詩音「はーい皆さんこんにちわ。お久しぶりです。『ひぐらしのなく頃に』園崎詩音です。
「民法のなく頃に」ではお世話になりました。本日久しぶりに教壇に立たせて頂きまーす」
魅音「えーーーっ!!また詩音が講師〜!?ずるいずるい、ヒイキだー!たまには私にもやらせてよー!」
圭一「と言うかそもそも、何故いきなりこの企画をしようと考えたのか、俺はそこが気になるぞ」
レナ「はぅ〜、レナの講師の出番はもう回ってこないのかな・・・?かな?」
沙都子「それならわたくしと梨花も欲求不満でしてよ」
梨花「みー。詩ぃばっかりずるいのです」
羽入「今回は僕もいるのです」
詩音「気にしたら負けです。とりあえず、何となくやってみたくなったとのことなので、今回も再び講師をやらせて頂く事になりました」
圭一「・・・で、なんだ?お題は『民主主義って何?』・・・随分と抽象的だな」
魅音「はいはい!私知ってる!」
詩音「はい、お姉」
魅音「部活で決着をつけて一位の言う事を聞く事!」
詩音「・・・お姉、それ、民主主義でも社会主義でもないから。ただのリアル北斗の拳だから」
魅音「えーっ!いつも私等はそうしてるじゃん!」
梨花「別にボク達の中ではみんなが納得ずくなので、それで良いと言うことになってるだけなのですよ。魅ぃ」
沙都子「現実でやったら、大問題ですわ」
レナ「えーっと・・・みんなで話し合って決める事、かな?」
詩音「レナさんが近いです。とりあえず50点」
レナ「はぅ〜、詩ぃちゃん厳しいんだよ〜」
詩音「民主主義で分かりやすい例を挙げてみましょう。
例えば、私等で学芸会をすることになりました。
そこで、内容を決める事になったわけだけど・・・
部活大会とかにしちゃうとみんなそれに決めちゃうだろうから、それは今回ナシで。
そうですね・・・
演劇・美術・喫茶店の三つから選んでください、って言われたら、みんなどれがいいですか?」
圭一「演劇とか面白そうだな。みんなで一つの作品を作り上げるって、なんだか楽しそうじゃねえか?」
梨花「ボクもみんなで演劇をするのは楽しいと思いますです」
レナ「レナは美術がいいかな?かぁいいモナリザを後でお持ちかえりなんだよ〜!はぅ〜!」
沙都子「わたくしもレナさんと同じで美術ですわね。わたくしのトラップは美術品の粋に達しておりましてよ!」
魅音「おじさんは喫茶店がいいなあ。来る人全員に私等の会心の手料理を振舞ったら、絶対にまた雛見沢に来てくれるようになるよ!」
羽入「僕も魅音と同じなのです。喫茶店でシュークリームを作りまくるのですよ、あう!」
梨花「アンタは自分が食べたいだけでしょ」
羽入「あう!?ソレの何が悪いのですか!」
梨花「やれやれ」
詩音「とまあ、こんな風に演劇2票、美術2票、喫茶店2票って綺麗に分かれましたよね。
そりゃ、私等だったら「じゃあ部活で決着つけようかー」ってなるんでしょうけど、現実には殴りあって決着つけるなんてムリですよね」
魅音「そりゃあ、私等ならともかく、一般人が私等の真似をしたら大変なことになるだろうねえ!あっはっはっは!」
詩音「威張るようなことじゃないです、お姉」
圭一「でも、こう言うことは学校でも普通にあるぜ?何かを決めようとしても中々決まらない、ってことはな」
詩音「そうですね。民主主義って言うのは、まずは話し合う事が大事です。そこは大前提。
話し合い、自分が推す意見のメリットを皆に理解してもらう。
デメリットにはどういう風に対処するか、出来るだけ具体的な案を出す。
周りと話し合い、自分の提示するゴールに納得してもらうのが『議論』です」
レナ「みんなが納得して一つの意見にまとまれば、一番いいもんね」
詩音「レナさんが言うように、それが一番理想です。本当は。
