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2015年07月20日21:54

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【文字起こし】2015.7.18ラジオ・フォーラム第132回「小出裕章ジャーナル」【ベントというのは、格納容器の中のガスをわざわざ放射能ごと外に捨てるということ】

基本的に安倍ぴょんというのは岸信介の怨念で生きているので、戦争法案の成立には躍起になりますけど、新国立競技場とか、さして興味のないものはあっさり投げ出しますよね(むしろ執着してるのは森喜朗の方)。

そういう意味で言えば、原発の再稼動も彼にとっては優先順位が低いのでしょう。月刊エネルギーフォーラムの覆面座談会の面々も、前面に立って原発再稼動を推し進めない安倍ぴょんにイライラしてるようですしウッシッシ



ラジオ・フォーラム第132回
http://www.rafjp.org/program-archive/132-3/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/

【内容文字起こし】

パーソナリティ:今西憲之(ジャーナリスト)

今西:えー今日も小出さんと電話が繋がっております。小出さん宜しゅうお願いいたします。

小出:こちらこそよろしくお願いします。

今西:えー2011年3月のですね、まあ東京電力福島第一原発の事故でですね、2号機ですね、外形的には大きな爆発はなかったんですが、非常に危機的な状況になりました。格納容器の圧力を下げるベントですね、いわゆる中の空気を外に逃がす排気・・・なんですけれども、上手くいってなかった可能性があるということでですね、5月20日に東京電力はですね、配管の放射線量からですね、ベントは上手くいってなかったんじゃないかということについて、ようやく認めました。

小出:はい。

今西:小出さんですね、この辺お伺いしたいのですが、まず格納容器内の圧力を下げるベントという作業についてはですね、どういうものなんでしょうか?

小出:原子炉の中心部分、炉心というのは、原子炉圧力容器と私たちが呼ぶ、鋼鉄製の圧力釜の中に収められています。そして基本的には、原子炉が動いて生み出される放射性物質は、原子炉圧力容器を含めた、一次系と呼ばれているところに閉じ込めると、原子力を推進してきた人たちは言っていた、のです。でもまあ、何かあった時には、放射能が漏れてきても、それを原子炉格納容器という、放射能を閉じ込めるための特殊な容器で閉じ込めるから、放射性物質は絶対に外に出てこないと、いうのが彼らの主張でした。

今西:はい。

小出:しかし、原子力発電所を動かしてくる経験の中で、米国のスリーマイル島の事故が1979年に起きてしまいました。そして、場合によっては格納容器も、壊れてしまう可能性があるということに、え・・・気付いたと言うかやはり否定できなくなってしまったのです。そして、本来は、放射能を閉じ込めるための格納容器ですから、格納容器の中から、ガスを外に漏らすなんていうそのこと自身を、もともと想定していなかったわけですけれども、格納容器が大破壊をしてしまったらやはり困るので、え・・・、事故がどんどん進んでいって、大きく壊れてしまいそうな時には、ベントという、まあバルブを開いて、中の放射性物質を含んだガスを意図的に外に出そうと、いうようなことを彼らはやり始めたのです。ですから何か、ベントが成功すれば良いというふうに皆さん思われているかもしれませんが、ベントというのは、もともと放射能を閉じ込めるために設計された格納容器の中のガスを、わざわざ放射能ごと外に捨てるということですので、そのこと自身が大変、まあ住民にとっては危険を加えるものなわけですし、原子力発電というのが、そういう機械なんだということを象徴する、装置でもあります。

今西:はい。まあ非常に緊急避難的なですね、措置であったということなんですけれどもですね、ベントはですね。福島第一原発の事故でですね、この2号機ですね、どのような状態になっているのでしょうか?

