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2015年10月29日18:55

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◆ 旭化成が北海道でも杭打ち不正、弁明に矛盾  個人の不正から、建築業界全体の問題へ発展

◆ 旭化成が北海道でも杭打ち不正、弁明に矛盾  個人の不正から、建築業界全体の問題へ発展

【東洋経済オンライン】10/29
筑紫 祐二 : 東洋経済 編集局記者



 ついにパンドラの箱が開いてしまった。

「横浜の傾いたマンションは特別な事件ではない」と、皆薄々感じていたかもしれない。

その懸念が現実になってしまった。



 10月28日、北海道庁は旭化成建材が、道庁の発注工事で杭データを流用していたと発表した。

これで横浜市の傾いたマンション以外でも、データ偽装が行われたことがわかった。

横浜のマンションでデータを偽装したとされる現場代理人とは別の人物がかかわっていたことから、単なる属人的問題ではなく、旭化成建材という組織のあり方、さらにいえば建築業界全体の問題として広がりを見せつつある。





■ 北海道の道営住宅でデータを改ざん


 今回、データ流用が見つかったのは、北海道庁が発注した釧路市にある道営住宅。

エレベータを増設する基礎工事に使われた31本の杭のうち1本に、他の杭のデータが流用されていたという。

具体的には、2期に分けた工期のうち、1期目の杭データを2期目のデータとして流用していた。



 北海道庁から連絡を受けた旭化成建材は、道庁まで札幌支店の支店長を確認に向かわせた。

その場で同支店長が、データは流用・改ざんされたものだと認めたという。



 旭化成建材が過去10年間に施工した物件3040件の中で、北海道では全国でも断トツの422件が施工されている。

うち61件が駅や空港、公営団地などの公共施設であり、今回、見つかったのは、その公共施設のひとつ。

北海道庁では、横浜の傾いたマンション問題が発覚した10月19日に対策チームを立ち上げ、独自の調査に着手していたという。



 国土交通省の石井敬一大臣は、旭化成建材に11月13日までに3040件すべての調査を完了するよう指示を出していた。

だが、それよりも早く、北海道庁により、横浜のマンションは特異な事例ではないことがあぶり出されてしまった。



 今回の北海道庁による調査により、幾つも疑問点が浮かび上がった。

ひとつ目が、電流計データ保存の問題だ。



 「2008年から電流計もデジタル化されたので、データはUSBなどメモリーに保存してある」。

20日の謝罪会見の席上、旭化成建材の前田富弘・社長はこのように断言。

20日の時点では、「少なくとも2008年以降に施工された物件については改ざんのしようがない」と弁明しているようにも受け取れる。



 だが、北海道の道営住宅が施工されたのは2010年7月〜2011年8月。

電流計はデジタル化されており、チャートデータを切り貼りすることは不可能なはずだ。

この点を旭化成に問うと、「2008年から順次、デジタル機器を導入していったと言う意味。 当時(2010年)、北海道はまだデジタル化されていなかった」と、前田社長の言葉を訂正した。

つまり、2008年以降もデータ改ざんが行われている現場は存在していたのだ。

問題を起こした会社のトップが謝罪会見に臨んでも、事態を把握しきれていないことを露呈したといえる。





■ 一目でわかるずさんなデータ改ざん


 ふたつ目が、一目見て「切り貼りされた跡」を確認できる施工報告書を、元請けであるゼネコンが受け取っていることだ。

これではいくら元請けが「きちんと監理している」と強弁しても、申し開きはできない。



 また、旭化成建材は、杭打ちの電流計チャート紙を調べるには、その道の技術者でなければ困難だと繰り返していた。

さらに全技術者70〜80人を調査にあてても、すべてを調査するには相当な時間がかかり、調査完了時期がいつになるか検討もつかないと言っていた。

だが、このようななずさんなデータ改ざんであれば、技術者でなくとも見抜くことは可能だ。



 旭化成は、北海道の道営住宅に関して「元請けに確認したので安全性に問題ない」と断言している。

だが、これまでも問題ないと言っていたことがことごとく覆されている。

はたして問題はどこまで広がりをみせるのか。

驚天動地の事実が飛び出さないことを祈るしかない。


 
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◆ 歯止めかからぬデータ流用、関係者は困惑や憤り

【読売新聞】10/29 23:05



 横浜市と北海道釧路市でそれぞれ1件……。



 横浜市都筑区の大型分譲マンションに傾きが見つかった問題は29日、旭化成建材によるデータ流用が新たに2件見つかり、問題の拡大に歯止めがかからない状況だ。

関係者からは、困惑や憤りの声が上がった。



 公共施設1件の杭打ち工事で新たにデータの流用が判明した横浜市。

市は流用発覚を受けた29日の記者会見で、セメント量の数値が全く同じ杭2本のデータなどを示しながら、「どちらかが本物で、どちらかが転用した可能性がある」と説明した。