でも、今回のお題みたいに少人数ならそれでもいいかもしれませんけど、30人とかいるような大きいクラスだったり、学校単位だったり、ましてや色々な人の生活や営業が関わってきて利益も関わってくる議会とかの話になると、そうも言ってられませんよね?」
魅音「・・・まあ、園崎本家の会議でも、最終的には婆っちゃが取り仕切るわけだけど。
もし、婆っちゃが決めずにみんなで決めろってことになったら、難しいと思うよ」
詩音「当たり前です。いつだったか、大石さんが言ってましたよね。
祭りの模擬店のジャンルや露店の場所を決める時だって、色んな町会の思惑がぶつかるんだって。
誰だって人気のヤキソバやかき氷をやりたい。
でも、全部の露店がヤキソバとかき氷になったら、つまらない。
じゃあ、ウチのヤキソバの方がどこの町会よりおいしいとか、よく売れるとか。
ウチは人数が少ないんだから水場の近くにしてほしい、とか。
そういう、様々な人達の利益を調整し、落とし所を探し、決定するのが政治です」
沙都子「でも、自分の思い通りにならなかったら文句を言う人もいるんじゃありませんの?」
詩音「いますよ、そりゃ。現実の政治の世界はドロドロですからね。
それでも、日本はまだ本格的なテロに走ったりしないだけまだ平和な方です。
発展途上国だと選挙をしても、負けた方が「あれは不正だ、不当だ、無効だ」と騒ぎ出し、場合によっては武力に訴える事もままありますから」
梨花「・・・みんなで決めたことを暴力で変えようというのは良くないと思いますです」
詩音「梨花ちゃまの言う通りです。みんなで決めたことを暴力でムリヤリ変えようとしたら、みんなに恨まれますし、みんなに迷惑が掛かります。
そんな自分勝手なこと、許されるわけありませんよね?」
レナ「うん。詩ぃちゃんの言う事、レナも分かるよ」
詩音「民主主義の原則は、まずは話し合う。話し合って、妥協点を探す。
妥協点を探す為には、お互いに意見を出し合って、すり合わせるわけです。
意見すら出さずに反対!反対!だけ騒ぐ輩は、場を荒らすだけで、迷惑な存在になります。
例えば、今回のお題でも、「そもそも学芸会をやるべきではない」と言う主張なら、学芸会をやることによるメリットとデメリットを比較して、デメリットの方が大きいからやってはならない、と根拠を示し、その意見が過半数を占める必要があります。
だって「やるか、やらないか」なら二つに一つですからね?
やる事が決まってるなら、後は内容の問題なんですから」
沙都子「それで、話し合ってもお互いに自分の主張ばっかりで最後まで決まらなかったらどうするんですの?」
詩音「決まってます。そのときは多数決です」
圭一「そうなるよな。何をするのかは結局決めないといけないんだもんな」
羽入「多数決だと、少数派になった人達が嫌な思いをするのではないですか?」
詩音「数の暴力、と言う言い方をすることもありますが、最終的に決めないといけない事ですからね。世の中には、自分の思い通りにならないことなんてたくさんあります。
自分の思い通りにならなかったからって協力しないとか騒いだりするのは、子供と一緒です」
魅音「まあ私等子供だけどね」
レナ「魅ぃちゃん、茶化したら詩ぃちゃんに悪いよ。詩ぃちゃん真面目に教えてくれてるんだから」
魅音「はーい・・・」
詩音「民主主義の大原則は、一つのお題について、まずは話し合う。
話し合って、意見を出し合って、お互いに納得が出来る妥協点を探す。
それで決まらなければ、多数決です。
そして、みんなで決めた事にはみんなが従わなければなりません。
一人だけ協力しない、なんて勝手な事をしてたら、「あいつは自分勝手なヤツだ」って嫌われますよね?
