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2015年05月17日23:12

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【文字起こし・後編】2015.5.16ラジオ・フォーラム123回〈公開収録) 小出裕章ジャーナル【私が原子力に反対する理由は、原子力が徹頭徹尾差別的だから】

後編は質疑応答です。
前編はこちら→http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=23621043&id=1942210692

動画12分22秒〜
https://www.youtube.com/watch?v=5qIIZ4FRIZ8#t=12m22s



【内容文字起こし】

谷岡:それではあの、皆さんからの質問を、小出さんへの質問からです。「実際のところ、福島第一原発を廃炉にする作業は可能なのでしょうか?労働者の被曝を抑制するには、どんな方策があるのでしょうか?そして、日本に安全な最終処分場は、地理的にありうるのでしょうか?」という、たくさんの質問です。

小出:〈笑〉、全てのご質問に対してノーです。

谷岡:以上ですね、はい〈笑〉。

小出:はい。

谷岡:極めてシンプルで、はい。次に、「福井地裁の判決と、鹿児島地裁の判決の違いをもたらしたものは、何でしょうか?」と、小出さんに質問なのですが、よろしいですか?

小出:はい。えー、皆さん裁判官という人たちは、どういう人たちだと思いますか?非常に正義の味方で、いい人たちだと思うでしょうか?私は全然そう思わないのです。学者という人間もそうです。学者にしても裁判官にしても、非常に上昇志向の強い人たちで、出世しろよ出世しろよと言って、人生を走らされて、名誉も欲しい、というような人たちが、学者や裁判官になっているのです。そういう人たちにとっては、国には絶対楯突かないと、それが一番の不文律になっているわけであって、少なくとも原子力に関する限りは、国が原子力を進めるということをやって、巨大な権力機構が既にもうできてやっているわけですから、それに楯突くようなことをすれば出世できないわけで、裁判官とか学者とかいう人は、決してそんな立場にならないのです。だから私は原子力に関する限り、裁判には一切期待をかけないと、いうことをずーっと、あの・・・やってきました。私も若いころは裁判で、きちっとやってくれるんだろうと期待をかけたことがあって、私自身が裁判に関わって証人になって出廷したこともありますけれども、この国では絶対ダメだと、いうことになって、以降裁判には一切の期待をかけなかったのですけれども、え・・・去年の5月の21日に、福井地方裁判所というところの裁判官が、大飯原子力発電所の3号機と4号機の、原子力発電所を再稼動させてはならないという判決を出したのです。私は本当にびっくりしました。素晴らしい判決なのです。そして、「ああ、こんな裁判官がまだ日本の国にいてくれたんだな。本当にありがたい」と、思いました。そしてそれを支えてるのは、福島第一原子力発電所の事故が起きたという、何よりその事実が、その裁判官を支えていると。これから少しでも多くの裁判官が、事実をきちっと踏まえて、判決を出してくれるようになって欲しいと願いましたけれども、ついこの間、九州電力の川内原子力発電所の判決に関しては、「決定」と言うんですけれども、仮処分の決定の場合には、全く逆戻りしてしまって、国がやっていることは全て正しいと〈笑〉、原子力発電所動かしていいというような判決になってしまったのです。まあ、言ってみれば私は裁判官という、一人一人の、まあ個性と言うか、能力と言うか、それの違いがこの判決を分けたんだろうと思います。もっともっときっちりとした人間、一人一人が自立した人間、裁判官もそうですけど、そういう人間が育たない限りは、やはりまだまだダメな時代が続くんだろうなと思います。

谷岡:はい。ありがとうございます。「時々、3ヶ月や半年に1回ぐらいでいいので、番組全部で『オール小出裕章ジャーナル』をやって欲しいです」って〈笑)・・・。

(会場笑い)

石井:小出さんさえ宜しければ、スケジュールが合えば〈笑〉、いつでもやらせていただきます。

谷岡:いかがでしょうか小出さん?