 市によると、この施設に使われた杭は210本あるが、少なくとも7本で、セメント量や深さの数値が、他の杭から転写されたり、数値が挿入されたりしたものである形跡があった。



 同市の坂和伸賢・建築局長は、「(問題のマンションを担当した)個人の問題と認識していたが、そうではない。 非常に驚いている」と困惑した様子で語った。



 北海道では、釧路市内の道営住宅で相次いで杭打ち工事のデータ流用が見つかり、長浜光弘・建築局長が「旭化成建材には、しっかり調査してほしいと申し入れている」と疲労感をにじませた。



 道は28日深夜、道営住宅「愛国団地」で流用が判明したと記者会見したが、それから17時間後、2件目の流用を明らかにする記者会見を開かざるを得なくなった。

いずれも同社を退職した同一人物による流用の可能性があるといい、29日の会見では、この人物が関与した道発注の施設が、更に10件程度ある事も明らかになった。



 道は同社に、安全性の根拠となるデータを示すよう求めているが、同社側は「データが無い」と回答していて、長浜局長は「会社の体質に問題があると言わざるを得ない」と憤った。



 新たに流用が判明した釧路市の「ことぶき団地」では、道の職員2人が住宅を1軒ずつ回って住民に状況を説明した。



 同日夜の帰宅後にデータ流用を知った事務員西田真澄さん(57)は「地震が来たら建物が崩れるんじゃないかと不安だ。 道営住宅だから不正があるとは思ってもみなかった。 安心感を求めて入居したのに……」と困惑した様子だった。
 


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■【マンション傾斜】 データ改竄、業界で横行か 旭化成建材下請けの元職人が証言「あの手この手で必死にごまかした」

【産経新聞】10/29 22:54



 やはり「氷山の一角」だったのか。

建築物の杭打ち施工データ偽装が広がりをみせ、建設業界への不信感が一気に高まっている。

こうした中、かつて旭化成建材の下請け会社に勤務していた元くい打ち職人の70代の男性が産経新聞の取材に応じ、「記録ミスをすればごまかすしかなかった」とデータの改竄が常態化していた実態を語った。



 「データ記録を取る事は、杭打ち工にとって『絶対』。 でも、毎回きちんとデータが取れる保証はない」



 平成元年頃まで約30年間、杭打ち工事で重機操作のオペレーターとして働いていた男性は、こう話す。

杭打ち職人にとってデータ記録は“仕事の証”。

かつてはデータ記録の枚数に応じて給料が支払われたという。



 ただ、現場で問題が生じると禁断のデータ改竄に手を染めた。

具体的には、
 ▽ 杭の長さが強固な地盤に届かなかった
 ▽ 記録開始スイッチの押し忘れや記録紙のセット忘れなど人為ミスがあった
 ▽ データを記録する機械の不良があった
 ▽ 大きな石があるなど地中障害が見つかった
 ▽ 波形が弱いなど理想的な記録が取れなかった…
などの事態が起きた時だ。



 男性は「注意深くやれば問題の発生は減らせるが、それでも一つの現場で1回くらいはミスが起こっていた」と明かす。



 改竄の際には、波形を記録する機材で使われるものと同じ特殊インクを使ったペンを使用。

ペンは事前に購入しておいた。

別の記録紙の上から新たな記録紙を被せて手書きで波形を写し取ったり、修正液で消して加筆したりした。



 「元請け会社には原本でなくコピーを提出するため、ぱっと見ただけでは簡単には見破られない」。

他にも、波形が似た別の記録をそのまま流用する事もあったという。
 

 
 元請けの建設会社などから、「もっといいもの(データ)を出せ」「何とかしろ」と要求された事も。
 …作業員 ケッコウ、アルモノナンデス

「いわれなくても、あうんの呼吸で加筆修正するものだった。 あの手この手で必死にごまかす方法を考えた」
 …作業員 「アウンノ呼吸」デネ



 一方、複数の杭で長さが不足した場合は、元請けに相談して本数を増やしたり、継ぎ足して長くしたりしていた。

男性は「1、2本届かなくても全体で設計時の耐久度を満たせばいい」と説明した上で、横浜市都筑区のマンションで施工不良のくいが8本あった事については、「多過ぎる」といぶかる。