小出:はい。えー・・・1号機も2号機も3号機も、結局最後には原子炉が溶けてしまったのですけれども、2号機の場合には、3月14日の夕方から、原子炉格納容器の圧力がどんどんどんどん、上がってきてしまいました。格納容器というのも、ある一定の圧力までしか、耐えることができないという、まあそういう構造物なわけで、耐えることができる圧力を超えて、中の圧力が上がってしまうと、格納容器が自動的に壊れてしまうわけです。そんなになったら困るということで、先ほど聞いていただきましたように、もう意図的に、放射能を含んだ格納容器内のガスを、外に捨てようという、ベントということをやらざるを得ないという、そういう決断を東京電力が下したのです。そして、そのベントという作業をやろうとして、まあ様々な試みを行ったのですけれども、どうもそのベントの作業が上手くいかずに、大量の放射性物質が外に出てきてしまったのではないかと、ずーっと考えられてきました。今回、5月の20日に、その検証の結果というのが、東京電力の方から報告されまして、やはり、2号機の場合には、ベントができなかったという、そういう報告になりました。

今西:まあ事故から4年経ってですね、ようやくですね、ベントは失敗していたのではないかということになったんですけれども、東京電力はですね、どんな検証をしていたのでしょうか?

小出:はい。ベントという作業は、まあ特殊な配管を使うわけですが、その配管にバルブが付いています。そしてそのバルブを開いて、格納容器の中にある放射能で汚れたガスを、外に出すわけですけれども、バルブを間違えて開いてしまった場合に、外に出てしまうという、そういう可能性もあるわけで、それをまあ防止しようということで、バルブを開いた先に、ラプチャーディスクという、まあ破裂板というような、薄い金属の板が挟んであったのです。そして誤操作して、特別放出しなくてもいいような時には、そのラプチャーディスクが破れることもなく、放射能を格納容器の中に閉じ込め続けるという、そういう考え方でした。でも今回の場合には、意図的にとにかくバルブを開いて、高圧になっている格納容器内のガスを外に捨てようとしたわけですから、自動的にラプチャーディスクと呼んでいる金属の板も、破れなければいけなかったのです。え・・・でも、どうもそうではなかったということで、東京電力が調べまして、ラプチャーディスクが設置してあった周辺の配管の、放射線量を測りまして、その周辺が、線量が低い。つまり、放射性物質がそこまで到達していないという、そういう結論になって、結局、ベントはできなかったんだという、そういう報告になったのです。

今西:それでですね、まあベントがですね、失敗したということなんですけれども、まあ2号機においてはですね、原子炉の格納容器がですね、大破してしまうというですね、最悪の事態も想定されていたようなところも当時あったのですが、どのような被害が出ていたのでしょうか?

小出:格納容器が耐えられる限度の圧力もあるわけですから、どうしようもなく格納容器が壊れてしまう。そうなればもう後は打つ手がなく、内部の放射性物質が外に出てきてしまうという、そういうことになったわけです。実際にそれにかなり近い形になって、2号機の場合には、1号機3号機に比べてもはるかに大量の放射性物質を、環境に撒き散らしてしまうということになりました。でも、格納容器の破壊された場所というものが、まだきちんと解明されていないのですが、破壊された場所によっては、もっともっと大量の放射性物質が環境に放出されるという、そういうことも有り得たと思います。

今西:今回ですね、まあベントの失敗というものがようやく分かったわけなんですが、まあ福島第一原発の事故でですね、まだまだ解明されてないですね、謎がたくさんあるように思うのですけれども。

小出:はい。もう、山ほどあります。東京電力が、「未確認・未解明事故」というものを、え・・・列挙して、今その、調査・検討ということをやっているわけですけれども、東京電力が挙げた未確認・未解明事故だけでも52件もあります。今回報告されたのはそのうちのたった4件でして、これからもまだまだ解明しなければいけないことが残っていますし、最終的な解明というのは、何十年も先にならなければできないだろうと思います。

今西:なるほど。この未解明のですね、部分だけで52件ということで、これだけ見てもですね、本当に深刻な事故だなあということが伺えます。小出さんありがとうございました。

小出:はい。ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■新国立撤回でも内閣不支持拡大 世論の逆風、政権危機感
(朝日新聞デジタル - 07月20日 08:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3524935
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