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2015年06月23日00:14

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シンデレラのYeah!

6月22日(月)晴れ
ワタシハ、ニホンニキテサンネン二ナルアメリカジンデス。
30サイデス。

カタカナ、めんどいな。
オレ、日本大好きで、日本語ペラペラ。
ただ、ナンパするときだけは、『観光で来た日本語全く話せないガイジン』になる。
夕べの話だ。
アメリカから遊びに来た友人に頼まれてアキバやら案内して、新宿のホテルまで送ってやってから帰路についた。
日曜の夜11時。
日曜だからか、日曜なのにか、適度に空いてて座れる。
座ってから気付いたのだが、隣の女の子、チョー好み。
こんな時間なのにシラフで、背筋をしゃんと延ばして文庫本を読んでいる。
黒いTシャツに地味な花柄のスカート。靴下に黒いぺったんこな靴。
真っ黒な髪を耳の下でまっすぐに切りそろえている。
イヤ、基本、オレは長い髪が好きなのだが、今ちょっとだけショートボブもありかなと思っている。
週末に見た映画「海街ダイアリー」の広瀬すずちゃんが可愛かったから。
そうだ!この子、広瀬すずに似てるんだ!
「Does this train go through ○?」
驚いたように顔を上げた彼女。
困ったような顔で 「Yeah」 と言った。
大きな目だ。
まっすぐにオレを見ている。
オレはぺらぺらと早口で「お腹が空いているのだが、どこもお店が閉まっていて困っている。
どこか食べられるところを知らないか」と言うと
「Once more please」
それで、オレはもう一度、今度はゆっくりと言う。
すると、彼女は頷いて、オレが降りる予定の駅の一つ先の駅ならまだ開いているお店があると思う、というような意味のことを
たどたどしく、単語をつなぎながら言う。
ぢつは、オレは新宿で友人とたらふく食った後だから、腹は減っていないのだ。
彼女をこじゃれたバーにでも連れ込めればオッケーなわけだ。
だが、彼女は帆布のショルダーバッグの中からiPhoneを取り出し、オレの最寄り駅の隣の駅のレストランを検索しはじめる。
そして嬉しそうにもんじゃ焼きの写真を見せる。
しょうがないので「Oh!オコノミヤキ?」とリアクションすると
また困ったような顔で「same、いや違う違う、nearly、これも違う。」ぶつぶつつぶやいている。
知ってるよぉ|それもんじゃだよね〜オレ、大抵の日本食、好きだけどもんじゃだけはダメなんだよぉ〜
子どもの頃に飼ってたレオンって犬が、よく腹を下すヤツで、その下したブツにそっくりなんだよぉ〜
そもそも、君はなぜオレが泊まってるホテル(って、ホントはオレの安賃貸マンションなんだけど)のある駅より、
さらに辺鄙な駅の方で探そうとするんだい?
オレの、脳内のクエスチョンマークが、いい感じで彼女に伝わったらしく、もんじゃは嫌いなのね・・・とつぶやきまた検索しはじめる。
いかん、このままじゃ、もっとがっつり系のお店を検索してくれる。
オレは、彼女が、オレの言うことが全くわからないわけではなく、言ってることは理解できるが、それに対する答えのボキャブラリーが乏しいということがわかってきた。
そこでオレは、はたと閃いてまたペラペラと、今は肉も魚もちょっと・・・ってなことをしゃべる。
すると、若干のズレが生じ、彼女はしたり顔で「You are vegetarian.」
めんどくさい事になりそうだが、とりあえずYeah!
そうこうしているうちに、オレの最寄り駅は過ぎてしまい、隣駅に着いてしまった。
まだお店を探せない彼女は、意を決したように立ち上がり、オレに、「ついて来て!」と言うようにアゴで出口をしゃくり、オレより先に電車を降りていった。
慌てて降りて、改札を出る。
彼女は、きょろきょろファミレスだの居酒屋だの探しては指差す。
で、オレが「メニューとかよくわからないから、君も一緒に入ってくれないか?」
すると彼女は「私は、またこれから電車に乗って帰らなければならない。
最終電車を逃すと大変なことになるからお店に一緒には入れません。」
最終電車って何時?と聞くと、また検索して、ここの駅だと○時△分が最終。
「じゃあ、あそこのコンビニで何か買うことにするよ。おにぎりの中身が何か教えてくれない?」
コンビニのおにぎり売り場でオレが指差すおにぎりを見ては
「ノーっ!シャケ。フィッシュっ!」そうだ、オレは似非ベジタリアン。
「え?これ何だ?う〜んと、sea plant?」こっそり彼女の持ったおにぎりを見ると「若布」だった。
赤飯なら彼女を困らせることはないだろう。これにするというと・・・
また彼女は検索を始め・・・「happy rice???」
コンビニで支払い、店員にthank you!というと、後ろで彼女も店員にThank you!って言ってた。
いい子だね〜君。
とりあえず、猛烈に腹が減っているはずのオレだから、赤飯を食べることにする。
隣で彼女は、何か話しかけなきゃと思ったらしく、唐突に
Do you like movie?
え?映画?そうか、君はサブカル女子なんだね。
ぢつはオレ、日本映画を勉強してるんだよ。
少しうれしくなって、オレのイチオシの監督「河瀬直美」の『2つ目の窓』が好きだと言ってしまう。
これって、観光に来たガイジンが言うには少しマニアック過ぎないか?
でも彼女は冷静な顔で I also saw.
調子に乗ってオレが「あれはすごくいい映画なのに、日本人で知っている人が少ないのはなぜだ?」
彼女はまた少し困った顔になる。
「河瀬直美は日本人向けに映画を作ってるわけじゃないんだよなあ〜
あ〜でも、英語で説明できん!」とブツブツ・・・
「とりあえず、今、また彼女の新作をやってることを教えよう!あ、でも「あん」って向こうでの題は何?
餡子の餡?英語で餡はなに?寿司はスシだよね、じゃあ餡はアン?」と、またブツブツ・・・
「It's difficult to explain.」と申し訳なさそうに言った後、
突然ハッと時計を見て「Time is up」
と叫び、手を振って駅へ走っていった。
赤飯片手に、少し呆然と見送るオレ。
黒い髪のシンデレラだったなあ。
さぁて!オレも帰るとしよう。
駅へ戻ると・・・あれ?あれあれ?
上りの最終はもうとっくに終わったらしい・・・
ま、いっか。一駅くらい歩くとしよう。
今週末あたり、もう一度「海街diary」見にいこうかな。

・・・って、かなり好意的に脚色して書いたけどさぁ〜
ガイジンに親切にするのも大概にしなさいよっっ!!!
昼間ならともかく、お友達と一緒だったならともかく、
あんな時間に、女の子一人で、わざわざ途中下車までしてあげるなんて、電車に乗ってた他の乗客みんながナンパにひっかかったバカな女の子だって思ったわよ、きっと。ったく!!!
と、ゲラゲラ笑いながら聞いた後、説教する母であった・・・
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