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2015年10月25日11:29

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【文字起こし】2015.10.17ラジオ・フォーラム第145回「小出裕章ジャーナル」【原発にこだわる日本企業】

東芝の不正会計は、ウェスチングハウス買収ではじき出された三菱重工が報復としてリークしたんじゃないか?と穿った見方をしてみたりするウッシッシ



ラジオ・フォーラム第145回
http://www.rafjp.org/program-archive/145-3/

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/

小出裕章(元京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が在職中に所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html


【内容文字起こし】

パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)

今西:
 小出さんよろしくお願いします。

小出:
 はい、よろしくお願いします。

今西:
 えー、すっかり季節も秋になりましてですね、大阪で、今まで味わっておられた日本酒の味もですね、長野県ではちょっと違うんかなと思うんですが、小出さんいかがでしょうか(笑)?

小出:
 あのー、お酒はどこで飲んでも美味しいです。

今西:
 はい(笑)。今日はですね、不正会計問題で大きく揺れております東芝ですね、原子力部門のですね、会計部門においても注目をされておるのですが、えー、まあ日本ではですね、東芝、そして日立、三菱重工の三社がですね、いわゆる原子力事業のですね、中核会社でありですね、俗に言われるプラントメーカーと、いうようなことなんですけれどもですね、まあ世界的にはですね、もう・・・採算性が良くない、悪い原子力事業からですね、撤退する大手企業がたくさんある中で、日本のメーカーはですね、今も原発に執着しこだわっている、ということなんですが、何で・・・小出さん、そこまでですね、原発にこだわるんでしょうか?

小出:
 皆さんご存知だと思いますが、え・・・日本には、2つの形の原子力発電所がこれまで動いてきました。1つは東京電力が使っていて、福島第一原子力発電所の原子炉もそうだったのですが、「沸騰水型」と呼ばれている原子炉です。もう1つは、関西電力が使っている「加圧水型」という原子力発電所があるのです。どちらも、米国で開発された原子炉で、沸騰水型の方はゼネラル・エレクトリック(GE)、加圧水型の方はウェスチングハウスという、まあ巨大メーカーが開発したものだったのです。

 それを日本では、加圧水型の方は三菱が引き受ける。そして沸騰水型の方は日立と東芝が引き受ける、という形でこれまでやってきました。で、ほとんど、沸騰水型と加圧水型、同数が日本ではできたのですが、え・・・世界全体を見ると、加圧水型の方が圧倒的に優勢だった、のです。そういう状況をずっと見てきた東芝が、2006年になりまして、このままゼネラル・エレクトリックと結び付いて沸騰水型を続けていると、海外に売り込むことができないと、考えたわけです。ちょうどその頃・・・

今西:
 そこはそうするとですね、要するにもう日本ではこれ以上ですね、原発の数を増やすのが難しい、海外にマーケットを求めないといけないというような、やはり計算もあったということなんでしょうか?

小出:
 もちろんです。え・・・1970年から、敦賀、美浜というように沸騰水型と加圧水型の原子力発電所ができたのですが、1990年までは、毎年1基を三菱が加圧水型を作る。で・・・沸騰水型の方は日立と東芝が、1年交代ずつで作っていくという、そんなペースで、1990年代くらいまでは来れたのですが、それ以降はもう日本の中で原子力発電所を、建てていくことができないということが分かってしまいまして、建設できる数もどんどんどんどん減ってきてしまったのです。

 そこでとにかく海外に売り込まなければいけないと、いうことで、三菱も日立も東芝も、何とか頭をひねっていたわけですが、そのうちの東芝が、2006年に奇策に打って出ました。え・・・沸騰水型をこれからやろうとしたらダメなので、自分としては何としても加圧水型を、海外に売りつけたいと思ったのです。それでどうしたかというと、加圧水型というのを造ってきた米国のウェスチングハウスという、巨大なメーカーを、丸ごと買収してしまうということをやったのです。

 で、それまで、ウェスチングハウスと結び付いていたのは三菱だったわけですけれども、三菱はそのおかげではじき出されてしまいまして、仕方がなくヨーロッパの加圧水型メーカーであるアレバという会社とくっ付いて、世界に売込みを図ろうという形になったのです。で、2006年の頃はまだ「原子力立国計画」なんて計画があって、これからガンガン原子力をやるんだという・・・

