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2015年05月25日22:26

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【文字起こし】2015.5.23ラジオ・フォーラム第124回 小出裕章ジャーナル【倫理で脱原発を決めたドイツ、誰も責任を取らない日本】

結局、「誰も責任を取らない」ということが一番問題なのであって、こんなことを許してしまえば、第二、第三のフクシマは必ず起きるし、起きても何ら変わることなく、原子力マフィアは原子力を続けようとするでしょう。

彼らの責任を問い続けなければいけません。
無関心は必ず、自分にしっぺ返しが帰ってきます。

危険・警告伊方原発3号機の審査書案に関するパブリックコメント募集中です!
みんなでパブコメを書いて、何としても再稼動を阻止しましょうペン
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198272001&Mode=0



ラジオ・フォーラム第124回
http://www.rafjp.org/program-archive/124-3/

小出裕章(京大助教)非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/

京都大学原子炉実験所 原子力安全研究グループ(小出氏が所属)
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html

小出裕章氏講演会情報
http://healing-goods.info/koide/


【内容文字起こし】

パーソナリティ:石丸次郎(ジャーナリスト)

石丸:小出さん、今日はよろしくお願いいたします。

小出:はい。よろしくお願いします。

石丸:あの、今日はビジョンの話をちょっと、お伺いしたいんですけれども、今、日本国内、原発が全て稼動を止めている状態であります。えー、そして関西電力は、運転開始から40年を超える、美浜原発1・2号機の廃炉を決めた。それから日本原子力発電も敦賀原発1号機、九州電力は玄海原発1号機、等々、まあ廃炉を決めました。一方で、運転開始から40年前後の、関西電力の高浜原発1・2号機、あるいは美浜原発の3号機なんかを、原子力規制委員会に安全対策審査を申請しております。つまり、えー、40年を超えても運転を続けていこうということが、まあ目指されているわけですけれども、まあ言い換えるとこれは、原発稼動を復活させるという、まあ政府の意向、あるいは電力業界の意向が、働いているわけです。政府は、原子力は重要なベースロード電源だと、いうことで、原発復活に突き進んでいるような現状があります。まず、今年、色んな原発がまた稼動を始めるかもしれないというところに来ているわけですけれども、この現状を、まあ小出さんは今、どうご覧になっておられますか?

小出:非常に端的に言えば、あまりにも愚かだなと、思います。えー、これまでまあ、「原子力マフィア」と私が呼ぶような人たちが「原子力発電所だけは絶対に事故は起こしません」と、言い続けてきたわけですけれども、でも、私から見ても大変残念なことに、福島第一原子力発電所の事故が、事実として起きているわけです。やっぱり何よりも事実というものが一番大切なわけですから、それを見たのであれば、これまでのように原子力発電所が安全だ、まだできるというように、思うということ自身がもう、話にならないくらい間違えていると、私は思います。ただし、彼らがどうしてもやりたいということには、もちろん理由があるわけです。金儲けをしたくて、え・・・まあ国も電力会社も、巨大原子力産業もみんな集まってやってきたわけで、これからも金儲けをしたがっているわけです。そのために例えば海外に原子力発電所を輸出すると、いうようなことを今言っているわけですけれども、でも「自分の国でもう、原子力はやめた。それでもお前のところで買え」というようなことは絶対言えないわけですから、やはり海外に売ろうとするなら、自分のところでも原子力発電やってるんですということを、言わなければいけない。そのためにはどうしても再稼動させるということに、まあ突き進んでいるということだと思います。そして、彼らが、どうしてそれができるかと言うと、彼らが、福島第一原子力発電所の事故から、学んだ教訓があるのです。その教訓は、自分たちがどんなに酷い事故を起こして、人々をどんなに苦しめたところで、自分たちは処罰されないということです。

石丸:はい。

小出:それが彼らが得た最大の教訓になっているわけで、どんな古い原子力発電所を動かして、事故になろうと、自分たちは絶対に責任を問われないし、処罰もされないということが、福島第一原子力発電所の事故で分かってしまったわけですから、彼らとしては、何としてももうやると、いうことになっているんだと思います。

石丸:はい。一つまあ、皆さんもご存知だし、もちろんあの、小出さんも常々言及されていますけれども、ドイツの例ですね。ドイツが1990年に統一された時、この時27基の原発があったそうです。そしてそれが、徐々に減ってきて、政府として、社会として、脱原発社会を目指そうと、いうことを、まあ政治面も、それから経済界も、まあ合意をして、一つのビジョンを作ってやっていこうということを決めましたね。で、これは、今過程にある中でですね、電気代が上がったり、それからなかなか、いわゆる再生エネルギーが上手く作れなかったりという問題はありますけれども、しかしながら、ドイツ社会がどうエネルギーを使っていくか、どうエネルギーを作っていくかっていうことを、大きなビジョンを作って、やっているというところ。そこはやっぱり凄いなと思うんですね。

