朝食後に新聞見たらしっかり掲載されていた>篠ノ井駅修学旅行専用列車事故
事故当時の事は以前何度か書いたような気がするが、その後あちこちから聞いた話なども含めて。
列車にはF中とS中の生徒・教員が乗車していたが、S中は篠ノ井駅で下車ということで全員席を離れて通路に整列していたので衝撃で薙ぎ倒されて怪我人多数だったそうだ。
駅にはS中の出迎え父兄も居たらしいが、目の前で起きた大事故に声も失ったらしい。
長野駅下車予定のF中は事故の一報のみ国鉄から受けたものの、校長が父兄に「大したことはありません」と何の根拠も無い事を拡声器で叫ぶだけだったとのこと。
本猫は列車隣の信越本線線路上にへたり込んでいる級友を端の錆びている引き込み線の所まで移動させたところで、こちらもバテて座りこんでいた。
と、リンゴ畑の向こうにパトカーが止まり、若い警官が助手席の無線機を取り外して背負うと畑を横切ってこちらへ来た。(パトカーの無線機は短時間なら車両から外して携帯無線機として使えるようになっている)
線路際まで来て現場の惨状に一瞬茫然としていたが、すぐに本猫の所へ来て(学級旗を持っていたからだろう、一応級長だったから)「怪我は?みんな避難したの?」と。
猫「何人か既に救急車で運ばれています。どの病院へ行ったのかは判りません。F中は避難直後点呼を取って全員無事を確認していますが、S中の様子は全く判りません」
警「そうかい、ありがとう。すぐに報告しておくよ」
と背負ってきた無線機からマイクロホンを外した。
長野駅前では相変わらず「大した事ないですから」の連呼。
と、父兄の一人が受信機(当時は受令機と呼んでいた)の音量を最大にして校長の鼻っ先というか拡声器のマイクロホンへ突出して叫び出した。何だか状況が判らず、スイッチONのまま固まる校長。
父兄「こっちが何も知らないと思って適当な事を言ってるんじゃない。相当の大事故だというではないか!!」
校長「くぁwせdrftgyふじこlp」
同時刻、現場。
(というか、長野県警基幹系無線1・2系…山間地の関係上1・2系はサイマルキャストしていた)
件の警察官が本猫の目の前で無線連絡を取り始めた。
警「至急、至急、南1から長野本部、長野南」
本「長野本部です、どうぞ」
南「長野南です、どうぞ」
警「南1現場到着、列車が脱線大破している。既に何名か救急搬送されているとのこと。搬送先病院は不明。詳細についてはこれより調査する。尚、死傷者多数の見込み、どうぞ」
本「長野本部了解、自傷事故防止には充分留意されたい」
南「長野南了解」
警「以上、南1」
この音声が、県庁最上階の県警本部に、全県の各警察署に、そして混乱している校長の持っている拡声器から響き渡った。
父兄の中で、これが警察無線だと理解した人は少数派だったそうですが、流石に”死傷者多数”は全員が了解。「どういうことだ、話が全然違うではないか!」と混乱状態に。
現場ではそんな混乱は知らず。
国鉄職員に誘導されて職員用らしい通路を抜けると観光バスが何台か来ていて、それに乗せられた。時刻は判らない。バスガイドなど当然無し、運転手がラジオの音量を一杯に上げている。
「本日午前4時30分頃、長野県長野市篠ノ井にある国鉄篠ノ井駅構内で貨物列車と中学生を乗せた修学旅行専用列車が正面衝突し…」
生徒「おい、これローカルニュースじゃないぞ、全国放送じゃねーか?」
あの時は頭に血が上ってワケワカメでしたけど、あの時の関係者の苦労・努力は半端では無かったのだろうなと、今になって想像しています。
話に尾鰭を付けた若い警察官も、恐らくはあと何年かで定年退官?
時は絶えず流れているんですね…
あんな事故に遭いながら、隠れ鐵っちゃんしている本猫もどうかと思いますが(苦笑)
蛇足ながら、これだけの事故なのに、奇跡的に死者は出ませんでした。
ただ、先頭の「クハ165-190」は修理不能ということで廃車になりましたが…
これくらい吐きだしておけば、今夜はうなされないで済むかな。
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