GONIN サーガ　　石井隆の甘さ

それから『GONIN サーガ』を新宿で観終わると出口で「ぴあのアンケート調査です１００点満点で今回何点でしょう？」と、ぴあのスタッフが訊いてきた私は７６点と言った咄嗟に考えたことはそれは何故ですか？と訊かれた時、理由を言える点数を出した土屋アンナが出てきた時は新鮮で面白い後、昔のメンバーで展開する時は引き出しのなさを感じるルーテーンなのだ最後は滅茶苦茶になり訳の分からぬ作品に仕上がっていた
https://www.youtube.com/watch?v=5jc_lllDAqk



雨は半端なく降る、観ていて大変な撮影だと思う、まるで黒澤組が降らしている雨のようだったあんな雨を降らせることが出来るのは黒澤組のおやじさんしかいないラストのクレジットを観ながらおやじさんの名を探したがなかった、たとえ、おやじさんがやっていてもおやじさんはクレジットに名を載せることを拒否しただろうあれは黒澤組の雨だ・・拳銃（チャカ・ヤクザ用語）の銃声が凄いそれはドルビーサランドが良いからだと思うが何度も驚いた新しい映画館で感じることは音響が良い音の技術が急速に発展したこれも土屋アンナがチャカを弾く時の音が良いぴあのアンケート調査員はアンケートに７６と書きありがとうございましたと言い去っていった私は何故と訊かないのだ？と思いぴあのロゴが入ったジャンパーを見送った・・・その時思った何故と問われ応えられる人はいない、突然アンケートと言われても困るだろう昔今のようなぴあのアンケートを受けたことがあるその時は礼にと
ぴあの表紙を描いていた及川 正通が描いたイラストのポストカードをくれたものだ
今は点数だけ訊き記録して去る・・・東京にはヴィデオが普及する前は名画座と言われるロードショーではなく過去に名画と言われている映画を上映するミニシアター低料金で観せる映画館ががひしめいていた若者はその名画座で映画を観て勉強していたその都内の名画座の上映スケジュールを載せた東京のタウン誌『シティロード』と言うのがあって映画好きの若者は『シティロード』を買い映画のはしごをしたものである『ぴあ』が出たのはそれから数年が経ってからである『ぴあ』の創刊号のことは覚えている資金がなかったのか？ペラペラの薄い紙を使っていて表と裏に印刷されていて頁が裏の印刷が透けて見にくかった当時１５０円ぐらいのものだったがこのニ誌を見比べ買ったものだ『ぴあ』は後発だったので情報量が『シティロード』より少なかったまた『ぴあ』の方が間違いが多いという噂が流れた、今はネットで上映時間を確認するがネットも携帯も無い時代紙媒体を読み行動する他なかった、『ぴあ』がチケットぴあをやりだし一気に形成は逆転した都内のライヴチケットをぴあが握ったのだ映画の広告で細々とやっていたぴあとは違うその頃ネットも出来だしぴあはチケットの多額の資金を元にネットに一早く乗りだしたそのうち東京だけではなく日本全国のぴあを出すようになったあのペラペラの紙に印刷していたぴあが急速にメジャーになった

https://www.youtube.com/watch?v=LsLC8kT5BXU



話しを戻そう映画『GONIN サーガ』は前作『GONIN』『GONIN２』を観てなければ分かりにくい構成になっている
『GONIN』は、1995年に公開されている今から２０年前の映画だ『GONIN サーガ』では『GONIN』『GONIN２』の話しがインサートされ構成されているがそれが生き残った者たちまたは息子たちが復習する因果関係と本編のバイオレンスを絡めて描いていく
優秀な脚本を書き映画界をのし上がってきた石井隆からぬ構成だった
テーリー伊藤がヤクザの組長で出ているテーリー伊藤も影の世界に居た人だ
これで映画初デビューであるあの容貌でヤクザの組長をやるとイケると思ったのだろう台詞を喋らすとTVでまともなことをコメントするテーリー伊藤が出ていて少しも怖くない
これは演出の問題だこのような場合、台詞を削り喋らさないことだ現場の判断は監督の責任
この辺を柔軟に演出しないと映画は台詞で説明するようになったらお終い、それを画で観せなければならないそこが映画の醍醐味これが基本この映画の基本を体現していない監督が映画を作ると悲惨なことになる石井隆はシナリオを書かすといいが演出は甘い
『GONIN』『GONIN２』とシリアスで悲惨きまわりない映画を作り『GONIN サーガ』でそれを全て駄目にするものを作っているこれで『GONIN』シーリーズは打ち止めになるだろう石井隆は助監督修行をして現場で地獄を体験して欲しいこの演出の甘さはなくなる石井隆は1988年日活ロマンポルノ『天使のはらわた 赤い眩暈』の脚本を書き、いきなり監督デビューしているこの映画を観て橋本愛が女優をやっていこうと思ったと告白している低予算手作り感、満載の映画だった
『GONIN サーガ』は引退していた根津甚八を石井隆が説得して復帰した第一作になっている紅テントで主役を」張っていたさっそうとした根津甚八を知っている者として
この映画が最後の作品なるのには悲惨過ぎると思ったものです。