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2015年09月17日19:13

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【旅】自転車日本縦断記(8):九州地方(2000年8月20日〜)

■2000年8月20日(日):(愛媛県松山市〜宮崎県北川町)

 泊めてもらっている身で言うのも何だが、人の住まない空き部屋の為かゴキブリに蜘蛛、蚊が多い。顔など何ヶ所か刺された。05:00起床。男性の車に乗せてもらい港へ移動。男性からトマトと野菜ジュースを受け取る。「母親を心配させるな。子がいくつになっても母親は心配する」と言葉を頂く。

 フェリーの切符購入。学生証を無くしている為に、学割が受けられず全額キッチリ支払う。(\3,140-。つか免許から学生証まで全ての身分証明書を無くした状態) フェリーが出港する。酔い止め薬(\740-)を飲んだ後、さっきもらったトマトをつまみにビール(\220-)で一杯やる。酒の酔いに任せて寝たので、船酔いせずにすんだ。昼前に別府に寄港。

 〜九州上陸〜
 〜2000.8.20〜

 フェリーを降りて自転車を点検する。後ろのギアのプラスチックパーツが割れている。応急処置としてテーピングで止めておいた。出走。パラパラと小雨が降りはじめた。(大した事無いな)直ぐ雨が止んだ。

 港を出て国道10号線を大分方面に向けて走る。別府で砂風呂に入りたいと思い、砂風呂を少し探すが見つからないので諦める。12:00に別府を後にした。大分のジャスコで食料調達。パンとヨーグルトと酢(\457-)、虫除けとかゆみ止め購入(\940-。この機体(カラダ)のメンテ費)。国道10号に戻り出走。川沿いの山道。アップダウンの繰り返し。汗でシャツがカラダに張り付く。(暑い)さっき横を走っていった車が止まった。運転手の男性が下りて手招きしている。「俺も昔、自転車で旅してたんだよ」以下、定型会話。「これ飲んでくれ」ドリンク剤を2本受け取る。遠慮はせずに感謝する。早速1本飲んで出走。ドリンク剤含有のビタミンB群で運動効率アップ。そして自分の体の熱もアップ。(暑過ぎる)

 と思っていたら天気雨が降り出した。(ちょうどいいシャワーだ)・・・それが突然どしゃぶりになった。道には滝のように泥水が流れ、雨で視界が1m以下に。(九州でガケ崩れが起こりやすい理由この急な豪雨か)

フォト

【豪雨@大分県】


 荷物にビニールカバーを被せる。ここで荷物に引っ掛けていた麦藁帽子がなくなっているのに気付いた。(東北から使っていたのになぁ)荷物の防水はOK。後は俺の雨対策だが、カッパを着ると中が蒸れて暑い。そして、ここは人通りもなく車がたまに走る程度の道。というワケで、上半身裸、下半身はレーサーパンツで雄叫びあげながら走行。(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!)この勢いを利用して峠を一つ越えたところで、ちょうど雨もやんだ。荷物のカバーを外す。豪雨のため荷物の3割ほどが浸水してた。

 17:00時点、今日の目標だった宮崎県延岡まで、あと60kmの地点。(1時間=20kmとして20時まで走れば行けるか?)ナイトラン覚悟で走行。ここで誤算だったのが2点。一つは「この先の道もアップダウンが多い山道」だった事。もう一つは「街灯も殆ど無い道」だった事。 暗闇の中を、猪や熊などのケモノが出ないか警戒しながら目を凝らして走る事となった。灯りはチャリにつけた単1電池ライトのみ。非常に心細い。時々通る自動車の強力なライトを見て安心するありさま。(人間の文化が栄えたのは何故か?闇に対する恐怖から逃れるためだろう?)(九州でのナイトランは無謀だ。何故ならこの地は町と町の間が開きすぎる。北海道と同じだ)

 国道10号線をひた走り、大分県から宮崎県に入って10kmほどで道の駅【北川はゆま】発見。水がある、トイレがある。完璧だ。今日の寝床に決定。自動販売機のカップ麺を購入(\200-,高い!)。まだ食べ足りない。ホットココアなども買う(\200-)。夜の道の駅に車止めている連中に警戒しながら、寝袋を敷いて寝た。21:00に寝袋に入るが、寝付けず02:00まで起きていた。(休めるときに休めないとは)


走行距離 118.61km
累積走行距離 2298.33km

−Interval−

 九州まで進んだが、旅の終着点をどこにするのかまだ決めていない。

 旅立った時から状況は少し変化している。
 内定を受けた企業の問題は収まっていないが、内定者への保障が決まったらしい。
 また、俺が一度内定を辞退した別企業からは「再内定を出すように働きかける」と話をもらった。本当に再内定が出るとしたら、1回東京まで戻らないとダメだろう。

