皆さん、今晩は。岩永 光一です。
今回は前回書きました『日本国憲法を紐解く ―憲法とは何か？―』の続きです。
前回はこちら→
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1942710463&owner_id=12768642
前回、「自由や平等といった人権、政治権力の大本が国民に在るという原理が
打ち立てられました。」、「国民側が為政者に対して出した「注文書」、「守るべき制限」とでも
言うべきもので、 これに沿って政治を行う事が立憲主義」と書きました。
今回は、それを更に掘り下げていきたいと思います。
日本国憲法には５つの基本原理が在ります。
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「国の政治の主人公は国民である」という事です。義務教育では「国民主権」と教わります。
日本国憲法の前文に「ここに主権が国民に存することを宣言し」とあります。
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戦争させない、軍隊は持たない。国際紛争は平和的な解決を目指す事を誓っています。
具体的には、日本国憲法の前文に「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることの
ないやうにすることを決意し」、「第二章 戦争の放棄」では第九条の一項、「日本国民は、
正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇
又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
二項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。」と在ります。
義務教育では「平和主義」として教わる所です。
�� 基本的人権の尊重
国民の自由と権利は、どの様な理由や事情があっても侵せない
永久の権利だと規定しています。
具体的には、日本国憲法の「第三章 国民の権利及び義務」の第十一条にて、
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、
現在及び将来の国民に与へられる。」と定められております。
又、第十三条では「すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、
立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定められています。
更には第二十五条の一項にて、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と在ります。
日本国憲法の第三章では、国民の権利について規定しています。
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政府の独裁を認めない。国民が選んだ国会が最高機関であるという事です。
但し、ここで誤解してはならないのは、「少数派意見であっても、選ばれた議員は国民の
意見の代表者である」という事。「多数派の意見が全て」であれば、
それは独裁と変わらない事になります。
日本国憲法では、「第四章 国会」の第四十一条で、
「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と定められています。
�ァ｜亙�自治
自分達が住んでいる地域については、自分達の知恵と力が主体となって運営する原則です。
具体的には、日本国憲法の「第八章 地方自治」の第九十二条、「地方公共団体の組織及び
運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」
第九十三条一項、「地方公共団体には、法律の定めるところにより、
その議事機関として議会を設置する。」
二項、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、
その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」
第九十四条、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、
及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」
第九十五条「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、
その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、
国会は、これを制定することができない。」と定められています。
全てが大切な基本原理ですが、中でも�△�重要な意味を持ちます。
日本国憲法前文の「政府の行為に因って再び戦争の惨禍が起る事の無い様にする事」を
具体的に書き表した物が第九条であり、戦争は最大最悪の人権侵害に当たるからです。
逆に言うなら、「戦争をさせない事」が人権保障の大元であり、日本国憲法前文の、
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を
深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我等の安全と
生存を保持しようと決意した。我等は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を
地上から永遠に除去しようと努めている国際社会に於いて、名誉ある地位を占めたいと思う。
我等は、全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免かれ、平和の内に生存する権利を
有する事を確認する。」を担保しています。
日本国憲法の前文には理念が集約されており、砕けた言葉で一例を書き表しますと、
「日本国民は、正当な選挙で選ばれた国会議員を通じて政治的な行動し、私達と
私達の子孫の為に、世界中の国々の人々との平和の協力で得られた成果と、国民全員が
自由であることをしっかりと認めて、政府に再び戦争を起こさせない様な気持ちで、
国の事は国民が決める事ができる事をハッキリさせて、この憲法を決めます。
そもそも国の政治は、国民が心を引き締めて信じて選んだものなので、
国民が政治を信頼している事が理由で、その力は選ばれた国会議員が使い、
幸せと利益は国民が自分のものとします。
これは人達に広く行き渡った基本的な考え方で、この憲法はそれに基づいています。
私達は、これに反する全ての決まり事や天皇の意思を表示する文書を無くします。
日本国民は、（戦争が無く）平和が永く変わらない事を強く望み、人間関係において気高く
尊い理想を深く自覚しており、平和を愛する世界中の人々の公平で偏り無い事と
真心で約束を守る事を信じて、私達は安全に生きていこうと心に決めました。
私達日本は戦争が無い状態を続け、独り善がりな政治とそれに言いなりにさせられる事や、
武力や権力などで他国を抑え付ける事と、自分達だけの狭い考えに囚われる事を
地球からずっと無くそうと努力している国際社会の中で、「日本は頑張ってるな」と
優れた評価を頂ける立場で在り続けたいと思います。
私達日本は、全世界の人々が、全員怖い事と（食べ物が）不足する事から遠ざけられ、
平和に暮らす事ができる事を認めます。
私達は、どの国も、自分の国の事だけを熱心に考えて他国を無視してはダメで、
政治の善悪の決まりは広く行き渡っているものであり、それに従う事は、日本の主権を保ち、
他の国と対等な関係になろうとする世界中の国が果たさなければならない事だと信じています。
私達日本国民は、国家の名誉にかけ、力を出し切ってでもこの誉れ高くて尊い望みと
実現したい思い果たす事を約束します。」
…という感じでしょうか？ かなり辞書で単語を調べました。
長くなりましたが、今回は以上です。
次回は日本国憲法の前文と歴史の関係性を掘り下げたいと思います。
ご覧頂き、お読み下さりありがとうございました。
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