2015/9/6日 15:00 サントリーホール
指揮=シルヴァン・カンブルラン
独唱=エリン・ケイヴス(トリスタン)
レイチェル・ニコルズ(イゾルデ)
クラウディア・マーンケ(ブランゲーネ)
石野 繁生(クルヴェナル)
アッティラ・ユン(マルケ)
アンドレ・モルシュ(メロート)
男声合唱=新国立劇場合唱団 ほか
ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」(全3幕/演奏会形式・字幕付き)
オペラに関してはまだまだ初心者の私、これを生で聴くのはまだ2回目。(初回は2011年7月、新日フィル×アルミンクの演奏会形式でした。)いやー、素晴らしかったです。
読響って、たまたま今まであまり聴く機会がなかったのですが、さすが上手いと思いました。ワーグナーらしい重厚な音が出ていて、濃厚なメロドラマであるこの作品の味をよく出していたと思います。カンブルランの力もあるんでしょうね。
今回は、音楽にもだいぶ馴染みがあったためか、純粋に音楽を楽しむというより、この作品が持つ世界観に深く引き込まれました。ワーグナー作品は他もそうですが、本当にオケがストーリーを雄弁に語る。そのオケがとても気持ちよく、また歌手の皆さんのレベルも高かった。演奏会形式ではありましたが登場人物の気持ちが、歌唱とちょっとした演技からぐいぐい伝わってきました。イゾルデ役のニコルズ、最後までまったく声の張りがなくなることなく、むしろ最後はイっちゃってるイゾルデに完全に同化する熱演。ブラヴォーです。トリスタン役のケイヴス、声質とルックスはよかったんですが、途中でちょっと疲れちゃったかな。いやでもこのオペラ、トリスタンもイゾルデも本当に歌いっぱなしで大変ですよね。。。あと、マルケ王役のユン、素晴らしく堂々と気品のあるお声で素敵でした。石野さんの単純で忠実なクルヴェナルの役作り、大好き。ブランゲーネ役のマーンケもよかったです。ただこれは、2011年に聴いた藤村さんの印象が強くて、ちょっと比べちゃった。ごめんなさい。
演出がまったくないのにすっかりトリイゾの世界にはまってしまい、クルヴェナルが死んでしまうシーンから後は何だか涙が止まりませんでした。周囲からも鼻をすする音がしてたので、そういうお客さんは多かったんじゃないかな。
で、最後。余韻を楽しもうと思ってたのに、指揮者がまだ手を下げ切らないうちに、「ブラヴォー」の声。大ヒンシュクです。読響をよく聴きにくる人の話では、常習犯だとか。他のファンのためにも、楽団の方から注意をしてほしいな、と思ってしまいました。
最後ちょっとツチがついちゃいましたが、でも大満足の演奏会でした。もちろん、バイロイトで演奏されるものはこれとまったく違うんだろうけど、これはこれでいいよね。
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