進撃のトランプ
来年アメリカ大統領選挙がある。メール問題など、どうでもいいスキャンダルでなぜか支持率が急降下しているヒラリー・クリントンだが、今のところ次期大統領に最も近い人物とされている。
一方で共和党候補の氏名争いにおいてトップを走っているのが、ドナルド・トランプ、10年前は民主党支持だと自身が主張していたそうだが、女性蔑視発言、人種差別発言など、、、候補者争いどころか、テレビにさえ出演できなくなるような問題発言を連発しても、致命傷になるどころかむしろ、メディアでの露出が増え、その勢いは増すばかり。
ロバート・デ・ニーロ、ブルース・ウィリス、ニコラス・ケイジなど、一見間の抜けた、オーラのない普通のおっさんが映画のヒーローになるアメリカの大衆文化をみていると少しは納得がいく。
これはどうやら、アメリカのそれまで歩んできた歴史にアメリカ人の気質を見ることができるかもしれない。
以前パトリオットという映画があったが、貴族ではなく、普通の人が見よう見まねで武器を手にし、大英帝国の徴税や高圧的な態度に立ち向かったアメリカ庶民
圧倒的な軍事力を背景に世界統治をしていたイギリスを相手に、独立を諦めかけていたが、粘り強く戦いを続け、ついに独立を勝ち取るという奇跡を演じたという歴史が、ハンサムでは決してない普通っぽいヒーローを好む国民性を産んだのだろう。
誰ひとりとして期待も予想もしていなかった不動産成金の品のない親父が、今、世界帝国の大統領になろうとしている。
人類の生殺与奪を握る核のボタンに一歩も二歩も近づいたとなると、なんとも危なっかしくも見えるが、独立から200年がたっても、アメリカという国はまだまだ若く活力のある国なんだなと、デフレと高齢化でくたびれた国民からすると羨ましくも見える。。
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