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2015年08月03日14:47

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竹内浩三の作品、「五月のように」を読む

竹内浩三の作品、「五月のように」という詩を季節は巡り、戦後70年の今年の夏に少し大きめの声で読みたいと思います。


五月のように

竹内浩三


なんのために
ともかく 生きている
ともかく

どう生きるべきか
それは どえらい問題だ
それを一生考え 考えぬいてもはじまらん
考えれば 考えるほど理屈が多くなりこまる

こまる前に 次のことばを知ると得とくだ
歓喜して生きよ ヴィヴェ・ジョアイユウ

理屈を言う前に ヴィヴェ・ジョアイユウ
信ずることは めでたい
真を知りたければ信ぜよ
そこに真はいつでもある

弱い人よ
ボクも人一倍弱い
信を忘れ
そしてかなしくなる

信を忘れると
自分が空中にうき上がって
きわめてかなしい
信じよう
わけなしに信じよう
わるいことをすると
自分が一番かなしくなる
だから
誰でもいいことをしたがっている
でも 弱いので
ああ 弱いので
ついつい わるいことをしてしまう
すると たまらない
まったくたまらない

自分がかわいそうになって
えんえんと泣いてみるが
それもうそのような気がして
あゝ 神さん
ひとを信じよう
ひとを愛しよう
そしていいことをうんとしよう

青空のように
五月のように
みんなが
みんなで
愉快に生きよう


竹内 浩三の作品はインターネットの電子図書館 青空文庫で読むことが出来ます。http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person1675.html

竹内 浩三(たけうちこうぞう)の経歴 1921年(大正10年)5月12日三重県宇治山田市(現在の伊勢市)吹上町に生まれた。宇治山田中学校在学中より友人と回覧雑誌を製作。1940年(昭和15年)日本大学専門部映画科入学。1942年、宇治山田中学校時代の友人中井利亮・野村一雄・土屋陽一と同人誌『伊勢文学』を創刊。同年、日本大学を卒業、入営。1945年4月9日、フィリピンにて戦死(厳密には生死不明)。

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