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2015年06月02日21:46

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【経済裏読み】ミツバチの大群が突如消失のミステリー、農薬? ストレス? 世界の食が危機に

 MSNニュースから転載します。
【経済裏読み】ミツバチの大群が突如消失のミステリー、農薬? ストレス? 世界の食が危機に
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e3%80%90%e7%b5%8c%e6%b8%88%e8%a3%8f%e8%aa%ad%e3%81%bf%e3%80%91%e3%83%9f%e3%83%84%e3%83%90%e3%83%81%e3%81%ae%e5%a4%a7%e7%be%a4%e3%81%8c%e7%aa%81%e5%a6%82%e6%b6%88%e5%a4%b1%e3%81%ae%e3%83%9f%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%80%81%e8%be%b2%e8%96%ac%ef%bc%9f-%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%b9%ef%bc%9f-%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e9%a3%9f%e3%81%8c%e5%8d%b1%e6%a9%9f%e3%81%ab/ar-BBkymKq#page=2

  帰巣本能が高いミツバチの群れが突如として消失する奇妙な現象が世界で頻発している。農薬やストレスなどさまざまな原因が指摘されるが、決め手はなく、養蜂業のミステリーともなっている。巣箱がもぬけの殻になってしまうケースも少なくなく、米国では廃業の危機に陥る養蜂業者が続出。ミツバチは植物の受粉で重要な役割を果たすだけに、農業と食の深刻な危機が懸念されている。

 米は1年で4割消失

 その不思議な現象が初めて報告されたのは、2006年秋の米国でだった。

 数人の養蜂業者が巣箱からほとんどミツバチがいなくなっていることに気づいた。奇妙なのは、逃げたハチの死体は巣箱にも周辺にも見つからず、女王バチや生まれて間もないハチは置き去りにされていた。ミツバチは帰巣本能が高い上に、普通は巣を外敵の攻撃から集団で必死で守ろうとする。ミツバチが巣に近づく人間などを敵とみなして襲い、毒針で刺すのもそのためだ。それなのに大事な巣箱と“家族”を捨て、働きバチたちはどこかへと逃げ去ってしまったのだ。

 それまでも米国で「野生種のミツバチの個数が減少している」との指摘は出ていた。そして、飼育されるミツバチの大群が巣箱から突如消失してしまう現象が実は米国各地で多発していることも分かり、「蜂群崩壊症候群」との名称が次第に定着した。

 そして、米農務省が今年5月13日に発表した調査結果が業界や市場に衝撃を与えた。米国内のミツバチの群れが4月までの1年間で42・1%消失したというのだ。これは2年前の45・2%に次ぐ高水準だった。

 また、蜂群崩壊症候群とよく似た現象が、スペインやポーランドなどの欧州各国、カナダ、インド、ブラジル、台湾など、世界各地で報告されていることも判明した。日本でも報告例が相次ぎ、2013年ごろから神奈川県三浦半島では、飼育しているミツバチが大量に謎の消失をとげる現象が起き、養蜂業者に大きな損害が発生。県が調査を始める事態となった。

 原因究明は道半ば

 蜂群崩壊症候群はなぜ発生するのか。世界中の研究者が調査に乗り出し、実に多くの原因が指摘されてきた。主なものだけを挙げても、(1)殺虫剤などの農薬(2)病原菌や寄生虫(3)栄養不足(4)ストレス(5)遺伝子組み換え作物−などがある。

 (4)については、緑の自然環境の減少による都市化がミツバチに限らず昆虫にダメージを与えているとの見方は強い。さらに米国の養蜂業では、ミツバチが入った巣箱をトラックに積み込み、開花時期に合わせて全米各地を移動するのが主流だ。この移動がミツバチにとってストレスになるのではないか、とされる。

 ただ、蜂群崩壊症候群の「犯人」として最近有力視されているのは、(1)の農薬だ。米ハーバード大などの研究チームは今年2月、ネオニコチノイド系農薬をミツバチの群れに与えると、冬場から春先にかけてハチが急減し、蜂群崩壊症候群とよく似た現象が発生したとする実験結果を発表。投与した農薬は実際の農場で使用されるレベルで、「世界各地で起きている蜂群崩壊症候群の原因がこの農薬である可能性が高い」と結論づけた。

 ハーバード大の実験の前にも、金沢大の研究チームがやはりネオニコチノイド系農薬が蜂群崩壊症候群の原因である可能性が高いとの実験結果を発表している。ネオニコチノイド系農薬は、たばこに含まれるニコチンに似た物質が主な成分で、農薬や殺虫剤として広く使用されている。欧州連合(EU)はすでに、ネオニコチノイド系農薬の使用を禁じる措置をとった。

 だが、まだネオニコチノイド系農薬が蜂群崩壊症候群の原因と特定されたわけではなく、農薬メーカーなども「ミツバチの大量消失の主な原因ではない」と反発している。

 このため、農薬やストレスなどさまざまな原因が複合的に作用しているのではないかとの指摘もある。

 食卓の危機

 ミツバチは農作物の受粉に欠かせない昆虫だ。米政府や調査機関のデータによると、リンゴ、クルミ、アーモンド、豆類など北米の商業作物のうち90種類以上がミツバチの受粉に頼る。ミツバチの存在なくしては、ふだんの食卓すら維持できなくなってしまう恐れがある。米CNNは、「このままでは養蜂業に未来はない」と嘆く業者の声を取り上げ、警鐘を鳴らす。

 米オバマ政権は昨年、昆虫による受粉は「米国の食糧安全保障に不可欠だ」として、ミツバチやチョウなど花粉を媒介する昆虫の保護に関する国家戦略を構築するとした大統領覚書を発表。省庁横断で原因や対策を検討する作業部会を立ち上げた。そして今年5月19日、冬に消滅するミツバチの群の割合を10年以内に15%以下に抑える目標を打ち出した。さらに米環境保護局(EPA)は5月28日、ネオニコチノイド系の殺虫剤の使用を規制する方針を発表。作物の受粉のために農家がミツバチを導入する時期に限って散布を禁止する。

 ただ、環境保護団体などからは、ネオニコチノイド系農薬の使用禁止を求める声が高まっている。

 このまま蜂群崩壊症候群が進行すれば、世界的な蜂蜜価格の上昇と果物や野菜の生産への影響が懸念される。食文化による程度の差こそあれ、日本など各国も蜂群崩壊症候群に農業と食が脅かされかねない。

 小さな昆虫に生態系の頂点に位置する人類の命運が左右される状況は皮肉だが、一刻も早い原因の究明と効果的な対策の導入が求められる。

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