そして、みんなで決めた事には賛成した人はもちろん、反対した人も同じ責任を負う。それが民主主義です」
レナ「・・・色んな人が集まったら、それだけ色んな意見があるわけだからね。みんなが納得できる方法があれば一番いいんだけどね」
詩音「まあ、現実にはそんな都合よく行く事の方が珍しいですからね」
レナ「大人って大変だね。私達なら、意見が違ったら部活で勝負をつけて、負けたら罰ゲーム、でも罰ゲーム自体も楽しんで、みんなで笑い合えるのに」
圭一「そう考えたら、俺達って本当に良い仲間に恵まれてるんだよな」
魅音「そうだね。それは、お互いに心から信頼し合ってるから出来ることだと思う。
現実に利益が対立したら、そんな信頼なんてあるはずないもんね。
そこを力で決着、なんてしたら、そりゃもう無法地帯になっちゃうよ」
羽入「・・・魅音が頭良いことを言ってるのです」
梨花「・・・珍しい」
沙都子「明日は雨ですわね」
魅音「ちょ、そりゃあんまりじゃないの!?」
詩音「圭ちゃんだって、都会の大きな学校にいたなら分かるんじゃないですか?
私も聖ルチにいたから少しは分かるけど。
生徒会長一人決めるのにも、やっぱり多数決じゃないですか」
圭一「そうだな」
魅音「それに、委員長やってるから分かるけどさ。
『みんなが納得してみんながニコニコ』なんて案、中々無いんだよ。
誰かが得をしたら、誰かが損をする。それが世の中の常だもの」
梨花「ボクと沙都子がもし二人で別々に違う喫茶店を開いたら、ボクのお店にお客がきたら、その分沙都子のお店にお客が来なくなってしまうのです」
詩音「梨花ちゃまがいい例え話をしてくれましたね。
対立の調整とか利益の再分配ってのは、そういうことです。
もし、梨花ちゃまのお店ばかり繁盛して沙都子のお店が全く繁盛してなかった場合、そりゃバランスを取って沙都子のお店にもお客さんが来るように、料理がうまいお姉やレナさんを応援に行かせたりするわけですけど。
そうなると、相対的に梨花ちゃまのお店は売上が落ちてしまう事になる。
そうなると、もちろん梨花ちゃまは面白くない。
でも、政治ってそういうものなんですよ。
あちらを立てればこちらが立たず、なんてのは良くある事です」
レナ「今日の講義は、前にやってた法律の授業に比べるとかなり楽だよね。分かりやすい」
圭一「まあ、ボリューム少ないからな」
詩音「濃くしようと思えば幾らでもできますが。安保法案についてとか」
魅音「あんまり濃くすると読む人が大変になるから今日はこの辺にしようよ」
詩音「まあ、そうですね。気が向いたらまたやると思います」
羽入「あう?今日はオチがないのですか?」
梨花「何言ってんの、あるに決まってるじゃない。
・・・沙都子。あれ出して」
沙都子「あれですわね!」
羽入「・・・!!!!!!り、りりりりりりりりりり梨花・・・!!!
そ、その真っ赤な怪しいけしからんブキミな物体は・・・まさか・・・!!!!」
梨花「決まってるでしょ。辛辛魚(画像参照)よ。辛党のフレインでも『これはヘビー』と言わしめるくらいの、超激辛のカップラーメンよ」
羽入「だめなのですだめなのですだめなのですだめなのです!!!!そんなものを食べたら、僕は・・・僕は・・・!!!!」
梨花「ずるずるずるずるずる。ごっくん。あ〜、辛くておいしい」
羽入「嗚呼嗚呼ああああああああああああああああはははああああああぎゃああああああああ」
詩音「・・・梨花ちゃま、私よりドSかも」
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