 とりあえず九州の最南端・佐多岬までは行くが、その後どうするか。

 案1:折り返して千葉の実家まで自転車で行く。
 案2:電車か飛行機で千葉の実家に帰る。
 案3:鹿児島からフェリーもしくは飛行機で沖縄へ行く。

・・・先の事を考えると、つい旅を焦ってしまう。焦り急ぐとロクな事がないのにな。


■■

2000年8月21日(月):(宮崎県北川町〜宮崎県岡山町)

 昨夜02:00まで起きていた為か携帯の目覚ましアラームで起きられず。寝坊して05:30起床。寝袋を丸めて荷造り。テントを立ててないので片付けが楽。自転車の点検。リアタイヤが磨耗してタイヤのゴムの下から黒い地が見える状態になっていた。前後のタイヤを交換して応急処置としておく。(いつまで保つかな。この自転車とこの機体(カラダ)は。)

 06:30出走。国道10号線を走る。北川町→延岡市→門川町→日向市→都濃町。海岸沿い。日向街道は海から少し離れるが熱帯っぽい木が並び南国情緒ある道。(まぁ俺にとってはフラットな道ってのがありがたい)川南町に差し掛かったところで葡萄の路上販売を発見。(葡萄か・・・)立ち寄る。品種はベリーA。4房セット販売。一人で食べるのは量が多い。バラ売りしてくれないか、売り子のやや年配の女性に頼む。「いいよタダで持って行って。もうコレの時季も終わりだし」(え、まだ8月で葡萄が終わり?そうかコレが南国なのか)遠慮せずに感謝して頂く。定型会話。あと果紛(葡萄の房につく白い粉)について教えてもらった。その場で1房食べてから残りの葡萄を荷物に入れて再出走。

 と、ここで携帯に着信。父親からだ。俺が旅立つ時、父親は脚の具合が悪くて入院中だったが具合はどうなのか。父「電話したのは、お前が金に困っていると思ったから郵便貯金に5万円振り込んでおいた」との事。(・・・感謝。しかし俺は親不孝者だなぁ) 携帯電話を出したついでに他に電話をかけておく。大学の学科秘書へ近況報告。大学の知り合いに近況報告+学生証の再発行について質問。etcetc・・・。

 電話して里心が出たのか走りのペースが落ちる。川南町→高鍋町→新富町→佐土原町→宮崎市(シーガイア)。ここから国道10号線は内陸に入る。フラットだった道が上り坂になった。更に落ちるペース。(エネルギーが足りない)道の駅・高岡で休憩。売店で梨を購入。1皿5つ盛り。(ま、ほとんど水分だし)梨5個を全部食べた。腹がタプタプする(・・・食べ過ぎたか)。

 地図を見て36km先の都城を目的にして再出走。上り坂をゆっっっっっくりと登る。脚に力が入らず、精神も集中できず。(今日は潮時だな) 走りながら泊まれそうな場所を探す。『山間の辺鄙な集落』という感じの場所で、よい寝床は見つからず。林道との交差地点から少し走ったところで小学校(去川小)があった。木造の超レトロな造り。(廃校?)テント立てる許可をもらおうと人を探すがダレもいない。目立たないよう校舎の陰にテントを立てる。昨日も野宿だったので風呂に入っていない。流石に2日続けてカラダを洗っていないのは、物理的な衛生上および精神衛生上もよろしくない。・・・なので「しかたがない」と言い訳しつつ学校の水道で沐浴する。(今、人に見つかったら言い訳できんな)キャンプの準備していたらヘッドライトの電球が切れた。代わりに蝋燭ランタンを用意。手を滑らせてランタン落としてガラス部分が割れた。(無断で校庭で泊まることへの天罰か?)

 葡萄とワインとつまみで夕食にする。小学校の校庭に立てたテントの中で寝た。

走行距離 127.64km
累積走行距離 2425.97km


■■

■2000年8月22日(火):(宮崎県岡山町〜鹿児島県佐多町)

 小学校の校庭で迎える朝。耳栓をつけて寝てたためか熟睡できた(20:00〜5:30)。耳栓を外して、出走準備。自転車のチェックをすると前輪のタイヤがひび割れ始めていた。(この旅の間もつのか?) 去川小から7:40出走。山の中の国道10号をひたすら登る。峠のコンビニで朝食(\407-)。コンビニの店長の話ではこの先は下りとの事。

 食事を摂ってから出走。下り坂→フラットな市内道を快調に走る。自転車店にてライトの電球と反射板を購入(\600-)。反射板をサイドバックに取り付けた。昨晩ぐっすり眠れたためか体調がいい。街を離れたところで上半身裸になり日に当たりながら走る。「弥五郎の里」にて30分休憩。芝生でゴロ寝。ふと思いついて腕立て伏せと腹筋を試みる。が、30回くらいで潰れた。自転車に乗り続けていても、上半身の筋瞬発力は落ちている模様。

 都城市。国道10号から国道269号に差し掛かったところのマックにて昼食。チーズバーガー2個とシェイク(\283-)。店内に遊んでいる風な高校生の一団がいた。そして店内に俺のような異物がいると、なんとなく「何アレ光線(視線)」を受けている気分になり、落ち着かない。(いや、自意識過剰なだけだろうが)