小出:思います。

石丸:で、その今、ところが日本はですね、使用済み核燃料が1万7千トンほどですか、溜まっている。これをどうするかっていうことも、放ったらかしでまた再稼動に行こうとしてる。このビジョンの差。ビジョン無しでこれだけのことが、これからも続けられようとしているっていうとこについて、どう考えたらいいのか、あるいはどう向き合ったらいいのか。

小出:日本って、ビジョンというものをきちっと、考えたこと、未だかつてなかったんじゃないですかね(笑)。とにかくまあ、今安倍さん自身は、経済最優先と言っているわけで、とにかく金儲け金儲けと、いうことで一点で突き進んでいるわけですね。ドイツが、どうして脱原発ができたかと言うと、政府の中に倫理委員会というのを、技術的な問題を考える委員会の他に、倫理委員会というまた別の委員会を作って、そこで原子力をやるということがどういう意味を持っているかということを、考えたんです。それで・・・

石丸:政府の中にそういう委員会を作って・・・

小出:そうです。それで今、石丸さん仰ってくださったように、使用済み燃料というものが日本でもどんどんどんどん溜まってくるわけですけれども、その始末の仕方すら、世界中どこも知らない。日本も知らないしドイツも知らないわけです。そういう時に、ドイツのその、政府の中にできた倫理委員会は、自分たちが始末ができないようなゴミ生み出す、そのこと自身が間違えているから、原子力をやってはいけないという、そういう結論を下すわけです。

石丸:はい。

小出:それがまあ結局まあ、あの・・・ドイツを脱原発に向かわせたわけですから、そうやって自分たちが生きているということがどういうことだ、未来の未来・・・未来をどうやって作っていくかということを、きっちりと技術的だけではなくて、人間の生き方の問題として考えるという、そういう国だったのです。いい国だと思います(笑)。

石丸:あの、そういうその・・・ちゃんと政府の中に技術以外の部分の、倫理、生き方を考えて、それをまあ、要するに、それはあの・・・国民の代表が、その国会内、政府の中に置くっていうことですよね。

小出:そうです。はい。

石丸:で、考えてみますと、日本もそういきたい。いけば良いと思うんですけれども、しかしながら、原発が危険だっていうことだけではなかなかやっぱり変わらない、という仕組みが厳然と存在しているのも事実ですよね。

小出:そうですよね。

石丸:あのー、原発を止めると。原子力をやめさせるということにまあ・・・人生を賭けてきた小出さんとしてはですね、

小出:(笑)・・・はい。

石丸:その科学の部分とは別に別に、そういうまあ、社会の仕組みであるとか、政府の仕組みであるとか、こういうところを変える、こういうところをもう少しみんなで考えたら、止められる、え・・・プロセス・仕組みが作れるんじゃないかっていう、そういう何か、お感じになるっていうことは、普段おありだと思うんですが。

小出:はい。私はまあ、原子力の場でずっと生きてきた人間で、原子力というのは、徹底的に危険で、破滅的だと思います。それだけでも、原子力は否定されるべきだと思いますけれども、私が原子力に反対してきた根本的な理由というのは、危険だからとかそういう話ではないのです。原子力というのは、徹頭徹尾差別的です。立地の問題からそうだし、労働の現場もそうだし、後はまあ、「原子力」と今日本で呼んでいるものは「核」と呼んでいる、いわゆる核兵器と同じ事実なのですけれども、要するに世界の平和、現在の今のもの凄い差別的な、世界構造を作っているということにも、非常に根本的に関わっているわけで、そういうものが私は許せないと思ってきたわけです。

石丸:はい。

小出:そういう意味で言えば、この会場にいる皆さんは、原子力の技術的なことにコミットされている方はほとんどいないと思いますけれども、もちろんそれで結構なんです。問題は、ご自分たちの周りに、もの凄い差別的な課題だってたくさんあると思いますけれども、そういうことにお一人お一人が、関わってくれたら、私が関わっている原子力の問題と通低して、手が結べると思いますので、

石丸:そうですね。差別をなくしていく、あるいは公平な社会を作っていくという過程で、まあ原子力、脱原子力に向かっていく社会も見えてくるっていうことですよね。

小出:はい。あの、同じことだと思っていますので、同時にやらなければどちらも達成できないと思います。

石丸:はい。小出さん、どうも今日はありがとうございました。

小出:ありがとうございました。

【文字起こし終了】


■川内原発2号機、九電が検査申請 9月下旬の再稼働目標
(朝日新聞デジタル - 05月25日 19:18)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3433727
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