さて先日「我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。」この部分がキモだ、と書きました。
実はこの一文には既に中国のマスコミは噛み付いております。やはり「してきました」という一文が過ぎ去った過去である、と言う印象を持たせる、と書いていますが、流石に漢字の国、安倍総理の隠した下心を読み取ったようです。しかし、この記事はどうも中国人にも納得されていないようで、ネット上では逆に非難されている、と言った記載があります。
「もう謝罪しているじゃないか？」
「痛切な反省と言うのはどう聴いても謝罪だろ？」
など、一般の受け取り方では談話は謝罪だ、とする考えが大勢なようです。安倍談話が巧みな点はこの「どうとでも取れる」と言う部分にこそあり、何でも否定する極左を除けば、ほぼ誰もが納得出来るギリギリを最後まで徹頭徹尾貫いた点にある、と言えるでしょう。
しかしそんな中、国連の潘基文国連事務総長は、「日本は過去の歴史に対する真の反省に基づいた真の和解と協力を通じてより良い未来に進まなければならない」と発言し、安倍談話の曖昧さを牽制する発言を行った。
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2015/08/13/0200000000AKR20150813004500072.HTML（韓国語記事です）
さすが、史上最悪の事務総長と言われるパン・ギムン。自国の為に他国を牽制するなどあってはならない立場でありながら、もうやることなすこと自国に偏りまくり。国連内部の人事も韓国人ばかり登用しているし、何度も自国に帰って日本から謝罪と賠償を引っ張る発言をしている。日本政府もこんなキチガイを事務総長に推薦しているのだから呆れたものだ。それだけ在日韓国人の内部侵食が進んでいる、と言う事でもあるが。
これは単にパンが次期韓国大統領の座を狙っているからに過ぎない。特に強力な対立相手もなく、順当に行けばまず間違いなくパンが次期大統領になるだろう。私個人としてはそれまでに韓国を締め付けて叩き潰す、と言うつもりで一切の協力を拒否すべき、と思っている。
話を戻そう。「インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み」 真っ先にインドネシア、フィリピンを挙げ、次に台湾を入れている。これは歴代総理が台湾を国家として認めて来なかった事と比べると、完全に真逆の姿勢だ。その下に韓国、中国、と中国を最後に入れている。アジア最大の大国のメンツは丸潰れだ。この引用順にはやはり中国の海洋進出を牽制した狙いも含んでいると言えるだろう。コレを見て「安倍総理の次なる手は台湾との国交回復ではないか？」と思った。奇しくもアメリカがキューバと国交回復をしたこともあるし、台湾との回復に異を唱える日本人がいるだろうか？
最後に韓国がどうしても譲れないであろう、慰安婦問題だがそれらしい記述は、「戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。」と「戦時下、多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。」の２箇所があります。
しかし「名誉と尊厳を傷付けられた」、からは慰安婦の連想は難しい。事実上無記述と言ってよい。これはむしろ欧米が行った集団戦場レイプのことを指摘しているようにも取れる。この２文のどちらにも「慰安婦｣の文字はなく、事実上無視した、と言ってもいい表現である。まあ我々の感覚で言えば慰安婦＝戦場売春婦であり、商売人に対して名誉と尊厳を傷付けた、と言うのは失礼だと考える。従ってこの程度に留めたのは大正解と言えるだろう。
「戦後、六百万人を超える引き揚げ者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。中国に置き去りにされた三千人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。」
この部分は詳しく知っているには少々気に入らないかも知れません。中国からの引揚者は無事な者ばかりでなく、大勢が殺され、女性は陵辱され、帰国してから堕胎手術をした人も多いのです。有名な虐殺としては『通化事件』があります。敗戦後、１９４６年に起こった満州通化市で中国共産党により３０００人もの日本人が虐殺された事件です。それ以外にも各地で虐殺や強奪、強姦が繰り返され、無事に帰国出来た者はかなり幸運と言えるでしょう。
今回の談話の主旨は「過去は過去、未来の為に成すべき事を宣誓する」といった狙いの談話なので、内容全体が暗部に触れていない点は評価したい。世界の大勢（おおぜい）は「今更７０年前の話を言った所で仕方がない」という意見ですので、私も今更原爆がどうとか通化事件がどうとかを盛り込む必要はなかったと思う。それこそ命を賭けて戦い散っていった先人に対する冒涜であるし、彼らが築いた現在の日本をしっかりと守り抜くことこそが我々に課せられた使命であると思います。
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