mixiユーザー(id:23621043)

2015年06月14日21:32

583 view

【文字起こし】2015.6.13ラジオ・フォーラム第127回「小出裕章ジャーナル」【公開収録より・質疑応答】

初期被曝を調べないで、「健康影響は心配しなくていい(キリッ」とはボケーっとした顔



ラジオ・フォーラム第127回
http://www.rafjp.org/program/127/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:西谷文和(ジャーナリスト)

西谷:
 小出さん、今日はよろしくお願いいたします。

小出:
 はい、よろしくお願いします。

西谷:
 ご来場いただいているリスナーの皆さんのね、質問に、今から直接小出さんにお答えいただこうと、いうことで、その趣旨でいきたいと思います。えーまず、最初はですね、奈良県からお越しの、フカエセイコさんからですね、この戦争とテロと原発の関係について、質問を受けておるのですが、フカエさんおられますでしょうか?・・・あ、挙手ですいません。

会場:
 あのー、今まで憲法9条があったために戦争をしない国でこられたから、ところがやっぱり、集団的自衛権を認めさせると、あの・・・敵ができるわけですから、そこの人たちが、日本に入ってきて、あの、「(原発)ホワイトアウト」に書いてあったようにですね、原発を、休んでても、爆発させられるわけですから、そういう危険が私は一番怖いと思ってるんですけれども、そこら辺は小出さん、どう考えてらっしゃいますか?

小出:
 もちろん危険です。えー、米国なんかは、じゃあ原子力発電所をどうしているかと言うと、軍隊が守っているのですね。原子力発電所、テロがあるといけないと。それから労働者がサボタージュをすると、またそれも危ないということで、徹底的にその労働者の管理をするというようなことをやるわけです。で、かつてドイツのロベルト・ユンクという人が、本を書いたことがありまして、原子力なんていうものをやってしまうと、個人個人の自由が奪われると。その・・・テロから防ぐ、あるいは核物質を守らなければならないというようなことを口実に、徹底的に個人の、自由が制限されるようになる。それで、「原子力帝国」という名前で、言いましたけれども、原子力をやってしまうとそんな国になってしまいますよと、いうふうに警告されました。
 
 もちろんそうなるだろうと思います。原子力発電所を、例えば敵国から守らなければいけない、テロから守らなければいけない、悪い労働者から守らなければいけない、ということになれば、どんどんどんどん警備を強化する、軍隊を強化するという方向に行くしかなくなってしまうわけで、まあまさにそれは安倍さんの、望んでいる方向に向かっていくということだと思います。ですから安倍さんの、望んでいる方向を阻止しようとするなら、もちろんだから軍備もやらせてはいけない、憲法も守らなければいけないし、原発も止めなければいけないということだと思います。

西谷:
 あのー、えーと「原発ホワイトアウト」の話をされていたと思うんですが、あれの中に送電線を倒したら、原発はメルトダウンするって、これ本当なんですか?

小出:
 ですから、福島第一原子力発電所で、え・・・原子炉がメルトダウンしてしまったのも、外部の送電線がみんなひっくり返ってしまって、外部からの電源がなかったからなんですね。もちろんあの、そんなことになれば、原子炉自身は止まってしまいますし、自分で発電できない。外部の送電線からも電気を得られないということになるわけで、あとは最後の頼みは、非常用の発電機なのです。それで福島の事故の場合には、その非常用の発電機が津波でやられてしまって、命を絶たれたということなのです。ですからまあ、送電線を破壊するだけでは、必ずしもメルトダウンにはなりません。その非常用の発電機も潰さなければいけませんけれども、でもまあ、あの、本気でやる気になればたぶん可能だと思います。

西谷:
 結構脆いものだということですね?

小出:
 そうですね。

西谷:
 五重の壁に守られて絶対安全というのは全く嘘だったと、いうことですね。

小出:
 ハハハ(笑)。もちろん。はい。
 
西谷:
 分かりました。それでは、続いての質問ですが、和歌山市からお越しのヤマザキさんなんですがね、福島の子どもたちのことを心配されている。どちらにおられますかね?

会場:
 すいません。和歌山市で、あの・・・毎年福島の子どもたちを40人ぐらい呼んで、保養させるっていうボランティアに少し参加してるんですが、福島の子どもたちの、健康状態は今、どんなふうに調査されてて、また公表されてるんでしょうか?

