mixiユーザー(id:33475)

2015年09月15日22:11

444 view

【旅】自転車日本縦断記(6):近畿地方(2000年8月15日〜)

■2000年8月15日(火):(福井県福井市〜滋賀県大津市)

 4:00。目が覚める。目の前には昨夜のエロマンガ。テントから出る。まだ暗い。
公衆トイレの洗面所で、歯磨き・洗顔・ヒゲそり・日焼け止め塗り・膝に炎症抑えの軟膏・右膝にサポーター装備(動力システムのメンテ完了)。自転車をひっくり返しリアキャリアを外す。タイヤを外しチューブ交換。チェーン、ギアに給油(駆動系のメンテ完了)。その間、白猫が二匹こちらをジッと見ていて落ち着かなかった(餌になるものなんて持ってないしな)。
 5:00。日が昇る。出走準備。テントをたたみ、寝袋を丸める。荷を積んで公園を出る。国道に出る前にコンビニ朝食。おにぎり1ヶ、菓子パン、500mlパック茶(\283)。昨夜の酒瓶も一緒にゴミ箱へ。(エロ本は・・・)燃えるゴミに出した。

 R8に出る。まっすぐ線路沿いに南下していくストレート。街中なので信号は多いが、盆の為か早朝から走る車は少ないので、車道をスムーズに走れる。(快調ッ!) 武生市。R365との分岐。このままR8に進めば、163mの峠を越えて海沿いへ。R365はグネグネと等高線がのたうつ山道。500m級の峠が2つ待ち構えている。・・・R8を選択。(チキンと言いたきゃいえ。・・・って何に毒づいてるのか?俺は)
 R8・敦賀街道の上り坂を6km/h以下で進む。呼吸が乱れる。汗が吹き出しシャツを濡らす。動悸が「停まれ止まれ」とせかす。(負けるかよ。俺が、テメェ如きにッ) 峠越える。やや下りのトンネルに入る。と、急に体の力が抜けて気分が悪くなる。「貧血」の経験は無いがそんな感じ。(・・・ハンガーノック?朝食が足りなかったか?)

 5割ほどの出力で、崖の上を通り、やけに暗いトンネルが連続するR8を走行。走行距離がちっとも伸びない。ピットイン(休憩)。アイス、ジュース、お茶。(\301)(・・・って暑いからって燃料(カロリー)になるものじゃなく、体冷やす物にしてどうする、俺)
 左手に日本海を見ながら、走行。トンネル抜けて敦賀市街に入る。街中の信号に何度も足止めをされる。(足を止めたら休憩になる?漕ぎ始める時にこのクソ重い車体m=100kgをv=0m/sから72m/sまで加速させるエネルギーのロスを考えると・・・) R27との交差点を越えると信号は減るが、上り坂。傾斜は・・・キツイ。ペダルを漕いで廻すのではなく、踏み抜くようにして登る。(この乗り方で膝壊したような気がする) 分岐手前のコンビニで休憩。昼食。特性特製おにぎり(二回りはデカイ)、牛乳1リットル。(\432)
 休憩中、自転車乗ってきた男性と話す。「昨日、滋賀から福井まで行って来た。今日は帰る途中」との事。だから軽装なのか。彼はR8側に進み、彦根や長浜方面を見て回るそうだ。R8側は琵琶湖の東側。観光する場所が多数ある。R161側は西側。見所は特に無い。(これから西に向かう俺にとって「効率のよい」ルートは・・・)

 R161を進む。谷間を抜けるような道。体が本調子でないが、ここは気持ちよく走れた。自分の脚で進む事で流れる景色を見る。(俺にとっての「観光」はコレだろ?) 追坂峠通過。マキノ町に入る。(カタカナ表示なのは何故?) 琵琶湖畔を走る。水着姿の男女、家族連れが琵琶湖の砂浜に所狭しと大勢いた。テントやタープが砂浜に乱立、バーベキュー、いたるところにペットボトルや空き缶やゴミ袋が散乱。そして道路には隙間無く路上駐車。(ガソリン喰うワゴン車に荷物載せて金銭的にも必要ないのに「アウトドア」か。俺には理解できん。それに今日は盆だろ?墓参りとか・・・。いや、酒呑んで湖に入ってるんだ。ご先祖様に会うんだろ。あっちが来るのを待たずに、自分からあの世に行きになッ!)
 湖岸に沿う県道548号を走る。途中でコンビニ「セイコーマート」で休憩。(何故?北海道限定コンビニじゃなかったのか?) 休憩。ジュース(\147) 出走。突然べダルに強い抵抗が発生。何事かとみると、キャリアに付けていたカートのゴム紐が車軸に巻き込まれていた。紐のフックがギアに食い込んでいる。(なんてこった) 何重にも絡み付いていて外れない。荷物とリアキャリアを外し、自転車をひっくり返してリアタイヤ自体も外す。カートのフックは変形しているが、自転車のギアにはダメージは無い・・・と思う。リアタイヤ装着、自転車を起こし、キャリアと荷物を付ける。(・・・30分ロス)

