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2015年08月06日22:18

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【文字起こし】2015.8.1ラジオ・フォーラム第134回「小出裕章ジャーナル」【原子力を推進するための学問は一切やめるべき】

>過失を立証するには、今回のような巨大津波が発生し、長時間の全電源喪失が起こり、重大で過酷な事故につながることについて、勝俣会長らが事前に、ある程度具体的に予測できたこと(予見可能性)を証明しなければならない。

これだけネタが挙がってますが、何か?
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ついでにこれも読むといいウッシッシ
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添田孝史「原発と大津波 警告を葬った人々」(岩波書店)
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1411/sin_k799.html



ラジオ・フォーラム第134回
http://www.rafjp.org/program-archive/134-3/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/

8月29日、小出さんの講演会が札幌で行われます!
そしてこの日は小出さんの誕生日ですバースデー
http://www7b.biglobe.ne.jp/~keijiban/150829koede.html
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【内容文字起こし】

パーソナリティ:石丸次郎(ジャーナリスト)

石丸:小出さん?

小出:はい。

石丸:今日も、よろしくお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

石丸:今日はですね、「どうなる?原子力の人材育成」というテーマで小出さんにお話をお聞きしたいと思います。

小出:はい。

石丸:えー、文部科学省が昨年出しました、「原子力人材育成に関する取り組み」という文章があります。

小出:はい。

石丸:これを見ますとちょっと私驚いたんですが、今から30年前の1984年の、大学の原子力関連の学科の数が、10学科・定員440人。大学院は11専攻・定員210人あったのが、20年後の2004年には、大学はなんと1学科・定員60人。大学院は4専攻・定員100人に減ってしまっていたということなんですが、

小出:はい。

石丸:これはもちろん福島第一原発の事故の起こる前ですけれども、この・・・84年から2004年の20年間に何故これだけ、あの・・・原子力関連の大学の学科、専攻が減ってしまったんでしょうか?

小出:原子力に関する夢がすっかり覚めてしまった、のです。えー、私が原子力に夢をかけて大学に入ったのは、1968年でした。

石丸:はい。

小出:そのころは、日本中というか、世界中が、原子力に夢をかけていた時代でした。

石丸:はい。

小出:で・・・私は東北大学工学部原子核工学科というところに行ったのですが、当時、日本の中に昔、大日本帝国というという時代に、帝国大学というのが7つあったのですが、その旧帝国大学7つ。北海道・東北・東京・名古屋・京都・大阪・九州という、その7つの帝国大学には全て、原子力工学科あるいは原子核工学科というのがあって、当時の花形学科でした。

石丸:ええ。

小出:ただし、それ以降、原子力というのが、当時言われていたように、夢のエネルギーではない。危険も抱えている。生み出すゴミも始末ができないということがだんだんだんだん分かってきてしまいまして、原子力の夢がどんどん醒めていってしまったのです。で、1979年には米国スリーマイル島・・・という原子力発電所で大きな事故があったりして、もう原子力に未来がないということが、大学で工学を専攻しようとする学生にはもう、ほとんどみんな分かってしまったのです。

石丸:ああ、そうだったんですか。

小出:はい。それで、工学部の中で、最低の学生ももう「原子力」というと来てくれないということになりまして、今では7つの帝国大学から全て、原子力工学科も原子核工学科も消えてしまったということになりました。

石丸:はい。それで2014年、先ほどご紹介しました、文部科学省の、「原子力人材育成に関する取り組み」。やはり危機感を覚えたのでしょう。文部科学省としては増やすという方向で、2014年には3大学に、学科を定員100人で増やす。大学院を、9専攻210人に増やすと、

小出:はい(笑)。

石丸:いうことになっております。これは、文部科学省の狙いっていうのはどこにあるんでしょうか?

小出:要するにこのままでは原子力が潰れてしまう。何としても、日本は原子力をこれからも進めようとしているわけですから、まだまだ原子力に夢があるんだぞということを、まあ・・・日本の国としては、言い続けなければいけない。

石丸:言い続けなければいけない。

小出:そのためには大学の学生も維持しなければいけない、ということで、まあ文部科学省がお金をばら撒いて、何とか維持しようとしているのです。

石丸:なるほど。小出さんがお考えになる、原子力の人材。一番必要なのはどういう分野だと?

小出:はい。もともとその・・・日本で原子力が華々しく打ち出されていたときには、要するに原子力発電を進める技術者・科学者を養成しようとしました。

石丸:はい。

小出:例えば原子炉物理学であるとか、原子炉工学であるとか、え・・・核燃料工学であるとか、とにかく原子力を推進するための、学問をどんどん進めようとしたのですが、私はもうそんな学問は一切やめるべきだと思っています。

石丸:一切やめる。

小出:はい。原子力がここまで、巨大な危険を抱えているということが分かったわけですから、一刻も早く原子力から足を洗うという方向に学問も向かわなければいけませんので、原子力を進めるための学問は、もうやめるべきだと思います。

石丸:はい。

小出:ただし福島の、原子力発電所。何とかその収束させて、廃炉ということに持っていかなければいけないわけですし、福島以外の原子力発電所も、膨大な放射能の塊になってしまっていますので、それを何とか廃炉にしなければいけない。そしてこれまでに生み出してしまった核分裂生成物などの核のゴミ。それも何とかしなければいけないという課題が残っていますので、

石丸:大きな大きな課題ですよね。

小出:はい。そういうことに関してはとにかく専門家を養成しなければいけない。そういう学問をこれからもきちんと残さなければいけないと私は思います。

石丸:うーん。原子力を進める分野の研究と、それから、まあ後始末ですね。廃炉や核のゴミの処理をやるという、まあ分野というのは、やはり、研究機関の中でも、大分あの・・・違う分野、違う研究職・・・

小出:全く違います。

石丸:ああ、そうですか。

小出:はい。いわゆる原子炉というものを、まあ設計して、動かしてという、そういう分野の学問と、生み出してきてしまった核のゴミの始末という・・・ことに関する学問は(強調して)全く違う学問です。

石丸:ああ・・・そうですか。

小出:はい。

石丸:じゃあ、今からやはり求められるのは、無くすための研究者、無くすための勉強をするための、学科の設置、大学院の設置ということなんでしょうか?

小出:はい。私はそう思いますし、核化学の知識であるとか、まあ放射線を測定するという、そういうような、まあ・・・これまでもやってきた基礎的な学問研究、それをきちっと残して、組み合わせて、核のゴミの始末に役立てるような学問を、これから作っていかなければいけないということです。

石丸:それを、文部科学省、まあ言わば政府が、方針としてきちっと打ち出さなきゃいけないわけですね?

小出:本当はそうなのですが、残念ながら今の自民党政府は、これからも原子力をどんどんやるというようなことを言っているわけで、核のゴミの後始末よりはむしろ、まだまだ原子力を続けたいんだという、そんな姿勢になってしまっているのです。

石丸:なるほど。・・・この人材の育成。原子力の人材の育成、これは必要なんですけれどもそれは、原発の廃炉や核のゴミを、どうしていくのかっていう研究にやっぱり特化させて、そのための人材を育成していく必要があるということですね。

小出:はい。そう思います。

石丸:はい。小出さん、今日はどうもありがとうございました。

小出:こちらこそありがとうございました。

【文字起こし終了】

(※新聞記事は全て8月1日付東京新聞)


■原発事故で東電元会長ら強制起訴 だが本当に法廷で真相解明できるのか?
(Business Journal - 08月06日 06:10)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=175&from=diary&id=3552726
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