mixiユーザー(id:4683573)
2015年10月11日09:54
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TETOTE
今年の頭ぐらいでしょうか、我が母が言いました。
｢歌舞伎が見たい｣
日々穀を潰してばかりの双子に名誉挽回の好機到来。いざ行かん歌舞伎。
とはいえ。
えーびばでぃ SAMURAI SUSHI GEISHAなジャパニーズのはしくれながら、
パルコ歌舞伎の｢決闘! 高田馬場｣をビデオで見たことがある程度で、
恥ずかしながら生で歌舞伎を見たことがなく、興味もやぶさかではない我々。
これは好機。
親孝行＋人生経験の、これは好機。
そして平日に有給で休んでも自分にいいわけが出来て罪悪感のないこの組み合わせ。
行こうじゃない。歌舞伎を見に。
いっそもうスーパーなヤツを見に行こうじゃない。
という事で見に行ったのはこちら。
http://
｢スーパー歌舞伎��(セカンド) ワンピース｣です。
歌舞伎に現代的な演出を取り入れた｢スーパー歌舞伎｣が、
今回題材に選んだのは、なんかいろいろと凄い漫画｢ONE PIECE｣。
アクションショーでの実写化はありますが、伝統芸能の歌舞伎化とは、
これはなかなかに挑戦的な試み。
｢ONE PIECE｣は大好きな漫画ですし、それを3次元に落とし込んで、
歌舞伎にどうやってアレンジするのか。
しかも内容は原作でいう｢頂上戦争編｣。コミックスでは51〜60巻をギュッとまとめたお話。
具体的にはシャボンディで吹っ飛ばされて女ヶ島行ってインぺリダウン行って、
マリンフォードで海軍 VS 白ひげ海賊団まで。
展開の激しい内容もそうですが、ハンコックやらマゼランやらイワさんやら白ひげやら、
一癖も二癖もあるキャラばかり出てくるこの｢頂上戦争｣。
いったいどうやるのか、非常に興味がありました。
こう書くと僕らが｢スーパー歌舞伎�� ワンピース｣を選んだみたいですが、
選んだのは母です。漫画読んでます。ルフィが好きだそうです。
多分僕らに合わせて選んでくれたのでしょう。それか市川猿之助さんが出てるからでしょう。
そんな感じで10月8日のド平日に見に行ってまいりました。
歌舞伎の前に都民ながらも行った事のなかった築地市場へ。
活気と観光客に圧されながら、軒に頭をぶつけながら見学。
市場という事もあり、海の幸の丼ものなんぞをいただきましたが、
かけた醤油にわさびが溶けきってなく、個人的な嵐が巻き起こったので、
誰かのバイオリズム乗っかって思い過ごして新橋演舞場へ。
修学旅行か演劇鑑賞教室でしょうか、ハイスクールな学生さんがたくさん。
学校の催しで｢スーパー歌舞伎｣とは、まぁうらやましい。
お席からはこんな感じ。
初めての歌舞伎会場の雰囲気に浮かれまくっているうちに開演。
初っ端の演出から現代的で度肝を抜かれていると、
流れてきたのはアニメ版ではなく原作そのままのナレーション。
もうこれで心持ってかれました。
この｢スーパー歌舞伎｣は、基本的に非アニメで原作漫画ベース。
それも当然、アニメは東映。歌舞伎は松竹。
台詞は歌舞伎的ではなく現代語なのでわかりやすく、
名台詞は可能な限り原作そのままというこだわりよう。
でも使ってる言葉は要所要所が歌舞伎的。
例えば技名。｢ゴムゴムの機関銃(ガトリング)｣｢百花繚乱(シエンフルール)｣、
｢風来砲(クー･ド･ヴァン)｣などが"きかんじゅう""ひゃっかりょうらん"
"ふうらいほう"と、一部を除いて日本語読み。
他にも"料理人"を"包丁人"にしたりと、言い変えのセンスが絶妙。
やはり気になるキャラクター。
原作でもたびたびキャラクターの和装が扉絵になっててイイ感じですし、
基から和風アレンジが好きなので、今回の本格的な歌舞伎アレンジには
とても期待していました。
実際に見たところ、これがまーカッコいい。
サンジが煙草じゃなく煙管っていうのは月並みですが、
実際に見ると非常に伊達で、それがふかして本当に煙が出るんでまーカッコいい。
ジンベエや戦桃丸は元が和風なので、超気合入ったコスプレみたいで違和感がなく、
逆に大幅アレンジされている白ひげも、納得の見事さでえらいカッコよかったです。
ただ、帽子をかぶってない赤犬はえらい違和感がありました。
これも気になる演じ方。アニメに慣れているとルフィが男性というのが
まず関門になりますが、そこはフォーマットが歌舞伎の世界。すぐに慣れました。
逆にアニメに近い感じに演じられているキャラもあり、