 R161と県道333号(風車街道)の分岐に差し掛かる。湖畔を走る県道333号の方が景色はよいだろうが遠回りになる。どうせ10kmほどで合流するので、R161を選択。バイパスのような道で、登り多い。地形がそうならばともかく、道路だけがアップダウンしてるところを走るのは、疲れる。交通量も多い。(選択ミスか)
 県道と合流。交通量が更に多くなる。車道は幅寄せしてくる車に阻まれる。歩道は狭く段差が激しい。ガードレールがあるところは荷物が接触しそうになり、無いところでは歩道の狭さで車道に落ちそうになる。車道には俺をひき潰すには十分な重量を備えた、車内はクーラーの効いているだろう乗用車が並んでいる。(クソッたれがッ!)
 湖の水面に鳥居が出ている妙なモノを発見。(地名探索・・・白髭神社) 道路の対面には神社の建物本体らしきものも見える。ゆっくり見るには自転車を止めるところも無く、道路も混んでいるので即、出発。そんな中で路上駐車してる「家族連れ」もいたが。(視界ゼロの連中・・・)

 渋滞しているR161を南へ進む。対岸まで架かる橋(地名探索・・・琵琶湖大橋)と堅田温泉の前を通過。(疲れているが休むに時間が早い。寝床になりそうな場所も無いしな) 雄琴温泉・・・通過。(派手な建物と看板が多かったが・・・風俗街なのか?) 更に進む。比叡山坂本の辺りで疲労を覚える。(渋滞・・・車への警戒・・・歩道での段差・・・。)

 19:00。浜大津。国道沿いのデパートの立ち並ぶ様子を見て(コレは寝床にならないか)と思ったが、湖岸の公園に出て不安解消、寝床になりそうな公園だ。湖岸に面して南北に広い公園。トイレも芝生も多い(人通りも多いが)。 少し戻って24時間経営の大型食料店に行き夕食購入。(外資系のスーパーか?)バナナ1房、かまぼこ、焼き鳥。(\355)(疲労にはビタミンB群、タンパク質)
公園の通り(名称:プロムナード)で犬の散歩が多いのを見る。芝にフンが落ちてないのを確認して荷物を置く。シートを広げて夕食。(流石にここではテントは張れんな)
 ゴロ寝。地図見たり記録つけながら過ごす。小腹が空いたので、また食料店へ。キムチ、アイス、ビール購入、(\838)(金使いすぎ) 公園に戻り、さっきの残りのバナナも一緒に食べる。腹が張ってきた。(流石に食べ過ぎたか)

 ゴロ寝。通行人の目が気になるが疲れがあるので眠くなるだろう。・・・と、通行人から声を掛けられた。(物好きな・・・) 声掛けてきたのは、高そうなスーツに身を包んだ中年の男。スーツ姿の若い女性を連れている。(会社の重役と秘書か、・・・もしくは不倫の関係か) 「あの自転車に乗っているのか?」(定型会話スタート)ここまでの行程を話したところで、男から「どこの大学だ」と訊かれる。俺の通っていた関東の三流マイナー大学なんて滋賀県の人間が知るわけ無いだろうと思うが答える。「T・D大学」
 「私の出身大学だ」と中年男性から想定外の答え。「私も卒業間近に仲間と4泊くらいの自転車旅行したものだ」思いのほか会話が弾む。「いい思い出になるぞ」というのも、その辺のオッサンが言うなら胡散臭いだけだが、経験者が言うなら説得力がある。俺の状況(就職活動失敗→旅)を話した。