小出:
 はい。それもあの、とっても難しいご質問ですけれども、例えば、被曝をすると、私自身は、もう様々な病気が出てくるだろうと思っています。ただし、これまでの、いわゆる学問的な、え・・・データの蓄積から言うと、ガンや白血病が増えると、いうことくらいしか明確には分かっていない、のです。で、そのガンや白血病の中に、甲状腺のガンというのがありまして、え・・・子供の甲状腺のガンというのは大変珍しいと、これまでは言われてきたのです。え・・・100万人に1人と、いうぐらいしか、子どもには甲状腺ガンなんか出ないと、いうのがこれまでの学問の常識だったのですけれども、福島では、もう三十数万人の子どもたちを調べたところ、100人を超える甲状腺がんが発見されて、それも悪性だということで手術をされているという、そういう状況になっているのです。

 え・・・少なくともこれまでの科学的なデータからすれば、全く異常なことが起きているわけですけれども、それでも国や電力会社の方は、「いや、これは調査をちゃんと、きちっと厳密にやったから、発見したんであって、被曝とは関係ありません」というようなことを言っているわけです。え・・・でも、これまで全然調査もしてこなかったわけですから、それならきちっと調査をしてみましょうというのが科学的な態度なのであって、

西谷:
 そうですよねえ。

小出:
 今の国がやっていることは全く科学の原則から逸脱してると、私は思います。そのように多分、鼻血が出ている子どもが多いとかですね、様々な苦しみが・・・子どもたちが言っているわけですから、たぶん私はあるだろうと、思っています。それをこれからきっちりと調査をして、因果関係を突き止めていかなければいけないのですが、残念ながら安倍さん率いる日本の国は、むしろそんなことはしないで、福島のことを忘れさせてしまおうという、そういう作戦に打って出ているわけですから、こうなれば仕方がないので、今、仰って下さったように、私たち自身が子どもたちを、福島の被曝地から少しでも引き離して、子供らしく遊べるような環境を、やはり作っていかなければいけないんだろうと、私は思います。

西谷:
 あのー、だいぶ、もう事故から4年経ちまして、放射能が下がったみたいな報道がされてるんですが、やはり危険は、危険性は変わってないっていうことでしょうか?

小出:
 あの・・・福島の事故で一番危険な放射性物質は私はセシウムだと、言っているのですが、その中には2つありまして、134という番号のついたセシウムと、137という番号のついたセシウムがあって、事故直後は、ほとんど1対1で、同じぐらい危険だったのですけれども、134の方は、半分に減るまで2年という、短い寿命の放射能です。で、137の方は30年経たないと半分にならないというものですから、137はほとんど変わっていないのです。でも134の方は、すでに事故から4年経っていますので、半分になってまたその半分になる。当初の4分の1ぐらいの量に減ってくれていますので、被曝の量は、それなりに減ってきていると、思います。

西谷:
 大阪市からこられたマツナミさん。京都大学のね、そのこともお聞きなので、ちょっと・・・質問をお願いしいます。

会場:
 はい。えーとですね、この春で、京都大学・・・その助教って肩書きが取れた中で、どのような形でですね、活動されていくのかなっていうことを、お聞きできればなって思います。

西谷:
 (笑)・・・プライバシーに反しない程度で、仰って、はい。

小出:
 はい。えー、私今日、原子炉実験所の所長のところに行きまして、「京都大学総長 山極壽一」という人の名前の付いた、退職辞令というのを、貰い・・・

西谷:
 今日貰いはったんですか。

小出:
 はい。貰いました。すぐゴミ箱に捨てましたけれども(笑)。

(会場笑い)

西谷:
 えーっ、そうなんですか?

小出:
 はい。要するに、そんなことは、あの・・・私は定年退職です。でも初めに申し上げたように、定年なんていうのは単に、社会的な制度の一つに過ぎないわけですし、雇用関係が切れるというだけのことですから、私にとっては何のことも、ありません。え・・・ただし、これまで原子炉実験所で私が仕事をしてきた、たくさんの装置を自由に使えるという立場にいたわけで、私にしかできない仕事、皆さんにはできなくて、私にしかできない仕事というのは山ほどあったわけで、それをこれまで私はまあ、やってきたわけです。それはもうこれから、手足をもがれてしまいますので、これまでやってきたような仕事はできなくなる、ということは仕方のないことだと思います。

 それから、まあ定年というのは社会的な制度に過ぎないと言いましたけれども、私も生き物ですので、どんなことをしても老いていきます。そしていつか死ぬと、いうのはまあ、生き物として避けようがないわけですし、定年という社会的な制度も、そういうことを自覚しろというひとつの一里塚だと、私は思いますので、手足がもがれた状態で、私に何ができるかということを考えながら、少しずつやはり退いていくしかないだろうと、思っています。何が、私にできるか、他の方にはできないで、私にしかできないというような仕事を、これから厳選しながら、少しずつ退いていきたいと思っています。そのことだけお許し頂けるかなと(笑)。

西谷:
 新聞記事読みますと何か、「今後は仙人のようになる」とか、

小出:(笑)

西谷:
 ぜひあの、下界にも降りてきて頂きたいと思います。

小出:はい。

西谷:
 えー、あの、小出さん、まだまだね、私たちは必要としております。頑張っていただきたいと思います。小出さん、どうもありがとうございました。

小出:
 ありがとうございました。

西谷:
 今日は3月27日の公開収録から、リスナーの皆さんのご質問にお答えいただきました。以上、小出裕章ジャーナルでした。

【文字起こし終了】


<南相馬>小中生8割、1ミリシーベルト以下…総被ばく線量
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3465643
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する