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2015年06月08日03:33

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初心者対応とルールインストについて

<前置き>
この文章はIWAKOが長年アナログゲームを遊んできて、いざその楽しみを他の人に伝えるために気を付けている事を述べてみる。当然これはいちゲーマーの意見に過ぎないので、そこを踏まえたうえで参考にしていただきたい。
自身もこれらを全て実行できているかと言えば甚だ疑問であるが、心に留めていようと日々努力していることは訴えていきたいし、実践していきたい。

<目標と目的>
「インストした同じゲームを、もう一度プレイしたい!」と思わせることが出来れば成功である。
そしてその為には「公正で説得力のあるルール説明」が最も肝要だと考える。
更に言うなら、その為には「公正さ」と「説得力」と「信用」の獲得が必須条件である。と、考える。

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<定義>
■初心者の定義
■初心者対応の成功/失敗の定義

<実践>
》準備
●人員の選定
●人員に経験者が混ざった場合
●ルールの選定

》ルール説明
●目的を伝える
●流れの説明
●個別の選択肢

》留意点
●不満を与えない
●一手の権利
●言葉遣い

<まとめ>
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<定義>

■初心者の定義
非常に多岐に渡る要素を持つので、今回は遊ぶゲームのプレイ回数が0回=初プレイかつ、そのゲームに対する情報が0の人間のこととする。
「予備知識」の一部として、その遊ぶゲームの類似品をプレイした経験が有る無しも非常に重要。要するにゲームの説明の時に「カタンの交渉みたいな…」とか「テラミスティカの種族特徴みたいな…」のような説明で事足りてしまう手合いはこの場合の初心ではないとする。

■初心者対応の成功/失敗の定義
「同じゲームをもう一度プレイしたい!」と思わせることが出来れば成功である。
次点で興味を持たせて「他のゲームも見てみたい」と言わせられればそれも成功と言っても良いかと思う。


<実践>

》準備
●人員の選定
理想は、全ての参加者(インストラクターは除く)が全員初心者であること。
そうなれば、全員同じ条件で「公正さ」が担保され、ゲームの勝敗が「経験」や「予備知識」ではなく、プレイヤーそれぞれの「知恵」(と、あるいは「運」)によって左右され「競技」としての説得力が上がるからである。「公正さ」は「競技性」を意識させてくれて、勝敗における「負け」にも価値を与える場合が多い。それは即ち「次はこうしよう」とか「次はこうなるに違いない」という期待を抱かせるためだ。逆説的に「経験」がそれに介入した場合「だって貴方、この場合の答え知ってるんでしょう?」という「不公正」さおいう不満をプレイヤーに与えてしまう為、駄目!

●人員に経験者が混ざった場合
しかし現実は、なかなか全員初心者という環境を実現させてくれない。
その場合は大抵経験者に初心者に合わせてくれとお願いするパターンが多いようであるが、それも経験者の遊ぶ権利を蔑ろにしてしまっているようなので、一つだけ徹底してもらうべき事項を伝えるに留めるべきだと個人的には思う。それはすなわち「初心者の選択肢を選ぶ権利尊重する」という姿勢だ。いうなれば、経験者諸氏にもインストラクターやゲームマスターの負担を一部背負わせるのだ。
経験者プレイヤーもそのゲームを遊んでいる以上、そのゲームの人口を増やしたいと考えている者は多いはずである。ならば彼らはきっと協力的態度を取ってくれるはずだ。だが、しかし! 彼らの常識と私の考える常識にズレがあった場合、悲劇は起こってしまう。なので、貴方は口を酸っぱくして叫ぶべきだ。「初心者さんの行動選択をどうか尊重して欲しい!」と! 「どうか『アドバイス』と『ネタバレ』の区別をつけて欲しいと!
『価値観の押し付け』と『選択肢の提示』は別物であると!

●ルールの選定
まずもってゲームの解り易さが大事である。構造が複雑すぎたり初期の一手が後半に響くようなゲームは「不満」を与えやすいので避けるのが順当。もしどうしても複雑なルールを導入したい場合は、適所で選択肢の意味を伝える必要が出てくる。このタイミングや情報提供量も非常にデリケートである。結局「プレイヤーの選択肢とは?」という非常に曖昧な様でいて、実は明確に区別の付く要素を見極めれられるかは、以下の文で伝わるかと信じる。(丸投げ(いい加減酔っ払ってきた(言い訳)))


》ルール説明
●目的を伝える
まず大事なのは、このゲームが何を目標とするゲームなのかを出来る限り簡単で平易な言葉で伝えなければならない。例えば、ゲームが終わるまでに出来るだけ多くのお金を稼ぐだとか、得点(勝利点)を獲得すること、等。

●流れの説明
どういう風にゲームが進行し、プレイヤーの選択肢がどのタイミングで、どのような物が発生するのかを明確に伝える必要がある。参加者にとっては「手番」という概念さえも無い場合がある。そうなるとゲームの進行を伝えることも非常に難しくなる。サマリーやフローチャートも助けにはなるが、それの見方すら理解できない人がいることを認識しなければならない。プログラマーなんかはこういうの得意なの?(偏見)

●個別の選択肢
複雑なゲームはそれだけでゲーマーの脳を刺激し、魅力的な選択肢の多さに体を喜びに打ち震えさせる場合が多い。しかし、初心者にとっては多すぎる選択肢は地獄であり、「疎外感」や「不信」の種になる場合がほとんどだ! 何故なら初心者には選んだ選択肢が巻き起こす結果が想定や想像と違う場合に納得できる要素が皆無だからだ。おそらく彼らは「ワケわからん」というだろう。実際ワケが解っていないのだ! インストラーはこの時に注意しなければならない。特に経験者との会話を、だ。訳知り顔で「あのスキル取っておけば良かったのにね〜」と経験者さんが話を振ってきたとしても、華麗にスルーして初心者さんに対応できるかで『信頼』度は変わってくるはずです。「上から目線の経験者()に比べて、この人は私の目線で物事を考えてくれている!」という感想を持ってもらえれば、貴方はきっとその卓の良心として信頼を一手に集めることになるだろう! そしてそれはゲームの素的さを伝えるとても有力な援軍にもなるのだ!


