・あらすじ
大地震で地底から現れた古代生物、発火能力のあるゴキブリ。地震の混乱と相まって、正体不明の火災や爆発事故が続出。
学者である主人公。事故の原因が発火ゴキブリであること、発火ゴキブリが地上では長生きできないことを知るが、妻が発火ゴキブリによって死亡したことで精神の平衡を失い、発火ゴキブリと地上のゴキブリを交配させて、地上に耐性のある発火ゴキブリを創ってしまう。
やがて人間並みの高い知能を手に入れた交配発火ゴキブリ。自分たちの卵を地割れに叩き込んで、原種発火ゴキブリとの更なる交配をすると、主人公に反乱。ゴキブリに襲われた主人公は、炎上しながら地割れに転落死。閉じていく地割れの中に、発火ゴキブリが戻って行って完。
・感想・ツッコミ
タイトルの「燃える」が、よくある熱血表現の「燃える」ではなく、物理現象としての「燃える」だった罠。というか、むしろ「燃やす昆虫軍団」の方が正確ではなかろうか。原題「BUGS」からの意訳すぎる意訳。
発火ゴキブリ。炭素を食べる第1世代にとっては、発火能力は合理的だっただろうけれど、生肉しか食べられない第2世代にとっては、発火能力は攻撃にしか使えないわけで、そういう意味では退化しているよなと。
妻が死亡した後、発火ゴキブリの交配実験を始める主人公。私には気が触れたようにしか見えなかったけれど、他所の感想サイトで「妻を殺した発火ゴキブリの天敵として 交配種を創造した」という解釈を知り、ひどく納得する。確かに第2世代は、同じカゴに入れた第1世代(第2世代の母)を殺している。
映画のラスト。主人公を殺した発火ゴキブリは、地下に戻るのだけれども、地上の気圧に適応するように生まれた第2世代が、地下の気圧で生きていけるのだろうかという疑問。餌である生肉だって、地下では豊富に手に入れられるとは思えない。第2世代にとって地下に戻るというのは、自殺と変わらないのではないか。ゴキブリ文字で「WE LIVE(俺らは生きるぜ)」と宣言したのは何だったのかと。
もっとも、人語を解するくらい高い知能を手に入れてしまったが故に、「交配種である私たちは何のために生まれたのだろう」「本当に生きるってどういうことなんだろう」と悩んだ挙句に、敢えて地下に戻るという選択をしたのかもしれないが。
・まとめ
パニックやホラーというよりは、博士が追い詰められていく様子を描いたサイコスリラー。もっとも「ゴキブリを見るのも嫌だ」という人には、この上なくホラーかも知れないが。
上映時間は長めだけれども、テンポは悪くないので、それほどダルくない。地味に佳作。ゴキブリなので、女の子と一緒に見たりとかには向かないが。
ログインしてコメントを確認・投稿する