そりゃ軍靴は響いているが…

この頃にわかにきな臭くなっている国内外の情勢への危機感、それ自体は正しいと思うのですが…

寂聴さん「戦争に近づいてる」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3473903

日本が自制さえすれば他の国々もみんな自制する、と考える発想は新手の国粋主義だと思いますね。
はっきり言って憲法九条を堅持すれば戦争は起こらないという考え方は戦後の経済発展とアメリカの軍事力に胡座をかいた驕りです。
何故交戦権を放棄した我が国に他国が攻めて来ないか？という普通に考えてもごく当たり前に答えが出ることを、意図的にねじ曲げて情緒に走り、妙な自信を抱いてしまっている。
アメリカが守っているから日本は交戦権なしでもいられたわけです。で何故アメリカが日本を守る気でいるかといえばユーラシア大陸に睨みを利かせるのに便利なのと、高度経済成長でいい金蔓になったからです。
欲得づくの各国の胸算用の中でたまたま上手く立ち回れただけなのに、それをあたかも人類の手本のように掲げてみせるのは不遜でありある意味では戦前と変わらぬ精神論の様相を見せていると思います。

また日本人はアジアの成長を、自身では理解したつもりになっていますが実際には理解していないと思います。中国や韓国がどれだけ肉薄して来ても、心の底では経済面で一時的に追い付いただけだと思っているのです、絶対に。
じゃなきゃあれだけ喧嘩売られてフリーハンドでいる訳がありません。元々島国なのと、高度経済成長の偉業のために国の力のランキングは変動するというごく当たり前の感覚がいまだに麻痺してしまっているのですね。
江戸時代から開国してこの方、日本という国が本当に自分の意思で何もかも決定して来たかといえば甚だ疑わしい。大体開国からしてアメリカの外圧に屈した結果です。
そのアメリカの国力が衰え中国が台頭して来たなら、当然中国はアメリカに代わり日本を勢力下に入れるために外圧をかけてくるのは今現在の態度を見ても火を見るより明らかです。
なのにその中国に対応するのに、アメリカの軍事力と表裏一体の憲法九条を守るのが解決策だとは。勿論中国だって問題だらけですが自身が無策のままあの国の自壊を願うのは神風を願うのとどんな違いがあるでしょうか？
中国の行動は傍目に愚かしく見えることはあっても、いち大国としてその場その場の組織のリアリズムで動いていることは間違いありません。その動きに向かって、言ってみれば高度経済成長期への郷愁の感情だけで相対するなどは、そっちの方がよほど危険な思想性だと自分は思います。

戦争求める中国軍　ミャンマーへの宣戦布告を建議したことも
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&from=diary&id=3479220