の中核をー
んん？　緊急治療？
ー容態が安定すれば速やかに退院いただきますー
んんん？　それなのに10日も入院安静？
よくわからないけどそう言う病気なの？
実感が全く無いんだけど？

夕飯食べたらまたやることがない。
イヤホンは耳の負担になるので使いたくない。
TVも観ないので、気付いたら昨日の朝から音楽やメロディを聞いてなかった。まあ、どうでも良いけど。

消灯前に準夜勤の看護師が来た。お姉さんだ。
ちょっと変な人で、擬音を口に出す。
血糖値の採血で針を打つときや、注射をするときに、
「チクッとしますよ〜。チクッ」と言う。
ちょっと和んだ。