 自衛隊基地(?)らしきところの近くを通過。時々、飛行機が爆音を立てて頭上を飛んでいた。直線道路の坂をアップダウンしながら走る。表示板に「佐多」の文字が出るようになり、南国風になってきた道を行く。そして鹿児島湾に到達。

フォト

【鹿児島湾に到達】

キャンプ場のある大根占町に泊まろうと思ったが、佐多岬までの距離を縮めておきたかったので、佐多町まで走ることにする。

フォト

【開聞岳に沈む夕日】

 夕日を見つつ海岸線を走り19:00に佐多に到着。寝床となる公園はなく仕方ないので、スーパー裏の駐車場にてキャンプ。近くに温泉に入れるところがあったのでそこを利用。(\300-)温泉内にて老人と定型会話。
 ビールやつまみ、缶詰を買い込んで(\1230-)、スーパーの裏へ移動、ここを今晩の寝床にする。一杯やりつつ、満天の星空の下、テントを立てずに虫にたかられながら寝た。

走行距離 131.48km
累積走行距離 2557.45km


■■

■2000年8月23日(水):(鹿児島県佐多町〜海上)

 午前1時に目を覚ました(・・・半端なアルコールのせいか)。その後、眠れず。携帯でネット見ながら過ごすうちに夜が明ける。
 6:40出走。九州最南端の佐多岬に向う県道68号線(鹿屋吾平佐多線)を走る。道はこれまで走った道の中でもかなりキツイ部類。「無駄ッ」気合いを入れる。途中で観光地入口にありがちのゲートが。自動車用の料金所だろうか?(←複線)ゲートには人もおらず、自転車の料金設定も無かった。ゲートをくぐり先に進む。

 道が半端でない厳しいアップダウンの繰り返し。とてもじゃないが自転車で走れると思えない道だ(←複線2)。上り坂では漕ぐのを諦めて、手押しで進む。遊覧船の発着所を抜けたあたりで、このような表記を見つけた。『この先、歩行者、自転車進めない』

 「は?」と思いつつ、しかし戻る訳にも行かないので進んでいくと、腹の突き出た初老の男性に「何で自転車で来ている?帰れ、帰れ」とハエでも払うかのような調子で邪険に追い払われた。どうやらゲートのところから自転車は通行禁止だったようだ。しかし、そんな事は表記されてなかったし、そもそもゲートのところに係員もいなかった。今更、帰れと言われても・・・どうしたものかと思っていたら、後ろから自転車乗りの男性が来た。その男性も「自転車で走ってはいけないとは気付かなかった」と発言。二人してどうしたものかと考える。

 で、自転車をその場に置いていき路線バスに乗って佐多岬へ向う事にした。バスの中で男性と会話。彼は関西の大学3回生で、沖縄一周してから九州に来たらしい。それぞれが走ってきた道の情報交換。彼曰く「沖縄はいいですよ」との事。この先、更に南下する事にした。

 路線バスで佐多岬に到着。

フォトフォト
【佐多岬@北緯31度線】

岬の記念品として「のぼり」などを購入(\367)。岬で少しブラブラした後、路線バスで来た道を戻った。途中で自転車を拾う。で、この道は自転車はダメとの事だったので、運転手に許可をもらいバスに乗せて行く。

フォト

【路線バスに自転車を載せて】

 路線バスのルートは国道269号線を北上するルートなので、以前走った道を通るところまではバスに乗って移動し、竹之崎にて下車(\1,670-)。荷物を自転車に積みなおす。実家に電話し、父に状況報告する。ふと道を見ると反対車線を見覚えのある3人組が走っている。声をかけるとやはり北海道、しまなみ街道で出会った3人組だった(これで3度目)。これから佐多岬に行くとの事だったので、ゲートの先は自動車専用道である事を伝えておいた。

 今からの目的地は鹿児島のフェリー乗り場。そこから沖縄行きのフェリーに乗る。沖縄行きのフェリーの時間が出るまでに到達しなければならない。久々のタイム制限のある走り。先ずは海岸線を北上。県道68号、国道220号を通り垂水まで走破。そこからフェリーで鴨池へ渡る(\520-)。鴨池港から鹿児島港まで走行。フェリーの時間に間に合った。(鹿児島発沖縄行きのフェリーは隔日運航なので乗りそこなうと2日潰れる)チケットを購入。2等船室+自転車で\12,070-也。

フォト

 そして出港。

 〜九州出港〜
 〜2000.8.23〜

 すし詰め状態の2等船室で向かいの中年男性が「ここは自分の縄張りだ」と言わんばかりの態度。居心地が悪そうだ(疲れる)。船のラウンジでビールを飲む。船室に戻り、はしゃぐ子供等の声やら、向かいのオッサンの蹴りを受けながら眠る。


走行距離 51km
累積走行距離 2608.45km


フォト

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