小出:今仰け反って椅子から落ちそうになりましたけれども〈笑〉、まあ、私は3月に、京都大学を定年退職しました。要するにまあ京都大学と雇用関係が切れると、いうことになったわけで、私としては、定年とかいうのは、単なる社会的な制度に過ぎないと、十分認識しています。え・・・ただし、それとまた別の方で、生き物というのは、どんな生き物も老いていく。そしていつか死ぬと、いうことは仕方のないことなのであって、私も生き物として、老いていくんだと。老いてきたし、老いていくんだと、いうことは避けられないわけです。そういうことを自覚しろよという一つの一里塚だろうと、私は思っています。これまでも私は、愚かにも原子力に夢を持ってしまった人間として、その場所で、私にしかできないことだけに自分の力を集中して、原子力に抵抗しようと思って生きてきましたし、これからもそうしようと思いますが、だんだんまあ、年老いていくということを自覚しながら、私にしかできなしという仕事を、これまで以上に厳選して、少しずつ減らしながら、やはり退いていくしかないんだろうなと私は思っていますので、え・・・もちろんラジオフォーラムという、皆さんに、今日聞いていただいたように希望を持っていますし、何とかずーっと続いて欲しいと願ってはいますけれども、基本的には私自身は、少しずつでも退かせていただきたいと思っています。え・・・もし、その・・・長い時間を私に与えてくださるというような機会があるのであれば、何回かお受けできるかもしれませんが、でも、あの、基本的には、私も生き物として、少しずつ退いていくんだと、いうことだけは認めていただきたいと思っています。

〈会場拍手〉

谷岡:はい。次の質問は、あの・・・繋がっています。「喉元過ぎれば原発事故も忘れさせようという国です。小出先生は、私たち一般人ができることはどのようなことだとお考えですか?私たちも専門ではないけれども、後継者にどこかでなることができるでしょうか?」〈笑〉。

小出:えー私・・・は、専門的な立場から原子力に抵抗するという、特殊な役割を負った人間だと思っていますし、その特殊な立場にいる人間として、できることをやってきたつもりです。ただし、私が原子力に抵抗しているということは、原子力発電という技術が危険を抱えているとか、そんなこととは違うのです。原子力というのが、徹頭徹尾差別的で、他の人たちに犠牲をしわ寄せするという、そのこと自身に私は抵抗してきたつもりなのです。そのことを私は一言で言うと「差別」ということに抵抗するというふうに表現しているのですけれども、私の場合はたまたま原子力だということであって、皆さんの周りにも、きっと差別というようなものが多数存在していると思います。そういうことに皆さん自身が、本当に自分の身の回りの切実な問題に、皆さんが関わってくださるのであれば、その関わりは私が今、原子力に対して関わっている関わりと通低していると思います。全ての差別に抵抗して、差別を少しでも無くしていけるということができるなら、原子力もなくなっていくでしょうし、差別がなくせるのであれば、原子力なんて簡単になくなるんだと、私は思っていますので、皆さんが私と同じように原子力に対して闘うということは、なかなか難しいと思いますけれども、皆さんの身の回りの、本当に切実な問題に、皆さんお一人お一人が関わってくださると、いうことが私にとっては一番ありがたいことだし、それをやれば、きっともう少しましな社会になるだろうと思います。

谷岡:はい。ありがとうございます。さて、もう残り時間がと言うか、ないですね残り時間〈笑〉。ないのですが、せっかくですので最後に一言ずつ、もう一度皆さんに、皆さんへのコメントを頂きましょうということでしたので、石井さんからいってよろしいですか?

石井:はい。いつも言うんですが、私たちは、無力ではありません。微力ではありますが、決して無力ではありません。皆さんの力をお借りしながら、ラジオフォーラムを続けていきたい。

谷岡:湯浅さんお願いいたします。

湯浅:はい。ありがとうございました。あのー、まあ活動していると、「まさかこんなことをやる羽目になるとは思わなかった」ということばっかりなんですけど、今回の件も、そういう展開になって、何だか分かんないけどパーソナリティをやってるぞっていう状態が、もう丸2年も経ってしまいまして〈笑〉、まあ何とか3年はと思って、まあやってきましたので、これからももう少し、色んな方、まあ私は特に、若い人ね。あの・・・学生さんとかにも電話出演とかして頂いてるんですが、まあそういう方に出て頂いたり、そういう方に届くような話ができればなと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

〈会場拍手〉

小出:えー、一部の時に、湯浅さんが「若者たちに希望がある」と言って、未来にかなり希望があるというふうに湯浅さんは思われていると、発言をされたんですけれども、私はどうもあの・・・悲観主義者なのかもしれませんが、

湯浅:〈聞き取れず〉

小出:はい、ごめんなさい。かなり、あの悪い方向に、今転げ落ちて行っているんではないかと、私は思います。大きな流れが作られてしまうと、どんな抵抗も無駄になってしまうということもあると思います。え・・・そんな中で、今日の私のタイトルにあったように、ラジオフォーラムというこの番組が、希望の一つだと私は思いますので、何とかこれからも支えていただきたいと思います。今日は本当にご参加ありがとうございました。

〈会場拍手〉

【文字起こし終了】


浪江町 国や東電を集団提訴へ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3416168
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