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2015年07月30日15:36

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若者の老後施策

■【2025年問題】増える高齢者、不足する介護人材。実際どれくらい深刻?
(介護のほんねニュース - 07月30日 11:30)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=229&from=diary&id=3541494

この記事の多くは、「受け売り」と「誤解」から出来ています。

まず、2025年前後から不足する介護士数は、抜本的な改善が成されなければ、100万人単位で不足します。
今回厚労省が出した不足数というのは、単に都道府県が上げてきた根拠の薄い「見積もり」に過ぎません。
しかも、厚労省は今後10年間で約40万人の介護士を増員(現状よりも増やす)するという見通しを出しています。
2013年現在の統計では、約171万人の介護職がいるとされています。
本当に現状数を維持して、さらに40万人を増やせると考えているのでしょうか?
現実問題としては、求人を出しても応募はほとんどありませんし、離職者は増える一方です。
つまり、現状の171万人体制の維持すら困難なのです。
さらに、ここで何度も書き込んでいることですが、171万人の内訳として相当数が、中高年介護者で占められていることがあります。
2025年までには、これらの人たちが離職(退職)すると考えられており、その数だけでも40万人から50万人に達すると見積もられています。
もし、何らかの抜本的な改善策が実施されたとして、40万人が新たに雇用出来たとしても、それは中高年離職者の「補充」と相殺されるだけなのです。

介護保険施行の前後の時代には、介護職は社会貢献をする職業として一定の評価を得ていました。
そのため、介護福祉士養成校の開校や大学、高校の中に介護職を目指す学部や学科が設置されました。
この時期に、介護職従事者数が一気に倍増しました。
さらに当時は、バブル崩壊後の不良債権問題で証券会社や銀行までもが破綻する大不況の時代でした。
こうした時代に確実に収入を得る保証がある公的保険事業に人気が集中したという追い風もありました。
ところが、その後介護保険報酬が改正される毎に報酬切り下げが行われ、その一方世間の景気も持ち直して来る中で3年間は据え置きとなる介護報酬では給料への反映もタイムリーではないため、格差が開いて行ったのが現在の姿です。

ネガティブキャンペーンが続く中で介護職は3K、4Kの典型的な職種として若者から忌避されるようになりました。
養成校は廃校するところが増加していますし、大学等の介護系学部も学生数が減少しています。
少子化の影響もありますが、こうした養成機関では社会人学生で保っていたところも大きかったので、純粋に志望者が減少している証拠だと言えます。
こうした時代に、現状の介護職体制を維持し、さらに40万人を増員するためには「そこまでするのか?」というぐらいの改革が行われなければ不可能だと断言出来ます。

また、215万人は、厚労省が集められる限界と言っている数字であって、本当に必要なのは、253万人です。
実際、あと10年で増やさなければならない介護者数というのは、現状体制から離職する中高年介護者40万人を加えて、118万人が最低数なのです。
現代日本で、これから10年間で百万人もの雇用を増やせる職種があるでしょうか?
厚労省は、すでに2025年に向けて介護保険支出を抑制することを「公言」しています。
これは、介護サービス業界が成長産業ではなく、縮退産業になることを公的に保障したのと同じ事なのです。

恐らくこのままでは、現状から中高年介護者が離職した後の130万人体制を上限として、100万人体制あたりまで縮小するリスクが高いと考えています。
必要数に対して150万人不足する、ということです。
こうした見通しに対して、じゃあ移民で補え、とかロボットで代替しろ、という人たちがいますが、2025年まではすでに9年半しか時間が残されていないのです。
150万人をすべて移民で補うとすれば、9年間で毎年16万人以上を受け入れなければなりません。
しかも、介護職としての知識や技能、日本語の習得、配属先の地方の風俗習慣等を教え込むためには1年以上の教育を必要とします。
それらを考えると必要な時間は半分になり、毎年30万人もの移民を受入て教育を行うことになります。
現在ではそんな教育機関も指導員もいませんので、そうしたものを準備するための時間も必要です。
つまり、時間切れ、なのです。
ロボットについても開発は進んでいますが、その開発費、設置費用を誰が負担するのかについて未定です。
また、オーダーメイドに近い生産になるので、設置費用は相当な高額になることが予測されます。

地方については、高齢者の実数が減少に転じますが、若年者の減少率の方が大きいため高齢率が高い水準に維持されます。
総人口が少ないだけに、介護負担能力は限られてきます。
当然、高齢者数が減少することに合わせて、施設やサービスも減らされているので、受入余力があるわけではありません。

そして、最後に厚労省が、「施設から在宅へ」というスローガンを掲げて、住み慣れた地域で永く暮らすことが出来る環境を作るために、介護保険を改正する、と言っているのです。
「介護移住」と言えば、何となく格好がついているように見えますが、その実態は「21世紀の姥捨て」だということなのです。
そして、その対象者は、現在の20歳台、30歳台なのだということをしっかりと認識して高齢者施策を考えて欲しいのです。
今から行う高齢者施策は、現在の高齢者を対象とするものではなく、現在の若者の未来を対象としているのです。

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