 「確かにいい加減な部分があった。 これを機に見直してほしい」。

男性は過去を反省しつつ、「ゼネコンなども下請けだけに押しつけないで責任を負うべきだ」と、業界全体で体質改善に取り組む覚悟を求めた。


 
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● 杭工事偽装、ベテラン技術者「私もやった」 その理由は

【朝日新聞】10/30 05:40



 旭化成建材による杭工事データの偽装が、新たに横浜と北海道で見つかった。

「自分もやったことがある」と打ち明ける下請け業者や、「こうした事態を予想していた」と話す大手ゼネコン社員もいる。



 大手業者のマンション建設や公共工事の基礎工事に20年以上携わる技術者の50代男性は、元請けへの報告書でデータを作り替えたことがあると話す。



 「最近はパソコンを使うので、いくらでもデータを付け替えられる。 杭を打つ前に地質調査をするが、実際に打ってみると固いと予想していた地盤が固くない場合がある。 そのときはデータを作り直す。 業界ではよくあることで、私もやったことがある」



 理由は工期が延びることを元請け業者が嫌うからだという。

「マンションを売る日は決まっているのに、杭打ちをやり直せば完成が遅れる。 元請けにやり直しを求めると『やかましいことを言うな』と言われる」



 旭化成建材が杭打ちに関わった工事で元請けだった愛知県内の建設会社社長も、「マンションだと入居期日が決まっていて、工程を遅らせるのは相当難しい」と言う。

この社長は下請け業者への圧力は否定したうえで、「大きな現場では杭には杭の管理者がいるので、元請けは任せがちになってしまう」と明かす。

ただ、「それでもコミュニケーションが取れていれば、元請けも不審な点に気づけるはずだが」と付け加えた。



 横浜市の傾いたマンションでデータ改ざんが発覚した後の22日、大手ゼネコン大成建設の山内隆司会長は「データが取れなければ工事をやり直す。 それぐらい強い対応をすべきだった」と、元請けだった三井住友建設を批判した。

「なれあい」とも指摘される建設業界で同業の批判は珍しい。

それだけ危機感が強いことの表れでもある。
 


 ただ、ある大手ゼネコン社員は、今回の事態を「ある程度は予想していた」と言う。

工事の現場では日々、品質管理のための検査が行われている。

元請けのゼネコンには、各検査ごとに確認や記録の保管方法のルールが決められている。



 「とりあえず書類が一式そろっているのを確認するので精いっぱい。 ある程度は協力会社(下請け)を信用しないと工事が進まない」
 …作業員 イマノカントクハ、書類ニオワレテ、ゲンバニキマセン





       ◇


〈欠陥住宅全国ネット幹事長の吉岡和弘弁護士の話〉

 データ偽装の相次ぐ発覚に驚きはない。

元請けの大手ゼネコンは、身内の建築士に施工を監理させることも多く、チェックが十分行き届かないことがある。

現場責任者は、工期順守の社の方針に反して「やり直し」の意見を言いにくい状況が一般化している。

対策としては、第三者の立場で現場を見張る「住宅検査官」を置くことが必要だ。

耐震偽装事件を機に日本弁護士連合会が提言している。

米カリフォルニア州では、行政職員や行政が雇った民間検査員が現場に常駐するケースもある。



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◆ データ改ざん ほかの業者に調査拡大 検討へ

【NHKニュース】10/30 05:30



 横浜市のマンションで“傾き”が見つかり、くいのデータが改ざんされていた問題で、国土交通省は、旭化成建材が過去に請け負った複数の物件でもデータの流用が見つかったことなどから、来週から開かれる外部の有識者などによる委員会での議論を踏まえながら、ほかの業者についても調査の対象を広げるかどうか検討していくことになりました。



 この問題では、旭化成建材が過去10年間に関わった全国の3040の物件のうち、北海道釧路市の道営住宅や横浜市の市立中学校など3件で新たにデータの流用が見つかり、いずれも横浜市のマンションとは別の人物が工事を担当していたことが明らかになっています。



 国土交通省は、すでに旭化成建材と旭化成に対し、会社の工事の管理の在り方に問題があった疑いがあるとして、会社の施工体制などについて詳しく調べて報告するよう指示しています。


一方で、旭化成建材の物件では複数の担当者がデータの流用に関わっていた疑いが出ているほか、ほかの業者のくいの工事についてもデータの流用が行われていた疑いが指摘されるなど、問題がさらに拡大するのではないかという不安が広がっています。



 このため国土交通省は、旭化成建材以外にもデータの流用が行われている可能性もあるとして、ほかの業者についても調査の対象を広げるかどうか検討していくことになりました。

国土交通省は、来週から開かれる専門家などによる委員会での議論を踏まえながら、今後の対応策について検討することにしています。
 
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