ゾロやエースなんかはかなり声を意識して近づけているように感じました。
完全にアニメまんまだったのはフランキーとボンちゃん。
ここまで影響与えちゃう矢尾さんて凄い。
特に2幕から出てきたボンちゃんの熱演は素晴らしく、多くの客の笑いを誘っていました。
声だけでなくアクションのキレも凄く、素晴らしいアラベスクでした。
ボンちゃんを演じられた坂東巳之助さんはゾロとスクアードも
演じてるってんですから、歌舞伎役者さんって凄い。
歌舞伎外の役者さんで凄かったのは浅野和之さん。
演技はもちろんですが、センゴクとレイリーの見た目がバチはまり。
それに加えてイワちゃんまで熱演されて、しかも踊っちゃうんですからまー凄い。
そのイワちゃんが登場するニューカマーランドがまた出色。
男が女を演じる歌舞伎の舞台でニューカマーが大人数で踊りまくってる様子は
いろいろと混乱して超楽しかったです。
キャラの口癖や笑い方、ゴムゴムなどの能力も歌舞伎に違和感のないよう、
必要最低限に抑えられ、逆に火、水、吹雪と特殊な演出が、
｢ONE PIECE｣の世界感に違和感なく使われていて、とても迫力がありました。
ゆずの北川悠仁さんが作られた主題歌｢TETOTE｣は
｢頂上戦争｣の雰囲気とは違う感じがしましたが、
希望に向かっていくラストシーンにはとても合っていました。
もちろん良かった点だけではなく、疑問に思う点もいくつかありました。
ある脇役キャラの性格が全く変わっていて、
メインどころのキャラの代わりに前面に出ていたり、
妙なキャラがフィーチャーされていたり。
結構な見せ場で盛り上がっているけど、そこはそれじゃなくね? 的な改変もあったり。
しかし作ってる皆さんもそこの違和感は承知で作ってらっしゃるとの事なので、
そこはそれという事でしょうか。
そんな疑問点も補って余りある面白さで、とても良い経験が出来ました。
親孝行になったかわかりませんが、母も楽しんでいたようでなによりでした。
齢三十、年齢を重ねると行動するのが億劫になってしまいがちではございますが、
まだまだ初めて触れること、ものが多くございます。
まだまだ経験を積んでいかねばと思いました。
そして、ナミさんを演じていたのが市川春猿さんだと気づかず、
帰りの電車で呼んだ筋書(プログラム)で知ったので、
このあたりの経験ももっと積まねばと思いました。
｢歌舞伎が見たい｣
日々穀を潰してばかりの双子に名誉挽回の好機到来。いざ行かん歌舞伎。
とはいえ。
えーびばでぃ SAMURAI SUSHI GEISHAなジャパニーズのはしくれながら、
パルコ歌舞伎の｢決闘! 高田馬場｣をビデオで見たことがある程度で、
恥ずかしながら生で歌舞伎を見たことがなく、興味もやぶさかではない我々。
これは好機。
親孝行＋人生経験の、これは好機。
そして平日に有給で休んでも自分にいいわけが出来て罪悪感のないこの組み合わせ。
行こうじゃない。歌舞伎を見に。
いっそもうスーパーなヤツを見に行こうじゃない。
という事で見に行ったのはこちら。
http://
｢スーパー歌舞伎��(セカンド) ワンピース｣です。
歌舞伎に現代的な演出を取り入れた｢スーパー歌舞伎｣が、
今回題材に選んだのは、なんかいろいろと凄い漫画｢ONE PIECE｣。
アクションショーでの実写化はありますが、伝統芸能の歌舞伎化とは、
これはなかなかに挑戦的な試み。
｢ONE PIECE｣は大好きな漫画ですし、それを3次元に落とし込んで、
歌舞伎にどうやってアレンジするのか。
しかも内容は原作でいう｢頂上戦争編｣。コミックスでは51〜60巻をギュッとまとめたお話。
具体的にはシャボンディで吹っ飛ばされて女ヶ島行ってインぺリダウン行って、
マリンフォードで海軍 VS 白ひげ海賊団まで。
展開の激しい内容もそうですが、ハンコックやらマゼランやらイワさんやら白ひげやら、
一癖も二癖もあるキャラばかり出てくるこの｢頂上戦争｣。
いったいどうやるのか、非常に興味がありました。
こう書くと僕らが｢スーパー歌舞伎�� ワンピース｣を選んだみたいですが、
選んだのは母です。漫画読んでます。ルフィが好きだそうです。
多分僕らに合わせて選んでくれたのでしょう。それか市川猿之助さんが出てるからでしょう。
そんな感じで10月8日のド平日に見に行ってまいりました。
歌舞伎の前に都民ながらも行った事のなかった築地市場へ。
活気と観光客に圧されながら、軒に頭をぶつけながら見学。
市場という事もあり、海の幸の丼ものなんぞをいただきましたが、
