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2015年07月13日23:57

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21世紀版「ベルサイユ条約」

■ギリシャ支援に原則合意 EU側、改革の法制化が条件
(朝日新聞デジタル - 07月13日 17:48)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3514239


物事には「功利主義的解釈」つまり損得勘定と、「倫理的解釈」の二側面の見方があると思う。


両者は互いにしばしば対立する。だけど、今回の問題では、どちらも口をそろえてこういうだろう
「ドイツが悪い」
「今回の合意は21世紀版ベルサイユ体制だ」と


ギリシャは今年まで、ジャイアンたるドイツの言われるがままに、忠実に緊縮財政を実行してきた。
その結果、GDPは危機前の25%に縮小した。

25%とはとんでもない。
日本や中国の高度成長期ですら14%前後の成長だったし、
しかもマイナスの場合、1〜-3%が関の山。25%とは、世界恐慌時にもあったかどうか、
という水準だ。


しかしキモはここだ。
「GDPが25%に縮小したから危機」なのではなく「危機になってから25%縮小した」



ジャイアンたるドイツはこう考えた
「ギリシャが放漫財政だから危機になった。だから緊縮して、財政を健全化させることで、危機は収束する。そういう体制が整っているのなら資金供給をする」


しかし実際はこうだ。

「ギリシャは特に放漫財政でもなかった。ユーロという理論的にめちゃめちゃなシステムをドイツがゴリ押しして進め、それによってギリシャが崩壊した。
なのにドイツは資金供給をしないから、危機は長引き、むしろ悪化している。」




緊縮によってGDPが25%縮小したなら、税収もほぼ同率で縮小していることが想像できる。


日本の例を観よう。
大量の国債増発を行ったが、短期的には税収が増え、2013年の国債増発分は回収できたはずだ。



緊縮の強要は、ドイツにとって、貸した金を返してくれないというリスクになる。これはドイツにとって損だ。

そして、今回の危機は、あらゆる経済学者の批判を無視し、ユーロという歪な仕組みをゴリ押しし、自分はユーロ安で果実をむさぼり、被害者たるギリシャを加害者のように責める。


明らかに非は自分にあるのに、被害者を責めるドイツの姿は、まるでたちの悪いレイプ犯のようだ。




損得勘定からして、ドイツは天に唾を吐いているし、
倫理的側面からして、明らかにドイツは天に唾を吐いている。








「戦争」や平和に関する価値観が明らかに異なった時代、
たまたま戦争に負けたドイツをいじめた欧州諸国はその後、第二次世界大戦というしっぺ返しを食らった。


このドイツをいじめる条約が「ベルサイユ条約」というやつだが、


この時公明な経済学者、J.Mケインズは、「ドイツをここまで苛めれば、反英国感情が高まり、いつかまた、悲惨な戦争に陥るだろう」とこの条約を批判した。


そしてそれは20年後、現実のものとなる。




不条理な理由で、不条理な賠償をさせられる屈辱と、その後の過ちをドイツ人は知っているはずなのに、今ドイツがやっていることは、まさに1919年に英国諸国がドイツにやっていたこと同じだ。



ドイツはもともと大きな国だったから一人の独裁者によって超大国となり、第二次世界大戦を引き起こした。


ギリシャは小国で、軍事的にも弱小の国だが、その後姿をロシアと中国が虎視眈々と狙っていることに留意すべきである。


そうしたことに、かのケインズには遠く及ばずとも、トマ・ピケティ氏やポールクルーグマン氏など、やはり、それなりに権威のある経済学者が発言している。



今やるべきは、ドイツによる「無条件」の資金援助によってギリシャに少なくとも4%以上の経済成長を実現すること。もしくはインフレを起こすこと。



歪な共通通貨制度を導入した責任として、ドイツはそれを行うべきである。
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