――ということで、この記事では志の輔さんについて触れようと思います。
まず、立川志の輔を知らない人は、
とりあえず↓の中のどれかを聞いてみましょう。
ハナコ
https://www.youtube.com/watch?v=9A6ynprvUsc
はんどたおる
https://www.youtube.com/watch?v=qyj6YVXJsAo
ガラガラ
https://www.youtube.com/watch?v=0ly42IsEtrU
私はかなりの落語ファンでして、マニアと言っても差し支えないかもしれません。
どちらかというと奇を衒ったようなものではなく、オーソドックスな感じが好きでして、
他には古今亭志ん朝や三遊亭金馬あたりも気に入っています。
存命の方では志の輔さんが一番好きで、毎年近くの講演を見に行っています(´∨`)b
もはや点数など付けるまでもなくすべてが素晴らしいのですが、
一応紹介の意味も込めて、下に作品と一言コメントを添えておきます。
立川志の輔
オ 踊るファックス
[5] ファックスという現代機器を題材にしながらも、古典的展開を併せ持つ。
オチは何種類かあるようだが、どれもそこまでの流れだけで十二分に楽しめる。
カ ガラガラ
[5] よくある間違いが発端となるドタバタ劇。
キャラクターも完成度が高く、初心者にもおすすめの最高級の一席。
カ 歓喜の歌
[5] 落語の醍醐味である洒落と人情が合わさった作品。
流石は映画化もされただけのことはあり、ストーリーとしても素晴らしい。
キ 狂言長屋
[3] 狂言と落語のコラボレーションともいうべき一席。
ただしまだまだ発展途上であり、志の輔にとっても新境地であることも伺える。
コ 紺屋高尾
[5] 吉原を題材にした有名な古典。
私はこれで、いい印象がなかった志の輔演じる花魁のイメージが一変した。
コ 五貫裁き
[5] いわゆる大岡裁きの1つで、現代でも通じる小気味よい裁き方が魅力的な一席。
志の輔の十八番である大家と店子がメインなので、面白くないワケがない。
コ こぶとり爺さん
[5] 日本昔話はよくよく考えると不思議な話が多いが、それを題材にしたもの。
家族ぐるみで色々と意見を出し合うその構成を、もちろん1人で演じ分けている。
サ 三軒長屋
[2] 余り私がこの話を好きじゃないというのもあるのか、
それとも志の輔に合っていないのか…珍しく今一つだと感じた作品。
シ しじみ売り
[5] 古典だが、志の輔風味が多分に加味された一席。
締めを飾るにふさわしいものであり、私も一度は生で聞いてみたい。
シ 七福神
[4] 隠し芸のネタに困る人のところに、七福神が助っ人として訪れる。
どこか人間味のある面々が、一生懸命に教えようとしてくれる姿が楽しい。
シ 質屋暦
[5] 明治6年に施行された新しい暦に関しての滑稽噺。
実際にこういった混乱もあったんだろうなと思わせてくれる。
ス スマチュウ
[4] スマートフォンの虜になった現代社会を揶揄した噺。
…と言いながらも、結局は人にかかわる問題で終始するのだと納得する。
セ 先用後利
[3] 富山の薬売りを題材にした一席。
ややゴリ押し感と冗長感があるので、もう1つ、何らかのギミックがあるとよかった。
タ タイムトラブル
[3] 今なお実現していない人類の夢の1つタイムマシーンがもし完成したら、という話。
個人的には枕のリニアモーターカーの話題が印象に残った。
チ 忠臣ぐらっ
[3] 志の輔流にアレンジした、笑い要素一杯の忠臣蔵。
キャラクター性は抜群なのだが、もう1段階、何らかのひねりが欲しいところか。
テ ディアファミリー
[3] 平和な家庭に突然届いてしまったものとは…
いつもながらのドタバタコメディーであり、安定感はある。
ヌ 抜け雀
[5] 古今亭志ん朝が職人な精工品だとすれば、志の輔は我流の一流品。
どちらも素晴らしく、またどちらも歴史に残すべき一席。
ハ ハナコ
[5] 日本人の文化ならではの面白さを活かした一席。
情景が浮かび、展開が解っていても笑いがこみ上げてくる。
ハ はんどたおる
[5] 男女の性質の違いを描いた、とある日常の風景。
単なる「あるあるネタ」に収まらず、落語の流れや落とし方が汲まれているのは脱帽。
ヒ 百年目
[5] 大御所が演じる古典だが、志の輔流のアレンジがなされている。
おちゃらけながらも、最後はずっしりと聞かせてくれるところもいい。
ミ 身代わりポン太
[4] ご当地ネタが流行り出した頃に作られた一席。
単なる時事ネタに収まらず、あくまで志の輔風に味付けされたコンパクトな作品。
ミ みどりの窓口
[5] JRの受付窓口を担当する日常を描いた作品。
文句のつけようもない力作で、落とし方まで含めて完璧な流れ。
メ メルシーひな祭り
[5] 地域ぐるみでフランスからの来訪者を迎える設定。
滑稽さの中にも、田舎ならではの温かみを感じさせる良作。
モ モモリン
[4] ゆるキャラをテーマにした滑稽噺。
志の輔のおじさんキャラは聞いていて安定感がある。
ヤ 宿屋の仇討
[2] 古典であり、内容は可もなく不可もなくと言ったところ。
古典のオーソドックスな滑稽噺は、むしろ志の輔の手に余るのかもしれない。
ヤ 柳田格之進
[4] 志の輔の演じる柳田像はブレようもないが、周りの面子に少し感情移入しづらい。
まぁこれは多くの作品を見ているから出る厳しい意見であることは言うまでもない。
ヤ 山崎屋
[5] 古典だが、他の噺家だと何も感じなかったのに、志の輔が演じるとやたら面白い。
うまく自分の話として取り込み、じっくりと見せてくれる。
(五十音順、[n]は個人的な5段階評価)
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