かけた醤油にわさびが溶けきってなく、個人的な嵐が巻き起こったので、
誰かのバイオリズム乗っかって思い過ごして新橋演舞場へ。
修学旅行か演劇鑑賞教室でしょうか、ハイスクールな学生さんがたくさん。
学校の催しで｢スーパー歌舞伎｣とは、まぁうらやましい。
お席からはこんな感じ。
初めての歌舞伎会場の雰囲気に浮かれまくっているうちに開演。
初っ端の演出から現代的で度肝を抜かれていると、
流れてきたのはアニメ版ではなく原作そのままのナレーション。
もうこれで心持ってかれました。
この｢スーパー歌舞伎｣は、基本的に非アニメで原作漫画ベース。
それも当然、アニメは東映。歌舞伎は松竹。
台詞は歌舞伎的ではなく現代語なのでわかりやすく、
名台詞は可能な限り原作そのままというこだわりよう。
でも使ってる言葉は要所要所が歌舞伎的。
例えば技名。｢ゴムゴムの機関銃(ガトリング)｣｢百花繚乱(シエンフルール)｣、
｢風来砲(クー･ド･ヴァン)｣などが"きかんじゅう""ひゃっかりょうらん"
"ふうらいほう"と、一部を除いて日本語読み。
他にも"料理人"を"包丁人"にしたりと、言い変えのセンスが絶妙。
やはり気になるキャラクター。
原作でもたびたびキャラクターの和装が扉絵になっててイイ感じですし、
基から和風アレンジが好きなので、今回の本格的な歌舞伎アレンジには
とても期待していました。
実際に見たところ、これがまーカッコいい。
サンジが煙草じゃなく煙管っていうのは月並みですが、
実際に見ると非常に伊達で、それがふかして本当に煙が出るんでまーカッコいい。
ジンベエや戦桃丸は元が和風なので、超気合入ったコスプレみたいで違和感がなく、
逆に大幅アレンジされている白ひげも、納得の見事さでえらいカッコよかったです。
ただ、帽子をかぶってない赤犬はえらい違和感がありました。
これも気になる演じ方。アニメに慣れているとルフィが男性というのが
まず関門になりますが、そこはフォーマットが歌舞伎の世界。すぐに慣れました。
逆にアニメに近い感じに演じられているキャラもあり、
ゾロやエースなんかはかなり声を意識して近づけているように感じました。
完全にアニメまんまだったのはフランキーとボンちゃん。
ここまで影響与えちゃう矢尾さんて凄い。
特に2幕から出てきたボンちゃんの熱演は素晴らしく、多くの客の笑いを誘っていました。
声だけでなくアクションのキレも凄く、素晴らしいアラベスクでした。
ボンちゃんを演じられた坂東巳之助さんはゾロとスクアードも
演じてるってんですから、歌舞伎役者さんって凄い。
歌舞伎外の役者さんで凄かったのは浅野和之さん。
演技はもちろんですが、センゴクとレイリーの見た目がバチはまり。
それに加えてイワちゃんまで熱演されて、しかも踊っちゃうんですからまー凄い。
そのイワちゃんが登場するニューカマーランドがまた出色。
男が女を演じる歌舞伎の舞台でニューカマーが大人数で踊りまくってる様子は
いろいろと混乱して超楽しかったです。
キャラの口癖や笑い方、ゴムゴムなどの能力も歌舞伎に違和感のないよう、
必要最低限に抑えられ、逆に火、水、吹雪と特殊な演出が、
｢ONE PIECE｣の世界感に違和感なく使われていて、とても迫力がありました。
ゆずの北川悠仁さんが作られた主題歌｢TETOTE｣は
｢頂上戦争｣の雰囲気とは違う感じがしましたが、
希望に向かっていくラストシーンにはとても合っていました。
もちろん良かった点だけではなく、疑問に思う点もいくつかありました。
ある脇役キャラの性格が全く変わっていて、
メインどころのキャラの代わりに前面に出ていたり、
妙なキャラがフィーチャーされていたり。
結構な見せ場で盛り上がっているけど、そこはそれじゃなくね? 的な改変もあったり。
しかし作ってる皆さんもそこの違和感は承知で作ってらっしゃるとの事なので、
そこはそれという事でしょうか。
そんな疑問点も補って余りある面白さで、とても良い経験が出来ました。
親孝行になったかわかりませんが、母も楽しんでいたようでなによりでした。
齢三十、年齢を重ねると行動するのが億劫になってしまいがちではございますが、
まだまだ初めて触れること、ものが多くございます。
まだまだ経験を積んでいかねばと思いました。
そして、ナミさんを演じていたのが市川春猿さんだと気づかず、
帰りの電車で呼んだ筋書(プログラム)で知ったので、
このあたりの経験ももっと積まねばと思いました。
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