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2015年06月21日13:37

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オキシコドンにてトヨタ女性役員逮捕(医学的考察)


このニュースを聞いて、文化の差があると直感しました。

そして、私の尊敬する緩和医療の専門家・大津秀一先生のアメーバブログを読み、人に説明できるくらい確信しました。シェリー・ハンプ氏はまさかこんな大騒ぎになるとは夢にも思っていなかったと思います。第一、悪意があればこんな稚拙な方法で郵送しないでしょう。

薬の説明に関しては、専門家・大津先生の受け売りであることを最初に断っておきます。

オピオイドという医療用麻薬があり、主なものにモルヒネ、オキシコドン、フェンタニルなどがあります。ここからがポイントで、日米には両極端なところがあります。日本は、癌でもまだ十分に医療用麻薬が使われていません。最近話題になった今井雅之さんも痛がって死んでいきましたが論外です。可哀相なことをしました。一方、アメリカでは気楽に使い過ぎるようです。つまり、癌以外でもじゃんじゃん使っているのです。確かに、線維筋痛症などの難病で、とにかく痛みを取ってあげるために使うのならいいのですが、どうも濫用に近い形で安易に使われているようです。癌以外で使ってもいいのですが、重篤でもない、慢性でもない痛みにも使っているようです。そうすると、一部の人はいわゆる薬物中毒に近い形になります(依存性!)。「医療用」麻薬というように、やはり専門の医師が指導して使わないと、一歩間違うとやはり「麻薬」になるということです。

人口当たりの医療用麻薬使用量がアメリカは日本の20倍もあります。よくあることで、日本とアメリカでは正反対で、多くの欧州諸国がその中間のようです。私自身、30年前かみさんがアメリカで出産し、産後の鎮痛薬・座薬に麻薬成分が入っていることを知り、ビックリしました。かみさんがその後、苦々しく言っていました。「ダイアナ妃が皇族とはいえ、帝王切開の翌日に、あんなに涼しい顔をして手を振っていられるのは(麻薬入りの)鎮痛剤のおかげだ!」

医学的に非常に重要なことで、日本では医療関係者にもまだまだ偏見があるのですが、痛みもない人(つまり、一般の人)がオピオイドを使うから中毒になるのです。

痛みがない人がオピオイドを使うとドパミン放出が増え、脳の側坐核に作用し、精神依存や耐性などのいわゆる中毒になるのです。

ところが、本来慢性の痛みで苦しんでいる(例えば、癌患者さん)人がオピオイドを使っても、元々ダイノルフィン神経系が活性化されているので、ドパミンの放出が抑制されるので、中毒にはならないのです。だから必要があれば、効果が出る量まで増やすのが医療用麻薬の正しい使い方ですが、やはり細かいテクニックがあり、緩和医療の専門医が必要なのです。私が知らなかった知識として、腎機能が低下しているとモルヒネ使用により、眠気の副作用が出やすく、痛みに効いているのかどうかが分かりにくく、騙されやすいようです。その点は、今回話題のオキシコドンの方が使いやすいそうです。

ですから、州によってはマリファナが合法的な国からやって来たシェリーさんは、いくら経済界では大物でもしょせん医療は素人ですから、麻薬に非常に厳しい日本でのそんな事情は知らないはずです。

例の如く、そういう知識のないマスコミが騒いでいますが、なかなか正しい情報は伝わらないようです。


医療用麻薬を使用中の末期がん患者さんをエスコートして、旅行したことのある空飛ぶドクター(登録商標)

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