 中年男との会話が終る。去り際に連れの女性から「頑張ってね」と言われた。悪い気はしない。

 (こういう会話パターンあるとはな。しかし、あの三流大学の出身者が良い身なりして女性を連れる事が出来るとは。ってこんな事考えるあたり考えが荒んでいるな。・・・考えが荒むのは「一流企業」の内定を選んで、結局このザマになったからだろうか)
 寝る。

走行距離 139.10km
累積走行距離 1638.86km


■■

■2000年8月16日(水):(滋賀県大津市〜兵庫県神戸市 )

 7時過ぎまで寝ていた。疲れと満腹が原因だろう。公園内の芝生でテント作らず、寝袋で寝てた。・・・目を覚ました時に『散歩している近所の方々の視線に晒されてる自分』に気付く。(不審者指数120%)

 昨日の残り物を朝食にする。荷物まとめて9:30出走(さよなら琵琶湖。もう来る事は無いだろう)。国道161号線→国道1号線を走る。やはり車が多い。京都に差し掛かる。(京都・・・2年半前(1998年2月)に千葉から京都をチャリで走った時に観光したからいいか。つーか俺、中学も高校も修学旅行で京都だったし)京都、素通り。このまま1号線を走ろうかと思ったが、この先には大阪がある。(大阪・・・車の運転がスゲェ荒そうだなぁ←イメージ的に)大阪は迂回することにした。国道1号線→国道24号線→国道171号線を走る。

 山道を走るのもキツイが、街中を走るのもキツイ。激しい交通量。自転車のすぐ側を走る自動車やトラック。頻繁に信号で足止めされる度に、運動エネルギーがゼロに戻される。天気は晴れ。日光が俺にあたる。体から出る熱と日光のどっちが、この暑さの源なのか。高槻市、茨木市を通過。

 午後5時過ぎ、神戸港に到着。走った距離が短いワリに妙に疲れた。まだ明るいが今日はココまでにしておく。ボーっとしながら港を見ていると、カップルが「写真撮って下さい」と話し掛けてきた。(よくこの怪しい風体の俺に声かけられるなぁ) カップルの写真撮った後、俺の写真を撮ってもらった。

フォト

【あやしい風体の俺@神戸ポートアイランド】


 公園を見て回ると、ブルーシートとダンボールを駆使したホームレスさんのハウスがズラッと並んでいた。(阪神淡路大震災の影響もあるんだろうなぁ) ホームレスさんと一緒に寝るのは気が引けたので公園での野宿は諦めて、ビジネスホテルに泊まる事にした。(宿代¥4,200-) 宿に荷物を置いた後、近所のスーパーへ買出し。食料、酒、使い捨てカメラを購入。(計¥2,373-)

 せっかくの宿なのでクーラーをガンガンにかけ、酒を飲みながら寝た。(文明社会万歳)

走行距離 99.87km
累積走行距離 1738.73km


■■

■2000年8月17日(木):(兵庫県神戸市〜兵庫県相生市)

 起床。荷造り中に運転免許やクレジットカードを入れていたカード入れが無くなっている事に気付く。警察とカード会社に紛失届の連絡しておく。(住所が千葉県、無くしたと思われる場所が滋賀〜兵庫県。これは見つからないだろうな) 身分証明書が全く無いこの状態で、もしも事故ったら身元不明者になる。メモ帳に自分の名前・住所・電話番号を2枚メモする。1枚は財布の中に入れておいた。

 気を取り直して08:30出走。国道2号線を走る。都市部の道。車道を走れば車に煽られる。歩道を走れば歩行者に気を使う。歩道の段差にタイヤを取られる。フラストレーションが溜まる。1ケタ国道の2号線よりも250号線の方が交通量が少ないだろうと思いルートを変えてみたが、大差は無し。(クソッタレが)・・・と、姫路まで続くという自転車道路を発見。地獄にホトケかと思い、そっちを走る事にした。

 ・・・自転車道路とは名ばかりの道。鉄道の高架下を通っているのだが、1区間毎に車道と交差していて、横断歩道があり頻繁に足止めを食らう。車が通過するその度に、自転車を止めて運動エネルギーをゼロにされる。(自転車はこういう扱いなんだよな)疲労とストレスが溜まる。