今西:
 (笑)、はいはい。

小出:
 はい。言っていたわけですし、東芝はウェスチングと結び付くことで、とにかく金儲けができると思ってしまったのです。え・・・しかし残念ながら世界ではあまり原子炉の数が増えませんし、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまいましたので、もうほとんど海外に原子炉を売ることすらができなくなってしまって、東芝は原子力部門で大幅なたぶん赤字というのを抱えてしまった。それを、まあ粉飾決算で何とか言い逃れようとしたわけですけれども、それが発覚して苦境に陥っているということです。

今西:
 なるほどなるほど。まあ、要するに原子力事業がですね、まあ今回問題になっています、まあデタラメなですね、不正会計のですね、原因の一つというところに繋がっていくのかなと思うのですが、今世界的に見てもですね、冒頭に申し上げたとおりですね、原子力事業から撤退する会社がですね、多々あるわけですね。

小出:
 そうです。

今西:
 そういう中でですね、日本のですね、東芝であり、日立、三菱ですね。日本勢はですね、世界の原発の勢力図から見ていくとですね、今や最大勢力になりつつあるってことなんですが、何で日本のですね、原子力会社ですね、そこまで原発に執着するのか。おまけに福島第一原発でこれほど大きな事故を起こしているのにということで、私不思議で、小出さんならんのですが。

小出:
 え・・・米国という国が、世界の原子力を牽引してきました。ゼネラルエレクトリックとウェスチングハウスなのですが、しかしその米国ではもう四半世紀以上にわたって新しい原子力発電所の建設がないということで、ウェスチングハウスもGEも、え・・・生産ラインも何も全て失ってしまっているのです。

今西:
 (聞き取れず)何もないんですか?

小出:
 そうです。

今西:
 はあ・・・(笑)。

小出:
 ですから、GEやウェスチングハウスが、原子力で金儲けをしようと思うと、日本を使って、実物を作ってですね、売り込んで、まあパテント(特許)を握っているので儲けるという、そういう方法しかないわけで、米国が日本を逃がしてくれないという、そういう構図があるだろうと思います。

今西:
 ただですね、その背景にはですね、どうなんでしょうか、日本もですね、安倍総理大臣自らがですね、トップセールスをかけてですね、海外に原発をですね、売込みを展開していますよね。

小出:
 はい。

今西:
 トルコやベトナムなんかでは優先交渉権も獲得しています。やはりそういう国策というものがですね、先ほどから出ている、原発関連事業の大手3社をですね、後押ししてる部分もあるんでしょうか?

小出:
 もちろんあります。日本では、原子力発電というのは平和利用と言われてきて、まあほとんどの方もそうやって聞いてきているはずなのですが、実は日本の国というのは、平和利用と言いながら核兵器を作る潜在的な能力を持ちたいんだということで、原子力発電をやり続けてきたわけです。今でも原子力を放棄してしまうと、核兵器を持つという点で、マイナスになってしまうので原子力を放棄できないと、いうようなことを、まあ自民党の首脳たちが未だに言っているわけですし、原子力からもう抜けることはできないと、思っているわけです。そして安倍さんなんかはとにかく経済最優先ということで、金儲け金儲けと言っているわけですから、原子力も使って金儲けをしたいという、そいうことになっているわけです。

今西:
 なるほど。まあ日本はですね、世界唯一の被爆国でありですね、世界最大の原発事故を起こした国なんですが、え・・・相変わらず反省がないんですね(笑)。

小出:
 (笑)、まあ、安倍さんなんていうのは「反省」という言葉すら知らないというような人ですから(笑)、たぶん今後もダメだと思います。

今西:
 分かりました。小出さんありがとうございました。

小出:
 はい。ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■東芝"巨額粉飾決算"の戦犯は「戦後70年談話」にも関与した安倍首相のオトモダチだった! 官邸の威光で責任逃れか
(リテラ - 09月08日 20:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=209&from=diary&id=3606207
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