》留意点
●不満を与えない
不満には主に三つのものがあると過去の経験から思う。「不公平」「疎外感」「不信」である。
「不公平」は主に情報の格差から生まれる場合が多い。例えば先にそのゲームを一度以上プレイしている人間が混じっている場合は顕著で、経験者プレイヤー様はありがたい『アドバイス』を授けてくださる! 私見では大抵「そうした方がいい」が「そうするべき」になってしまっていて、経験者様が初心者を上から見るかのような状況が多い気がする。(オタやゲーマーが嫌われる主な成分はここに含まれるのでは無かろうか?w)
もう一度言うが、こういう情報格差が何故かプレイヤー間の上下を作ってしまう場合が多い。
ルールやダイスの前に全てのプレイヤーは平等であるべきだと思うのだが…。まぁ、何度も同じルールで遊んでいて、何度も同じ説明やルールブックの読み返しがあるのに一向に憶えないプレイヤーは処しても構わないと個人的には思うが、その回数は個人の価値観に寄るところなのでお任せする外ない。


●一手の権利「アドバイス」と「ネタバレ」
もしも貴方がインストを担当していて、初心者プレイヤーが困っている時、すぐさま自分の思っている言葉を「アドバイス」と称して述べてしまってはいないだろうか? これは個人的な見解であるが「ネタバレ」に相当する場合があるがほとんどだと推察するがどうか?
プレイヤーに与えられた権利は選択肢の内容を「自分の知り得る情報と想定」に基づいて選ぶこと、それに尽きる。
その一手が逆転を巻き起こすかもしれないし、見当違いの悪手になるかもしれない。
しかし、その一手はプレイヤーが思索の果てに決定した価値ある一手なのである。
そこに古参兵の経験溢れるアドバイスが入れば、それが正しいと傾くことは往々にして起こり得る。
が、果たしてそれはアドバイスなのだろうか? もちろん、明確な悪手だと証明することは容易いかもしれない。しかし、インストする人間、もしくは他のプレイヤー、ひどい時は卓外からの観戦者は、その初心者プレイヤーに最善手を提供し続けられるのだろうか?是ならばもうそれはその人が一人でソリティアやってりゃいいと思うし、非なら間違いなく他のプレイヤーに「不公正」な想いを与えるだろう。
「アドバイス」が有り得るとするならば、全てのプレイヤーに今から彼にアドバイスをするけど構わないかと断りを入れつつ(もちろん誰か一人でもNoと言ったなら即刻口出しを控えるべき)、なおかつ手番のプレイヤーにはあくまで選択肢を提供するに留めるべきだろう。
そのアドバイスの入った行動で次の手番のプレイヤーの選択肢に影響がある場合がほとんどなので、「不公正さ」や「不信」を与える事が多いと思う。
しかも、そのアドバイスが更なる逆境を生み出す場合もあるのなら、尚の事余計な発言は控えるべきだ!


●言葉遣い
言葉はとにかく平易で解りやすいものを使うべきだ。
ただし、あまりに平易に過ぎるとゲームが舐められるので、頭の良い手合いには積極的に横文字を使っていって箔をつけるのもやり方の一つだろう。
また、プレイヤー間での言葉遣いの変更も無い方が「公平性」や「信頼」へ繋がるだろう。ゲームマスターやインストラクチャーはとにかく「客観性」が要求される。
その根源は「公平性」、即ち「審判役」としての責務を一任されている立場の人間なのである。
その人間がエコヒイキやミスジャッジを繰り返せば容易に初心者の心はアナログゲームから離れていくだろう。「公平性」も無ければ「信頼性」もない。そして、我々の見知らぬところで「アナログゲーオタとかボドゲ勧めて来る奴コエェ!」とかいう風評被害が出ているかも知れないのです…。
赦せぬ!

<まとめ>
とにもかくにも、初心者に「不公平さ」「疎外感」「不信」を与えないこと。
それを意識するだけでも相手が受けるゲームの印象は随分と変わるだろう。
相手は貴重な時間を使って君の「一銭にもならない」遊戯に付き合ってくれている、もしくは興味を示してくれているのだ! 相手の時間を預かっている、時間=命を預かっているというと大げさになるかもしれないが、より豊かな時間への招待を君自身が担っているのだという責任感と自負を持って、この素晴らしきアナログゲームの世界へを誘う先駆者となっていただきたい! と、願わずにはいられない。
昨今ゲームを取り巻く環境は安易なクリックゲーを初めとして『咥え込み』ゲーというソシャゲーやモバゲーが横行してしまっている。射幸心もゲームの要素としては肯定できるものはあるが、それだけが本質にならないように、それだけしか生き残れないような世の中にならないように。そう願ってやみません。

2015/06/08 IWAKO


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