 明石市。十何回目かの車道との交差。道を渡ろうとした時、左側から車が向ってくるのが見えたが、距離は遠い。(車が減速すればぶつからない距離だろう)。進む。もうすく車道を通過し終える頃に、後側に強い衝撃を受けた。自転車ごと前方に、前転するように飛ばされ、地面に叩きつけられた。(強い衝撃の為か意識が曖昧になる) 車のドライバーと同乗者が降りてきた。「大丈夫?」「怪我はない?」 前回り受身を取ったらしく、体にはダメージが無い。自転車のダメージは・・・後輪とリアキャリアが横からの衝撃で大きく歪んでいる。どうやら車と接触したのは自転車の後輪部分のようだ。後ろ左側に付けていたバックに入れていた鍋や食器は潰されていた。この自転車の状態では走行はムリだろう。ふと(これで旅を終えてもいいよな)と考えている自分に気付いた。(・・・ここで家に帰っても、何も無いのに。)

 近所の自転車屋を呼んでもらい、自転車の応急処置をしてもらう。後輪のリムの変形を修正してもらい、なんとか走れる程度にしてもらう。自転車屋曰く「ここ(明石)から姫路まで走るくらいは何とかなるが、これ以上は直せない。姫路に自転車修理の師匠がいるからソコに行って直してもらった方がいい。」との事。車のドライバーから自転車の修理代として2万円受け取った(人一人撥ねて2万円)。一応、連絡先を聞いておく(メンドイが、頭打ってるし念のため)。

 2時間ほどロスして再出走。後輪が歪んでいる為か、頭を打ったためかあまりスピードは出せない。ゆっくりと姫路市に向う。(…俺は何で走行中焦っているのか?急いだ所で何も無い。目的地も無い。急いで旅を終えて帰った所で、内定先も無く学校にも行く必要が無い身だ。何故、焦る必要がある?) 姫路市に到着。明石の自転車屋に聞いた自転車店「テラオ」へ向う。職人気質風の老人に対応してもらう。自転車のリアホイールを見ながら曰く「新品に交換するのが早いが、俺ならコレを直せる。戦時中にはモノが無かったから交換よりも修理の腕が必要だった」・・・スゲェ腕が立ちそうなので、新品交換ではなく修理を依頼した。(交換だと修理代が足出るし) 職人は手馴れた技でリアホイールのリムの歪みと、リアキャリアを修理してた。1時間ほどで完了。費用は\2,500也。(確かに材料費はかかってないが安すぎないか?) 結果的に修理費がかなり浮いた。ついでに壊れていたペダルを交換。(\2,750-)礼を言って自転車店を後にする。
フォト
自転車店『テラオ』

 姫路城に寄る事にした。これまで妙に焦って進んでいたが、その焦りには意味が無いと思ったので、少々の寄り道を良しとする。

フォト
【姫路城にて】

 時間と入場料を惜しんで城内の見学をせずに外観だけ見て済ます。まだ妙な焦りが残っているのかもしれない。

 国道2号線に戻り走行。相生市に入る。(・・・相生ってなんて読むんだ?「そうう?」※正しくは「あいおい」) PiPiPi・・・携帯に着信。昼間の事故の相手から着信。「お加減如何ですか?」(大丈夫です。)「今はどのあたりにいるんですか?」(えーと「そうう?」とか言う所) 「?」「?」 会話が通じませんでした。

 事故ったり色々あったので今日は相生市内で宿を取る事にした。市内で女性のチャリダーを(定型)会話して情報交換した後、ビジネスホテルに宿泊。(素泊まり\5,000-) 夕食は焼肉屋へ行き、カルビ・冷麺・シャーベットなどを注文。(\3,510-) こうやって店で食事をするのは久しぶりだ。

ビジネスホテルに戻った後、ゆっくりと風呂に入る。地図を見ながらゴロ寝しているうちに寝た(らしい)。

走行距離 97.25km
累積走行距離 1835.98km

フォト


■-----■

↑インデックスへ(http://open.mixi.jp/user/33475/diary/1945980744)
←前のページへ(http://open.mixi.jp/user/33475/diary/1946048742)
→次のページへ(http://open.mixi.jp/user/33475/diary/1946103647)
2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年09月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930