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2015年08月16日23:16

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彼等は安全な地下壕で桶狭間を夢みている

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〈今戦争を指導している狂人共は、どうせ行くとこまで行かなくては気がすまない。国民が何発原子爆弾を喰らおうと、彼等は安全な地下壕で桶狭間を夢みている〉
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14日の北海道新聞「卓上四季」より

小説家の大岡昇平が日本の敗戦を知ったのは、天皇の玉音放送ではなかったようだ。その5日前の1945年8月10日。フィリピンの捕虜収容所で、政府がポツダム宣言を受諾するとの噂を耳にした。

自伝的作品「八月十日」で、その時の心情に触れている。
〈明治の先人達の仕事を三代目が台無しにした。偉大、豪華、崇高等の形容詞と縁がなくなるだろう〉
涙に暮れながらも、なお、軍の一部が降伏を渋る現実に激しい憤りを見せた。

〈今戦争を指導している狂人共は、どうせ行くとこまで行かなくては気がすまない。国民が何発原子爆弾を喰らおうと、彼等は安全な地下壕で桶狭間を夢みている〉

戦国時代、織田信長が今川義元の大軍に勝利した戦になぞらえ、一発逆転を狙う軍部。
〈ひとえに自ら戦争犯罪人として処刑されたくないだけだろう〉とまで言い切った。

結局、最終決断が5日遅れたために本土への空襲が続いた。遠目に歴史を見ても、日本が降伏する時期はもっと前にあったはずだ。
早くしていれば、空襲被害も原爆投下もなかったというのは後知恵か。

戦争協力を拒んだ詩人の金子光晴は、長男を出征させないために雨の中に立たせて持病を悪化させた。
〈じぶん一人でもいい。踏みとどまろう。人間の良心をつぐ人間になろう〉(「詩人」)

戦争の足音が聞こえそうないま、必要なのは立ち止まって、引き返す勇気だろう。

終戦の日 靖国神社参拝は3閣僚
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3568211
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