mixiユーザー(id:23621043)

2015年10月12日18:09

385 view

【文字起こし】日本とドイツ、どうして差がついたのか…慢心、環境の違いw(2015.10.10ラジオ・フォーラム第144回「小出裕章ジャーナル」)

【ドイツ首相・メルケルの場合】

3.11前:「原発は必要!前政権の脱原発は撤回する!」

3.11後:「あれだけの事故が起きてなお原発はできない。倫理的に間違っている!」


【我らが安倍ぴょんの場合】

3.11前:「日本の原発は安全対策に万全を期している!」×5
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm
(衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書)

3.11後の総選挙:「原発に依存しない社会を目指します!」
フォト

政権復帰後:「原発に依存しない社会を目指すと言ったな、あれは嘘だ」


この差は大きい・・・ふらふら



ラジオ・フォーラム第144回
http://www.rafjp.org/program-archive/144-3/

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/

小出裕章(元京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が在職中に所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html


【内容文字起こし】

パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)
ゲスト:木戸衛一(大阪大学准教授)

西谷:小出さん?

小出:はい。

西谷:あ、今日もよろしくお願いをいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

西谷:えー、小出さん今日のテーマは、

小出:はい。

西谷:「ドイツはなぜ脱原発に舵を切れたのか?」そして、「なぜ日本はできなかったのか?」ということで、お聞きしたいと思うのですが、

小出:はい。

西谷:この、今回の小出ジャーナルは、大阪大学准教授の木戸衛一先生にも入ってもらいたいと思います。木戸先生よろしくお願いいたします。

木戸:よろしくお願いします。

小出:はい。どうも、木戸さんお久しぶりでした。

木戸:ご無沙汰してます、どうも。

小出:はい。よろしくお願いします。

木戸:こちらこそ。

西谷:はい。まずですね、2011年、福島第一原発の爆発した年ですけど、ドイツはこの原発事故を受けて、脱原発政策に舵を切りましたが、まず木戸先生からお聞きしたいんですが、この経過はどうやって・・・?

木戸:えー福島の事故が起こった時の、ドイツの政権というのは、キリスト教社会民主同盟と自由民主党という政党の連合政権で、

西谷:あ、連立やったんですね。

木戸:はい。で、この連合政権は、その前に、社会民主党と緑の党が、2000年の時点でですね、いったん脱原発の政策を決めていたのを反故にしたんですね。言わば「脱・脱原発」をしてしまった。

西谷:ひっくり返してしまったんですか。

木戸:はい。そして、福島の事故の後、まあメルケル首相はですね、まあこう・・・いろいろ状況を見ていて、このままでは選挙に勝てないと。実際にその・・・3月の末にはですね、バーデンビュルテンベルク州というところで、初めて緑の党の州首相が誕生する。

西谷:あ、州の首相。

木戸:はい。これはもう歴史上初めてなんですけれども、そういう事態を迎えてですね、このままではまずいと。特にドイツの選挙制度は日本と違ってですね、民意がそのまんま・・・あの、比較的公正に、

西谷:小選挙区じゃないんですね?

木戸:小選挙区もありますけれども、比例代表の方が重要だということで、民意がそのまま、議席に基本的に反映すると、いうことですから、このまま原発政策に固執していてはまずいと、いう政治判断ですね。

西谷:そうか、メルケルさんはそこでちょっと、危機感を抱いたんで、

木戸:そうです。

西谷:そういうことですか。

木戸:はい。

西谷:小出さん、今の経過を聞かれて、率直なご感想は・・・どんなもんでしょうか?

小出:私はちょっと一つだけ言っておきたいことがあるのです。メルケルさんが、脱原発ということを最終的に決めたのはですね、政府が作った委員会が二つありまして、原発の技術的な安全性を検討する委員会というのと、それから、原子力を選択することに関する倫理的な問題を考える委員会というのがありまして、

西谷:ああ、倫理を。はい。

小出:その倫理的な問題を考える委員会、日本の政府なんかそんなこと設置するというようなことも、全く頭の中にないわけですけれども、ドイツという国では、原子力なんてやって本当にその・・・自分たちの生き方、原理的な問題というのが良いのか悪いのかということをきちっと政府の中で、委員会を作って考えるというようなことができるわけです。そして、その倫理委員会が、福島第一原子力発電所の事故が起きてしまったことも、もちろん問題だということで取り上げているわけですけれども、それ以外に、自分たちが始末もできないような、核分裂生成物、いわゆる放射性物質を、

西谷:核のゴミですね、うん。

小出:未来の子どもたちに押し付けていくという、そのこと自身が、許せないというそういう・・・判断をしているわけです。ですからまあ、電気代が高いのどうのというよりももっと前に、やはり原子力というものはやめるべきだという、考え方というのがドイツの中ではきちっと定着しているということなのです。とてもしっかりした、まあ国民と言うかですね、日本に比べればはるかに、あの・・・マシな人たちなんだなと私は思いました。

西谷:あの、今日のテーマでもね、「戦争犯罪にどう向き合うか」というテーマもやってるんですけど、

小出:そうですか。

西谷:やはりこの原子炉の、原発の事故にもちゃんと、まあ向き合っていたということでしょうかね?

