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2015年05月22日12:37

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ポツダム宣言と安倍首相

今朝の朝日の「(天声人語)ポツダム宣言と安倍首相」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11767179.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11767179

(一部抜粋)一昨日の党首討論で志位氏は1945年に日本が受諾したポツダム宣言に触れ、先の戦争は間違っていたと認めるかとただした。首相は答弁した。「まだその部分をつまびらかに読んでいないので、直ちに論評することは差し控えたい」▼「読んでいない」はいかにも具合が悪い。米英や中国の人々が聞いたら、どう思うだろうか▼ポツダム宣言は戦後の世界秩序の起点の一つだ。首相はそれも読まずに、「戦後体制(レジーム)からの脱却」を唱えてきたのかという批判が出たのは当然である。基本的な歴史の知識すら欠くのでは、と疑われても仕方がない。

(感想)
安倍首相は「戦後体制(レジーム)からの脱却」を政権の最大の目標に掲げ、「脱却」の中心をなす戦争立法の成立を急いでいます。

天声人語氏は「ポツダム宣言は戦後の世界秩序の起点の一つ」と書いていますが、世界でなく日本の戦後秩序に限れば出発点となる起点そのものです。

首相が脱却を目指す「戦後体制」の骨格をなすのは日本国憲法です。
その日本国憲法は帝国憲法73条により「改正」するという手続きで成立しました。しかし、天皇主権の帝国憲法に基づき国民主権の新憲法を成立させるのは法論理上矛盾し不可能です。

そこで、ポツダム宣言の受託によって日本は国民主権の国になった故に、帝国憲法の改正規定を使って新憲法を制定したというのが憲法学、政治学の通説です(8月革命説)。

それゆえ、「戦後体制(レジーム)からの脱却」を言うためには、「戦後体制」の起点となったポツダム宣言を読むことは1丁目1番地です。小さな六法にも載せてあるたった13条の短く簡単な宣言であり、政治や法律をそれなりに学んだ人は憲法と一緒に読んだはずです(首相は日本とアメリカの大学で政治学を学びました)。まして政治を仕事とする人は。

ポツダム宣言とこれが引用するカイロ宣言は「日本国の侵略」「日本国民を欺罔して世界征服の挙に出づる過誤を犯した者の権力及び勢力」に言及しています。日本はこれを認めて降伏しました。「つまびらかに」読んでいないと首相は言っていますが、この部分は「戦後体制」の中心部分です。

なお、ポツダム宣言10条は「民主主義的傾向の復活強化」を謳っています。天皇主権の排除です。安倍首相は、この部分にも反発し(限定的ですが)天皇の国家元首化を自民党憲法草案に書かせています。

読んでいないということは、首相である以前に、国会議員としての資格がないと思います。

戦前の日本の侵略性を踏まえている「戦後体制からの脱却」は「戦後世界秩序からの脱却」も意味します。

世界では今も侵略戦争を行う国々が多数ありますが、タテマエ上は1945年時点でそれまでの「侵略戦争」を否定し、それに乗って動いています。「タテマエ」はとても大事であり、それを否定すると一層「無秩序」のカオスになります。

こんな人をこともあろうに首相にしている日本は世界から嘲笑され、憤激を買い、信頼を失い、国際社会から孤立する道を歩むでしょう。

国益のためにも、一時も早く退陣することを要求します。

(参考)
ポツダム宣言「本当に読んでないようだ」 志位氏が皮肉
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6160841

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