以下、転載です。
「遺伝子組換え物語」
想像してみてほしい。
あなたは自宅で家庭菜園を楽しんでいた。そして、収穫したての野菜たちで家族の夕食を作っていた。自分で栽培した野菜は、どんな野菜よりも美味しいものだ。
種はできるだけ自分で採取していたが、流石に全部とはいかないので、時々種屋さんで購入していた。それでも、毎年美味しい野菜が出来ていた。
ある年から、いつも買っていた種屋さんの様子が変わってきた。売っている種がいつもと違う。しかも、値段がとても高くなっており、購入する時にサインを求められた。
良く読むと、そこには「種取りは出来ません。」と書かれている。だが、毎年この種は買っていたので、致し方なくサインして買うことにした。
さて、栽培してみたが、どうも様子が違う。味も悪く、成長もあまり良くない。この野菜を食べ始めてから、家族も体調がイマイチ優れなくなりはじめた。
翌年もその種を買おうと思ったが、種の値段が何故か80倍に値上がりしている。これじゃとても買えないので諦め、栽培していた野菜の花を咲かせて、種取りをし、それを使うことにした。
翌年の事である。突然裁判所から、訴訟を起こされたという通知が届く。そこには、全財産に近い賠償金額が書かれている。慌てて、去年種を買った時の契約書を見たら、こう書いてあった。
「種取りは特許侵害であり、訴えられる可能性がある。あなたは、特許を侵害してるかどうかを調べる権利を、販売者に与える」
ひどく驚いたが、後のまつりであった。訴状には、種のパテント料を払えば和解すると書いてあるので、致し方なく、その80倍もする種を大量に買い、その不味い野菜を食べることにした。
しばらくして、自分や家族たちが病に侵され始めた。その原因がこの野菜にあるのではと不安になったが、誰も真実を教えてはくれなかった。
あなたは、毎年80倍もする種を買い続け、二度と種取りすることはなくなった。
これが、遺伝子組換え作物の実態である。絵空事のように書いてはいるが、現に遺伝子組換え種子を受け入れた国の農家に対して起きている、真実の物語である。
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