小出:そうです。

西谷:あのー、その中でですね、日本は、ドイツや、まあEU、オーストリア、こういう、あるいはまあデンマーク、こういう取り組みの、どういうところをまあ・・・参考にして、今後やっていけばいいのかということでお聞きしたいのですが、木戸先生、やっぱりドイツでできたその、まあ国民的な背景っていうのはどういうところが・・・?

木戸:そうですね。まあドイツはよく、哲学者と詩人の国とか言われたりしていますけれども、先ほど小出さんが仰った倫理委員会では、文字通り哲学者、社会学者、カトリック、プロテスタント、もう色々なですね、分野の人が、もう・・・席に並んでいるんですね。

西谷:はい。

木戸:つまり日本ですと、何か原子力の委員会というと、極めて狭隘な、括弧付きの専門化が、

西谷:よくあの、お友達が集まったりする・・・

木戸:そうですね。内向きの議論しかやらない、というのに対してこの倫理委員会は文字通り「人間存在」と、「原子力」という、言い換えれば人間が人間であるために原子力というのはどういう意味があるのか。で、それはまあ負の意味しかないと、いう結論を出していくわけですね。そういうその、委員会の構成一つ取っても、やっぱり日本とドイツは違うなと思うんですけれど、もう一つあの、ドイツの隣のオーストリアというのが非常に面白い国で、

西谷:はい。

木戸:もう既に70年代に、もう完成していたツベンデンドルフという原発を、簡単に言うと51対49というですね、

西谷:僅差ですねえ。

木戸:僅差の国民投票で、政府は稼動を断念するわけですね。で、それ以降もちろんオーストリアに原発は無いわけですが、福島の事故を受けて、例えばその「原発電力の輸入を禁止しよう」とかですね、

西谷:あ、そんなことになってるんですか。

木戸:はい。え・・・まあ例えばそのドイツが一時期原発を止めていた時に、日本でもよく言われたことですけれども、「いやそんなこと言ったってフランスや、地方から原発の電力をドイツは買っていたじゃないか」と、

西谷:そういうの仰る方多かったですね。

木戸:ええ。揶揄するような意見ありましたね。

西谷:はい。

木戸:それも実は正確ではなくて、ドイツが原発を止めていた時でも、風の強い日ですね、風力が回っていて(笑)、むしろ輸出してきたくらいなんですね。

西谷:あ、そうなんですか。

木戸:はい。で、とは言ってもなるほどその、原発電力を輸入するということが、あの・・・問題だということ自体はその通りだと思うんですね。で、そこでオーストリアのような先ほどのイニシアティブがあったり、EUの中で、原発を持っていない国々と、反原子力連盟という形でですね、文字通り、脱原発の政策が、

西谷:はいはい、なるほど。

木戸:EU大になるようにと、あの・・・もちろんオーストリアというのは小国ではありますけれども、非常にこの、面白いイニシアティブを発揮していると。

西谷:分かりました。小出先生あのね、

小出:はい。

西谷:ドイツやオーストリアがですね、脱原発に舵を切って、その隣の国とかに色々と呼びかけている、そういう中でですね、日本はトルコとかに、同じようなね、原発を売り込みかけてるんですか、これ・・・この差は何でしょう?

小出:(笑)、まあ今日はあの、その戦争責任問題も、え・・・これから考えてくださるということで、ありがたく思いますし、私は日本というこの国が、戦争責任問題を、きちっと明らかにしないまま、誰も責任を取らないという、そういう体制が、まあ政治の場でも、経済の場でも、他の場でもずーっと続いてきてしまったということに一番の根っこがあると、思います。え・・・今日木戸さんが多分、そういうことをきちっと解説してくださるんだと思いますし、私もあの、聞かせて頂きたいと思っています。

西谷:はい。ということで、ちょっと時間が来てしまいました。小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出:こちらこそありがとうございました。

【文字起こし終了】


■日本に氾濫する「ドイツは脱原発に失敗した」という誤解
(HARBOR BUSINESS Online - 10月11日 09:20)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=219&from=diary&id=3658232
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する