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2015年06月14日15:21

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小和田哲男「日本の歴史がわかる本」

小和田哲男「日本の歴史がわかる本」

父の遺品の中にあった本。このところ(ガラケーのネット接続が不自由になったこともあり)通勤時間帯に本を読む頻度が格段に増えてます^^;

近現代史は、大学時代の歴史研究サークルで専攻していたこともあり、歴史好きな僕の中でも特に好きな分野なので、この機会に改めておさらいしてみようと思い読んでみました。
ところが、本のタイトルから、てっきり日本史の教科書をおさらいして歴史の流れの概略を掴むための入門書かとおもいきや、予想以上に主義主張の強い濃い本でした。
教育勅語の恐ろしさや労働運動の弾圧、経営者に人間扱いされなかった女工達の悲劇、大量の餓死者を出したアイヌの皇民化政策、戦時中の報道統制による国民の洗脳など、歴史の陰の部分をきちんと書かれていることにも驚きましたが、南京大虐殺について「仮に被害者の数に対する意見があったとしても、『日本軍の蛮行』という定義付けに変更があるとは考えられない」と言い切っている点がすごいと思いました。
何より、昭和20年2月に近衛文麿が「敗戦は恐れるべきではない。降伏した方がよいのではないか」という主旨の上表文を昭和天皇に出している事実、それに対して昭和天皇が「(日露戦争のように)もう一度敵を叩き、有利な条件をつくってから和平を考えた方が良い」として、降伏を拒否している点を紹介し、その後の東京大空襲や沖縄戦、ソ連参戦、広島・長崎といった多大な犠牲に対する天皇の戦争責任まで言及しているあたり、よくここまで発言できたものだと感じました。
何気なく手にとった本でしたが、予想以上に読み応えがあって楽しめました。中世・近世編もあったはずなので、ぜひ読んでみたいと思います。
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