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2015年08月01日15:03

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戦場における暴力の真の恐ろしさ。

元・自衛官の泥憲和さんが、複数のイスラエル兵が一人の民間人に対して暴力を振るっている動画を指して語っている言葉が、とても印象的だったので以下にシェアします。

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動画は、占領下ではありふれた光景の一つだ。
アラブ圏のYOUTUBEにはもっとひどい動画がありふれている。 
思うことがふたつ。

1.圧倒的な暴力を手にした時、人は強者としてふるまい、そして傷つく

 自衛隊は「戦ってはならない、死んではならない」と厳命されてイラクに向かった。
自衛官は身を守るための戦い方を訓練されたが、幸いにも暴力を発動することなく帰国できた。「戦うな」という命令のおかげだった。

 安倍内閣は戦うために自衛隊を海外に出そうとしている。危険な戦場だがリスクが高まらないよう、安全を確保すると請け負っている。戦場で安全を図るには、敵を圧倒する暴力性を保持するしかない。敵や敵のシンパである住民に対して、反抗しても無駄だと無慈悲に思い知らせるのが最も効果的だ。
 少しの反抗さえ許さないように、徹底的な支配力を見せつけなければならない。当然ながら、そこには道理も何もない(もともと占領に道理があるはずない)。理不尽な暴力だけがある。

  暴力をふるう側は、良心の呵責をあまり感じない。圧倒的多数の敵に自分たちが包囲されており、危険にさらされているからそうせざるを得ないと信じ込んでいるからだ。
気を許せばなぶり殺しにあうという恐怖を抱いているのだ。占領者が、あたかも自分が被害者であるかのような倒錯に陥っているのだ。
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 この錯覚はいずれなくなるときが来る。 帰国して恐怖から解放された時、目覚めるのだ。本当の力関係に。
人類は高度な共感能力をもつ種である。そして、少なくとも近代民主主義社会においては、その能力が善であると教えられる。そうしなければ高度に組織された社会を維持できないからだ。その教えはもともとの本能と合致しているので、個人的倫理観として深く人格に刻み込まれる。

 戦場ではその倫理観が通用しない。しかし抑え込んでいた正義感や生命尊重という倫理観はいつか目覚めて暴れ始める。昨日まで無慈悲な支配者としてふるまった自分を許せなくなる。そして、止めようのない罪悪感にさいなまれる。
 多くの兵士が、こうして人格を崩壊させていく。圧倒的な暴力をもつこと、それは、少なくとも普通の感性の人間を、内部から破壊することをも意味する。自衛隊も例外ではないだろう。


2.圧倒的な暴力で支配し、支配されることで生まれる関係性について
 
 圧倒的な暴力の前に人間は非力だ。這いつくばらねば生きていけない。
 私たちがそういった目に遭わないで暮らせるのは、日本が主権国家として一応は存立しているからだ。くそみたいな政府でも、ないよりはましなのだ。
 むろん、もっと良い政府が統治することの方が望ましいのはいうまでもない。 9条を守り、戦うことを拒否し、侵略されれば甘んじて死を受け入れるという人がいる。個人的かつ自殺的な信念に全国民を従わそうというのは、1億総玉砕を唱えた帝国陸軍みたいな発想だなと私は思うが、いまは深入りしない。
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 それはともかく、あっさり死ぬなら簡単かもしれないが、そうはいかない。人は生きてゆかねばならないのだ。子どもなど大切なものを守るために生きるしかないのだ。が、そうするには犬のように生きるしかないのが占領下の人民である。少しのプライドでも示そうものなら、反抗的であるとしてたたきのめされ、親や子の目の前で打ち据えられ、這いつくばって許しを請うまで痛めつけられる。時には見せしめのために虫けらのように殺されもする。

 そんな目に遭いたくなければ、国家主権を守るしかない。もちろん、善隣友好関係を保つのが最良の方策なのだが、武力を最後の担保として持たなければ善隣友好の対等な交渉さえ出来ないのが、残念なことに現状の国際社会なのだ。

 「あんな国でも他民族に支配されるよりはましなんです」在日韓国人の友人と北朝鮮の金王朝について話していた時に、彼が述べた言葉だ。その言葉をふと思い出した。
そう考える人が隣国には結構たくさんいると聞く。北朝鮮の体制を肯定できるはずもないが、その気持ちは理解できなくもない。
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 金正恩の現体制が大日本帝国支配下よりもよい統治なのか、それは知らない。一つ言えるのは、38年間の日帝支配によって打ち砕かれた民族的プライドを修復するには70年でもまだ足りないということだ。支配される側の憎悪は、底知れないものがある。

 そういった憎悪によって、圧倒的な武力でさえも通用しなくなっているのが、いまのアラブ世界だ。関係修復などおぼつかない、いまや欧米でさえ逃げ出すことに決めた、憎悪の渦巻くそんな地域に、これからわざわざ飛び込んでいこうという。 愚か者しか考えつかないことを、安倍政権は実行しようとしている。
 絶対に食い止めなくてはならないと強く思う。 
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