影響は生産者だけではない。

地方紙に載っていた中身を観たが、想像通りの酷い内容。

世間は安く買えるか否かばかりに関心が及ぶ傾向があるが、
根幹の一次産業がここまで壊れるとどうなるかについての想像がまるで及んでいない。

また、単に生産者が窮地に陥るかどうかという論点になっているが、
明らかになった詳細を見れば一目瞭然、食品産業全体に及んでいる。

つまり、国内産加工製品の多くが輸入加工品の脅威に晒されることとなり、
それは即ち国内産業経済全体に影響を及ぼすこととなる。

簡素に言えば、国内のあらゆる食品加工企業は生産も販売も伸び悩み、
その従業員はおろか、企業に関連する様々な業者・・
包材や輸送、仕入れ業者等々まで及び、全体が縮小傾向となる。

ではその分輸出を・・といっても、既に人件費等含めて単価設定的に海外品と差が開く製品は、
日本品の関税が下がった所で条件は同じなわけで、勝負にならない。

要は、農村部に生きる人々の生活なんて限定的規模じゃなく、
都市部に住む関連企業に勤める人やその家族にまで影響を及ぼす、ということだ。

生産者がダメージを被れば、その地域行政が衰退の度を加速させる。
離農者や廃業者が増えれば、彼らを対象にするその他経済やインフラ事業が縮小する。
いわゆる『町の空洞化』だ。その為の担保策は考慮されているのか？

一方で、都市部の加工業界が衰退すれば、同様の衰退や縮小による影響が及ぶ。
その担保策をどう講じるのか？

安い食材が買えるかもしれないと、家計のやりくりに期待する奥様方は、
手前の主人の稼ぎ口がどのようなからくりになっているか、よ〜く考えた方がよかろう。

また、日本経済がこのことで新たなチャンスが・・なんて遠くで温いことを考えている者は、
一次産業とそこに関連する分野がどれほどあるか、その仕組みと機能が
どのようになっているかを、よ〜く考えてからにした方がよかろう。。


■ＴＰＰ、重要５項目の３割関税撤廃　牛・豚肉加工品など
(朝日新聞デジタル - 10月20日 09:54)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3671453