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2015年06月22日20:52

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落語覚書/第十五回亀戸寄席 入船亭扇辰独演会

6月20日(土)17:30開演@香取神社参集殿

 扇辰「三方一両損」
 扇辰「麻暖簾」
 仲入り
 扇辰「百川」

前回一緒にこの会の前売り券も買っていたので、楽ちん。
5時前に直接行けばいいもんね。


●「三方一両損」
この会に呼ばれるのは2回目。
こういうのを、吉原で言うと「裏を返す」ってやつで嬉しいことなのだと。
つまらなかったら二度と呼ばれないのだから…。

先日、ヨーロッパ公演をしてきたときのお話。
3カ所を10日間で廻るのだが、毎日移動(9回飛行機!)で疲れたとか。
海外公演の場合、落語を演じるのは日本語だが、後ろに各国の言葉で
字幕が映されるのでアドリブが出来ない。もちろん日本語の駄洒落も通じない。
これが意外とストレスらしいですな。3回公演全て同じネタをただ繰り返したと。
気になるネタは『天狗裁き』と『ねずみ』を演じたそうです。

想像してみた。
『天狗裁き』は昼寝をしていた男が、ひたすら「どんな夢を見ていた?」と
しつこく色んな人に聞かれる噺だから、繰り返しが面白かったらウケるかも。

『ねずみ』は大店の旅籠を奪われた親子が、左甚五郎の助けを借りて客を取り戻す噺。
これも正統派のストーリーだからわかりやすいし、日本の名工は受け入れられやすいかな?
…なるほど、ネタ選びは難しそう。
でも海外の文化も違う人たちに、どの落語だったら笑ってもらえるか?考えるのは楽しそう♪

さて「そんな海外では出来ないネタを演ります。」と、一席目は大岡裁き。
三両入った財布を拾った左官屋が、神田の大工に届けるが江戸っ子で受け取らず喧嘩に。
あげくの果てに大家まで出て来てお白州で裁かれることに…。
江戸っ子をこじらせた職人たちの面倒くささがたっぷり!外人にゃあわかるまいね。

サゲはちゃんと「多かぁ(大岡)喰わねえ、たった一膳(越前)」。
扇辰さん曰く「実にくだらない。これを言うために白州で膳の用意をするはずがない!」


●「麻暖簾」
そのまま続けて二席目。
なんとなく、これを演るような気がしてた。

按摩が療治で遅くなり、客宅に泊まっることになる。
枝豆でお直し三杯(二杯だった?)ひっかけて、蚊帳の寝床に入ったが…。

酒呑みの卑しい感じがとても旨そうに呑む。枝豆の茹でたての感じと塩加減。
サヤに豆が3つのときと4つのときがあったよね?!
今日は絶対に枝豆喰うぞっ!


●「百川」
仲入り前に、手ぬぐいとCDを持って来たと、物販のお知らせ。
手ぬぐいは欧州行きに合わせて2種類作って、合わせると1つの絵柄になるらしい。
仲入りで見に行ったら、ピンクと青があったが見本がなくて絵柄がわからない。
1本1,500円のセットで3,000円じゃあ、チケット2,000より高いのでやめた。

昔、日本橋に実在した老舗の料亭『百川』。
幕末にペリーが来航したときに、一行をもてなすためにここが一手に料理を引き受けた。
幕命により予算金千両で作らせたとか。(扇辰さんは今の金で数億…そんなにないでしょ)

そこを舞台にした噺だけど、こんなアホなことは実話ではありません。
田舎訛りの強い奉公人と、魚河岸の若い衆の話が噛み合なくて騒動に…って噺。
百兵衛さんの訛りがかなり特徴的。



「ここって三席なんですよね…じゃあ『寿限無』『子ほめ』『狸』で。」って言っていたのに、
蓋を開けてみれば一席各40分ずつも演ってくれた♪

そんな盛り上がりを見せたこの会、いやなことがひとつだけ。
ひとりの客が争うように最前列の真ん中に座った。
扇辰さんの登場とともに大拍手。張り切ってるなぁと思いきや、扇辰さんが話し出した
とたんに船をこぎ出した。「え?!嘘でしょ。。。」
…結局、三席ともず〜〜〜っと寝てた。連れっぽい人も起こさない。
扇辰さんが声を張ってもぴくりともしない。
見ないで寝るなら真ん前に座るなよ!演者に失礼でしょ!
遠くから来て最前列で見たいファンだってきっといるのに!
本当に腹が立った。

そんな気分の悪さを感じていないかのように、帰りには扇辰さん自ら物販へ。
おかげで手ぬぐい完売してましたね〜!

次回は9月、歌武蔵師匠だそうです。







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